インターンへのフィードバックを公開します-記事企画基本の7ポイント
MATCHAの最年少メンバーは高校生
こんにちは。インバウンドメディアMATCHA(https://matcha-jp.com/jp/)で編集長をしている植松と申します。
MATCHAは立ち上げ当初から、社員以外の多くの方に支えられてきた会社で、その中には学生のインターンも含まれています。
それは現在も同じ。数名の学生が在籍し、記事の制作やインバウンド戦略のアシスタントをしてくれています。
学生だって大事な仲間
インターンの最年少はなんと高校生!! 今の学生さんの問題意識のレベル・意欲は、自分(1987年生まれ)の時代と比べると、格段に高くなっていますね。
すげえや。
MATCHAの人気記事のいくつかは、過去にインターンの方が作ったものであったりします(例)。会社にとっては、学生さんも立派で大事な仲間であり戦力です。若いうちに、そんな経験ができるなんて羨ましい限り。
インターンに興味がある人は、ぜひこちらへ連絡してください!
学生さんへのFeedBackを公開します
さて、本日は先述の高校生インターン(F君)が出してくれた記事企画に対するFBメモを公開します(F君からは許可をもらっています。念のため)。
出社直後に出してくれた50本の企画に対する総評の一部なのですが、初めて企画を考える人が最初に覚えておくべきポイントがまとまっているので、ライター志望の方にとっても参考になる。はず。
こんなに手厚いFBを貰えるメディアは少ないぞ! ということで、自社のPRにつながれば幸いです。
Fくんへ、企画を考える7つのチェックポイント
F君
企画ありがとうございます。進めて欲しい企画については先程話した通りです。若者ならではの視点と行動力で、制作進めてください。
さて、ここからは今後企画を考える上での注意点やチェックポイントを7つ説明します。今回は何も指示をせずにお願いしたので、指摘については過度に気にしないでください。次回以降、企画を考える上でのチェックリスト的に使ってもらえれば。よろしく!
1.企画になっているか
出してくれた企画:
民芸品、剣道
単語だけしか記載していないもの。これは、企画以前のテーマ以前のキーワードです。そのキーワードをどう取り上げることで面白いコンテンツになるのか、を考えるのが企画です。
例えばこんな企画は?:
着いたその日に侍体験「SAMURAI TRIP」の剣道ツアー
2.媒体の目的を理解しているか ( 観光に結びついているか)
出してくれた企画:
日本人高校生の日常、日本人高校生がオススメするマンガベスト5など
コンテンツとしてはおもしろがってもらえるとしても、これを呼んで訪日客が増えるか、訪日客の課題が解決できるか。
MATCHAの目的はすでに説明したとおりです。その場でコンテンツを消費してもらうだけでなく、読者の行動に影響を与えたいと考えています(日本に行きたい→日本に行く とかね)。
読者がそのコンテンツを読む前と読んだあとで、どう変わるのか(感情・行動・意見)に注目すると、その企画の役割と力が見えてくると思います。
媒体の特性と目的を知ることは、企画の最初のステップです
また、ここで取り上げてきているコミックスは、海外の方が読める他言語版が存在しているのか、などの情報のリサーチも足りないです。コミックスを紹介したところでそれを追体験できなければ意味がない。これは次の「再現性」にもつながります。
例えばこんな企画は?:
絶対日本に来たくなる、あの名作の聖地巡礼MAP
3.企画を判断するための情報が不足していないか
出してくれた企画:
東京のオススメインスタ映えスポット10選
今だから注目すべき日本の技術
これ、この状態だと判断できないです。中身が見えないから。
インスタ映えするスポットって具体的にどこ? 景色? 建築? 食べ物? 10選の基準は? 女性向け? 家族向け? 東京のエリアはどこ? こういった企画は、10選の中身次第なので、一部でいいので取り上げようと思っているスポットを入れてください。
2つめの企画について。本当に「今だから注目すべき日本の技術」が、5つもありますか? 企画会議はアイディアを披露する場ではなく、そのコンテンツがどのような中身で、それをどう作るのかを議論する場所です。
企画に対して評価を得たいなら、そのために必要な情報を用意しておきましょう。タイトルだけでOKな企画もあれば、構成を見ないと判断つかない企画、記事の一部を作っておかないと意図を理解できない企画など様々です。
「そもそも5つもない=作れない=企画として成立していない」なら、議論の時間が無駄です。
例えばこんな企画は?:
文明は尻洗浄から生まれた、TOTOミュージアムで学ぶ日本の先端水洗技術
4.再現性があるか
出してくれた企画:
日本の中心、皇居の周りをサイクリング
禁断の食事 dark nave(闇鍋)とは
MATCHAは旅行関係のメディアです。読んでくれた人が面白がるだけでなく、旅行に行きたくなったり、実際に旅行に行ったり、その人の日本旅行がより充実したものになることを目的としています。
出してくれた企画の場合、まずは皇居の周りをサイクリングする動機づけが弱いんですが、その上で旅行者はどこで自転車を手に入れますか?皇居の近くにレンタサイクルショップはある? それは海外のクレジットで決済できる?
