このnoteは、綺麗な写真が誰でも撮れるようになった世の中で、「写真の価値ってなんだろう？」「自分にとっての１枚を撮るにはどうしたらいいんだろう？」と問いを立て、考察したものです。写真撮影の一助になれば嬉しいです。
　Instagramでも色々と模索しながら、写真の価値に問いを立てて発信しています。良ければこちらもご覧ください。
　┗Instagram：uzuraism_

１．誰でも気軽に撮影を楽しめる時代　

　今の時代、写真は誰でも綺麗に撮れるようになったなと思います。カメラの性能も、スマホのカメラ機能も日進月歩、安物のカメラを買うくらいならスマホの方が綺麗に撮れるくらいです。　SNSへの投稿で自分の生活をシェアできるようになり、「写真を撮る」ということへのハードルは格段に下がりました。
　そのなかで、写真の価値はどうなっていくのかなと、ふと思いました。芸術としての写真と、娯楽としての写真。。。インスタグラムの投稿を見ているとどの人の写真も素敵で、それすらも芸術になってしまうのではと思ってしまいます。

　さらに、今は写真加工もできます。これまではアプリを購入して編集するのは写真が趣味な人でしたが、今は携帯アプリでもある程度の加工ができるようになっています。ただでさえ綺麗な写真を加工によりさらに綺麗にすることができる。素人目には、プロとアマの違いが写真１枚ではなかなか分からない状態になっているような気がします。

２．綺麗さに言葉も吹きかけて、伝える

　そんな”綺麗さ”では勝負にならない中で、自分の撮った写真をどうやって価値のあるものにすればいいのでしょうか。
私は、
　・写真に物語があるか。
　・それを自分なりに言葉にして、相手に伝える。
ことで、”いい写真”に近づくのかなと思います。

　自分なりに感じた綺麗さを言葉にして、相手に伝える。見て感じてもらうことも大事ではありますが、【「自分はこんなところが綺麗、良かったと感じたんだ」と発信する】ことで、写真の見方を提案するのが大事なのかなと思っています。
　写真は撮って綺麗！で終わることが個人的には多い気がしていますが、そこに自分なりの物語が付加されれば、その人しか撮れない写真になるのではないでしょうか。
　わざわざ秘境の地に赴いて誰にも撮れない写真を探しに行かなくても、【感性の言語化】により日常の写真でも特別な写真になります。そして、それに共感してくれる人が増えれば、それは”みんなにとっての綺麗な写真”になります。

３．Example．物語を添える

　例えば、この写真にこんな物語を添えるのはどうでしょう。

タイトル：問いを越えながら境界線を歩く

梅雨の中横断歩道を一人の男性が歩いています。手前は水溜まりに、信号やタクシーのライトが反射しています。奥は雨が渇き、男性が雨と晴れの境界線を歩いているようです。

路面に引かれたいくつもの赤い線光は、男性の行く手を幾度もなく止めて「この道でいいのか」と問うている赤信号のようです。そして、そのたびに＋かーかの狭間で感情の選択を問われながら、横断しているようです。

【人は平均で1日に35,000回の決断、1時間あたり約2,000、2秒あたりに1回の決断をしている】と言われています。1日だけでもこれほどの選択量、その中で後悔しない決断がどれだけできているか。プロとは決断の回数で決まるんだと、考えさせられる写真になりました📷
引用：uzuraismインスタグラムより

　一枚の写真に、自分なりに感じた物語を添えてあげると、新たな発見や、別の解釈を生み出すきっかけにもなると思います。

４．Example．不思議を紐解く言葉を添える

　さらに、こちらの写真。　一見、ただのイチョウに水滴がついた写真です。この写真に、こんな言葉をつけてみたら、どうでしょうか。　

タイトル：イチョウと雫
　
梅雨の季節。足元は水溜まりで犇めきあう中、イチョウが水を弾き、存在感を出していました。
　イチョウが水を弾くのは、【葉の表面に油分を含むクチクラ層】があり、イチョウはとくに多いため。これは、葉の乾燥を防ぐために必要な構造です。
　ちなみに、落ち葉になり濡れると油分が分解され流れ出るので、この葉っぱは落ち葉になりたてと推測できます。ちょっと探偵になった気分になれますね☀️
引用：uzuraismインスタグラムより

　ちょっとした豆知識を添えるだけでも、写真の中の「なぜ？」が解消されるきっかけに繋がります。

５．おわりに

　最後までご覧いただきありがとうございました！
　考察は実証して立証される。毎日が実験です。ちょっとした疑問に問いを立てて、自分なりの答えを出し、それを多くの人にとっての特別になればいいなと思います。

おしまい