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編集の仕事は「世界」の濃度を増していくこと

そして、インバウンド(訪日)メディアの仕事は、「日本」の濃度を増していくこと

今回は僕がMATCHAに入った理由についてお話しようと思います。※アイキャッチはいつかの編集部の様子。奥で頭を抱えているのが自分です。

編集者の役割ってなんだろう

これは私見ですが、人の生きる意味は「世界に新しい価値をプラスすること」だと考えています。自分が死ぬまでの間に、本当にわずかでもいいからこの世界をより豊かなものにしたい。そう考えています。

研究者や発明家、作家や芸術家など、これまで世界になかったものを生み出す人々、日々新しい価値を生み出している人々はたくさんいます。

では、一から何かを作るわけではない、取材する(=素材を集める)ことでしか成果物を作れない編集者には何ができるのでしょう。

それは、「光をあてること」のはずです。ある対象に別の角度から光を当て、新しい魅力や価値を発見・提示する。

その結果、ある対象に別の意味や価値を見出す人が生まれたなら、その人にとって世界はその分だけ濃度を増したと言えるんじゃないでしょうか。

それが編集者やメディアの価値の生み出し方だと考えています。

世界とは、全ての人の中にあることの総体である

さらにもうひとつ。僕は「世界とは、全ての人の中にあることの総体である」とも考えています。

だから新しい価値を見出す人が増えていけば、実際の質量は変わっていないのに、総体としての「世界」の内容は濃くなっていくと言えるのではないでしょうか。

「世界の濃度を増していくこと」

これが僕の中での編集者の存在する意味です。

これでようやく、冒頭の「MATCHAに入った理由」につながります。

まだ光が当てられていない分野、新たに光を当てれば大きく価値を増やすことのできる分野を探していて見つけたのが、「インバウンド」だったわけです。

訪日客の存在が、縮小する日本を押し広げてくれる

日本の人口が減少し、高齢化が進んでいくことはもはや避けることできない未来として一般に認識されています。

だから移民や訪日客を呼び込もうと国を挙げてがんばっているわけですが、必ずしも人が動く必要はないのかもしれません(会社の方針とは異なりますが)。

-日本のことを心に留めてもらう。

-"日本"と聞いて思い浮かべるイメージを増やしてもらう。

それだけでも意味があるのではないでしょうか。ある人にとっての日本が「美しい自然の残る国」だったとして、その人が「日本って世界一のグルメの国なんだ!」と思ってくれたら、その人の中での日本は2つの側面を持つ国として存在することになります。

物理的には縮小しつつある日本が、日本という言葉に含まれる意味が、訪日客の力でより濃くなってくるかもしれないわけです。

MATCHAのおかげで、日本に新しい魅力を感じるようになったと言われたい

MATCHAに入った理由を説明するつもりが、「インバウンドメディアを選んだ理由」までしか説明できませんでした。この先の話は別の機会に深掘りしたいと思います。

最後に、アメリカの作家レイモンド・チャンドラーのことを評した、ある言葉を紹介しようと思います。

ただしWikipediaからの引用なので、正確なのかはわからんです。

レイモンド・チャンドラーはアメリカについて語る新たな方法を発明し、それ以来我々にとってアメリカは全く違ったものとして映るようになった。
—ポール・オースター

書き手やメディアにとって、これ以上ない賞賛ですよね。

MATCHAは日本のことを新しい言葉で語り、それ以来世界の人々は日本に新しい魅力を感じるようになった。

そう言われる日がくることを目指し、今日も頑張っていこうと思います。

植松

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