記事で紹介した体験を、読者が再現できるのかを考えてみてください。
闇鍋の記事は、日本のどこで体験しますか? 自国でできるのであれば、旅行メディアであるMATCHAで取り上げる意味はないかと。
例えばこんな企画は?:
のび太も食べてた“あげぱん”を実食、新御徒町「給食当番」
作中に出てたか知らんけど笑
5.作り方が明らかか
出してくれた企画:
初めて日本に来た○○さんが直面した5つの問題とその解決方法。
○○さんはどこの誰。企画は、それをどうやって作るかまで考えて初めて成立します。
今回なら、「成田空港で帰国直前の旅行者100人にインタビュー。日本旅行中に困ったこと、用意しておけばよかったことなど聞き出し、結果をランキング形式で紹介」みたいな内容があれば、企画としてGOしたかもしれません。
例えばこんな企画は?:
「訪日前にしとけばよかった……」旅行者100人の後悔ランキング
6.読者がコンテンツの中身を想像できるか
出してくれた企画:
訪日観光客ガイド案内
日本のオススメサイクリングコース
タイトル(とアイキャッチ)は、読者が最初に見る記事への入り口です。その入口に足を踏み入れた先に何があるのか、多少わからないと人はなかなかそこへ行こうと思いません。
まとめサイトなんかでよくある「○○した結果www」「俺の彼女(22)の年収www」みたいなタイトルも、なんも語ってないようですが、読者に「大失敗したか大成功したんだな」「めっちゃ高いか低いかなんだろうな」と記事内容をイメージさせることに成功しています。
これは、「期待させる」意味もあれば「これは自分向けの記事だな」と読者に判断してもらいコンテンツのミスマッチを防ぐ意味もあります。
出してくれた企画を例にすると、前者(訪日観光客ガイド案内)ならどんな課題を解決するガイド案内なのか、それを読むとどんな日本旅行ができるのか、後者ならオススメの理由(の一部)や、取り上げているコース(の一部)などを見せると、記事内容をイメージし「これは自分のための記事だ」と考えてくれる読者もいるはずです。
例えばこんな企画は?:
ベビーカーでも楽々観光、子連れで行く東京2泊3日プラン
7.作れたら楽しいか
企画を見ると、全体に冷静でロジカルに作ろうとしている印象を受けました。読まれる記事を作るためには必要なことだと思います。
でも、これを作って、F君のテンションは上がりますか? 受けることだけを考えて記事を作るのもいいけど、「読者も読んで喜ぶ」「自分も作って嬉しい」企画も必要だと思いますよ。というか、その両立を考えるところに、企画づくりの面白さがあると思います。
Fくんは英語を勉強したい、海外であるいは海外の人と仕事をしてみたいと言っていました。それなら英語を使える企画、外国人に接しないと作れない企画を考えてみたら? 旅行者にインタビューするとか。
さっきFくんの好きなことを聞いたのはそういう意味もあります。
例えばこんな企画は?:
任せるよ!
来たれ優秀な若者たち
以上、F君へのFeedBackでした。
すでに現役の編集者の方にとっては当たり前のことばかりでしょうが、こういった基本に立ち返ることができる点も、若い方と一緒に仕事をするよさですね。
なお、フィードバック文はダメ出しのように見えるかもしれませんが、F君は超優秀な人材です。
そんなF君に「負けないぞ!」という意欲のある方は、ぜひMATCHAのインターンにご応募ください!
おしまい。
植松
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?