【青春のヴィジュアル系】BUCK-TICK、説明不可能な魔王の魅力、元祖お耽美系?

ヴィジュアル系ブームが始まりだした93年ごろ。そもそもこのヴィジュアル系と言う言葉すらなかったということを、最近思い出した。

そんな中で、このブームの先駆けとなったのが、おそらく言わずもがなX JAPANと、そしてBUCK-TICK。

彼らが大きくなり始めたころは私は小学生のガキだったので、男の人がお化粧するなんて気持ち悪い、という固定概念にまだ囚われていた。

その私がBUCK-TICKに目覚めたのは、中学生になってから。メジャーデビューした黒夢やLUNA SEAの「ROSIER」にがっつり心を奪われ、その流れの中で自然とBUCK-TICKにも目が行くようになり、すると、友達のお姉ちゃんが、現実の彼氏に夢中になったからだったか、持っていたBUCK-TICKのCDやらビデオやらを譲ってくれた。それらをむさぼるように観て聴いて、私はかれらの魅力に取りつかれてしまった。

とりわけ、もらった中にあったアルバム『惡の華』の全収録曲のMVが全て詰まっているという、MVビデオ集の『惡の華』には度肝を抜かれた。

これって、最近ではあまりない形というか、そもそもほかのアーティストではあまり類を見ない商品の類だったのか?とにかく、今思えば、MVをプロモーションビデオと呼ばれている時代からBUCK-TICKは、映像をただの宣伝ツールとしてではなく一つの作品として大切にしてたアーティストの一つだったのだなと改めて実感させられるのだけど。

そのアルバム『惡の華』一曲目が、この「NATIONAL MEDIA BOYS」。深紅や漆黒の口紅などの美しいお化粧をほどこし、髪の毛を逆立てたりしたメンバーが出ては来るのだけど、演奏するでもなく出てきて、??な内容。なんだけど、この曲のテンポが、旋律が、あまりにも独特で、思わず何度も見ずにはいられなかった。完全に、天才・今井寿の作った世界に、手中にはまった瞬間だった。

ていうか、ボーカルのあっちゃんの美しさが尋常じゃ無さ過ぎて。
同じ日本人?人間???的な。
この黒髪ストレートロングが、こんなにも似合う男性なんて、この世にいたの??

彼は私が好きになって良い人なのか悪い人なのか、わけのわからないこの気持ちを私に芽生えさせた、櫻井さんの妖艶な魅力。

そう、私は妖艶だとか、耽美だとか、男とは男らしくたれ、的な、一般で言われているような男らしさとは違う、美しい男性の像が、めちゃくちゃツボだったのだ。

そして、それをナチュラルに兼ね備えたお方が、櫻井敦司さんだったし、BUCK-TICKの楽曲は、その圧倒的な櫻井さんの魅力に負けない濃厚な音楽だったがため、ひと度はまったら最後な中毒性の塊だった。

彼らのその魅力がわかる楽曲の一つ「Kiss me good bye」も、まさにBUCK-TICKにしか表現できない世界。
バンド音なのに、メロディもシンプルだけど美しく、エレキのギターも存在感はあるのに、悪目出ししていない。ただただ、美しい。


「ドレス」というタイトル。固有名詞のみ。しかもカタカナ。ロックバンドのリード曲といったら激しいもんだと思っていたが、この妖艶な楽曲がなんとどA面のシングル。当時たかだか中学生、ストレートなJ-POPしか馴染みが無かった私は混乱。だっていわゆるサビってやつは、もっとわかりやすく盛り上がるもんじゃないのか?バラードだとしても。

そう思っても、なぜか最後まで聴かずにはいられない。目が離せない。ずーっと同じメロディーの繰り返し。淡々と。でも、あっちゃんの歌声はタンタンとのようで一つずつ表情を帯びている。ああ、妖艶。お耽美。艶やか。こういう類の言葉、全て櫻井さんに献上したい。

かと思えば、いきなりメキシカン?な帽子被ってマラカス振り乱してなんだかご陽気に「女の子~男の子~」と歌い上げる楽曲、「スピード」。
ロッカーて、「野郎ども~!女ども~!」的なお言葉遣いをする生物ではないの??なんか妙にかわいい。なんだろう、決して悪い人感がまるでない。とにかくわからないけど、ご陽気。

あとで大人になって歌詞の意味を知ると、いけない方向なご陽気を歌った曲だと知り、そう意味では十分ロックだった。
でもなんだろう、やっぱりそして、色っぽくて、こんな勢いで誘われたら拒むことなどできない。

そんなBUCK-TICKも活動30周年越え選手。
ちゃんとしたおやじの年齢になってはいるものの、色気は全く衰え知らず。
基本的にあまりBUCK-TICKはプロモーション活動をバラエティー番組に活発に必死こいて出演している風では最近はなかったのだけど、椎名林檎様と櫻井さんのコラボにて、Mステに久々の登場した際。従えたバンドメンバーは全て現役第一線バンドメンバーである、美しくロックな女性のみで揃える辺り、林檎様がまるで置屋のおかみとなり、あっちゃんのために最高のハーレムを用意したかのようだった。

あっちゃん本人はいつもと変わらず、控えめにそこにいるだけなのに、タモさんといい、なんだか周りが勝手に尽くしたくなる、そんな感じ。そして歌いだすと、あっちゃんのもうひとつの顔が出てきて、また周りは虜になる。ああ、なんて妖艶な一夜だったことよ。BUCK-TICKを知らなかった若者にも、きっとあっちゃんの本人の意思を越えた存在感は、あの数分で刻まれたのではなかろうか。

おまけ:伝説のいいとも出演回。

進化し続ける人達。だから、まだ何もまとめようがない。

ただただ、一生ついていきます。



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