お堅い会議の「型」の「価値」

先日、ある大企業さんの会議に行ってきました。
その大企業さんが主催されるその会議は、200人は入るであろうホテルの会場に、社員さんと下請けさんが一同にあつまるもの。半日かけてありがた~いお話を伺い、その後はお酒と食事の懇親会へ、という定番のものです。

私も懇親会では思い思いにみなさんとお話しをさせて頂き、お酒もはいってみなさんご機嫌。楽しい場になりました。
ざっくばらんにいろんなお話しができますし、初めてお会いする人と、気兼ねなくやりとりが生まれるのもこういう場の特徴です。
加えてお酒に乱れたお偉いさんが、まるで自治会長のおじいちゃんに見えたり、女好きのオトコの子のようになってたり、とあまり見ることのできない光景が見えるのも微笑ましいのです。

ただ、そんな顔の裏には、みんないろんな思いがうごめいてるんだなぁ、という側面も、妙に感心しつつ様子に見入っていました。
まず、こういう場にいくとキーマン捜しにやっきになる若手営業がいます。自分だってがつがつしていたころもあったので、その気持ちはよーくわかります。
またいかにも仲良くなる風情で、やたらとこちらの状況を聞き出すおじさんがいたりします。情報を探りたいのだな、と感じさせられるものの、そうしていろんな状況をつかみ取ろうとされる経営者さんのお気持ちもよくわかります。
私だって、名札にみえる業務内容から、関心ある会社さんとご挨拶したりしましたしね。下請け同士は競合同士。今日の友は明日の敵かもしれません。油断はできないもの。

そんな側面もあって、こうした感じの場を、一昔前まで私はあまり好んでおりませんでした。というのもこういう場って、基本的になんか面白くない(ありきたりで予想通りで)し、懇親会にうごめくものも真っ向勝負ではない(昼間の勝負じゃなきゃ良い関係じゃない)ような気がして、なんだか気色悪いとさえ思っていたり。

でも見方を変えると、相当「型」を大切にしておられる、作り込まれた場のように見えてきたのです。

というのも、この「場」全体をみてみると、型を守って(前半のお堅い会議)、型を破り(後半の飲み会)、型を離れたところで新たな仕事が生まれている(その日の集まり以降)のではないかと。
型どおりのことを滞りなく進めていくことで、実はその先に新しいものが自動的に生み出されるような仕組みになっているわけです。

まさに「守破離」の典型が、こんなところでも回ってるわけです。
さらに仕組みがしっかりできているものですから、若手中心で運営がなされており、誰がやってもある程度しっかりした「場」ができあがることも見て取れます。
そう思うと、なんてよくできたシステムなんだ!と驚嘆せざるを得ませんでした。

そしてさらに、この守波離の流れを何度も何度も繰り返す。またそれを回すことが仕組みとなっているから、ある程度習慣としてこの仕組みが回っている。これをつかってこの大企業さんはさらに着々と力をつけていかれるのかもしれません。

みなさんにとって、守破離を回す仕組みはありますか?私と同じように、型どおりのものを軽視しておられませんか。

企業組織の強さののみならず、守破離の型でぐるぐる回すことは、誰にとってもどんな組織にとっても成長するひとつの秘密かもしれませんよ。

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