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子供の頃、大好きだったクレヨン王国

何年も開いていなかった本を開いたら、クレヨン王国のしおりが出てきた。
「クレヨン王国」は作家、福永令三さんのシリーズ作品で、小学生の頃、このシリーズの大ファンだった。熱狂的なファンといってもいいくらいに。

私にとって、クレヨン王国といえば、三木 由記子さんのイラストのシリーズ(「クラシック版」と呼ばれているそうですね)なのだが、のちに「新装版」として、別の方のイラストのシリーズができたそうだ。そして、『夢のクレヨン王国』として、アニメ化もされていたようだ。(大ファンを自負していたのに、知らなかった……)

当時は、物語のシリーズの他、『クレヨン王国ファンタジーランド詩画集』『クレヨン王国ファンタジーポエム』『クレヨン王国ファンタジ-グッズ』(←手芸集)などもそろえていた。
無地の白いハンカチを買ってきて、『クレヨン王国ファンタジ-グッズ』を見ながら、刺繍をしたりもしていた。小学生にしては、なかなかの出来栄えだった、と思う。

そんな風にどっぷりとハマったクレヨン王国シリーズ。このしおりを手にしていたのは、小学生時代だったはずだ。
だから、私が進学と同時に親元を離れて一人暮らしをし、就職してから引っ越しをし、彼と同棲するために引っ越しをし、結婚してから引っ越しをし、夫の転勤に帯同するために、タイへと渡り、タイのバンコク市内での引っ越しも経て、本帰国として日本に戻るまで、このしおりはずっと私と生活をともにしていたことになる。

本が増えがちな私は、引っ越しの度に、売ったりしながらたくさんの本を手放してきたのだけれども、そこに紛れこむこともなく、私の元に居続けてくれたこのしおり。そして、今、ひょっこりと姿を現したのだった。

このしおりのイラストは『クレヨン王国ファンタジーランド詩画集』のもので、当時、この本のページを繰り返し、繰り返しめくったのだった。
それでも、今、覚えているのはこの一節だけ。

さあ きょうからは
胸に青い地球を飲んで
やさしさ色の花のたねをまこう

『クレヨン王国ファンタジーランド詩画集』

やさしさ色ってどんな色だろう?
クレヨンのどの色でもなさそうだ。
やさしさ色の花のたねをまいてみたい。
それは、綺麗ごとかもしれない。
事実、それが綺麗だとしても、だ。
やさしさ色の花のたねをまくのが良い気がする。

小学生の頃の私が、このままの通りの語彙でそう思ったかは別として、
そんな風な感想を抱いた記憶がある。

これを機にネットで調べてみると、その一節には続きがあった。

さあ きょうからは
胸に青い地球を飲んで
やさしさ色の花のたねをまこう
やさしさ色は
命の数だけあるから
これはつきることのない楽しみになる

『クレヨン王国ファンタジーランド詩画集』

そうか、命の数だけあるなら、私のやさしさ色があるのか。
どんな色だろう、どんな色にできるだろう。


そして、もうひとつ思い出した一節があった。

木だって おどりたいのです
あまりに長い一生だから
木だって おどりたいのです
あまりに短い一生だから

『クレヨン王国ファンタジーランド詩画集』

そうだよね、きっとおどりたいよね。
ずっとそこに立って、どんなときも見守ってきたんだもの。
晴れの日も、雨の日も、嵐の日でさえも。
人がいてにぎやかなときも、誰もいないときも。

そんな風に、木の気持ちを想像したのだった。

当時、集めたクレヨン王国シリーズは、全部、実家に保管してあるはずだ。
今ではもう荷物部屋みたいになった、かつての姉と私の部屋で、積まれたダンボールのどれかに入っているはず。
久々に開けて見てみたい。


クレヨン王国シリーズ↓

個人的には、クラシック版の単行本が好きなのですが、もうあまり売られていないみたいですね。


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