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データが語る!世界の経済成長

足元の世界経済を見ますと、米国は金利高でリセッションの懸念が高まっていますし、欧州はウクライナ支援とエネルギー問題で手いっぱい、中国はコロナが今頃急拡大と、明るい所がありません。ウクライナも中国のコロナも、いずれ片付く問題ではありますが、中長期で世界経済はどんな成長をするのか。長期的な視点で確認しましょう。

図表1は、1960年以降の世界の名目GDP(USD建て)とその伸び率の推移です。主要国(2021年の上位6か国)の名目GDPの過去の推移を比較したのが図表2です。

世界経済のけん引役は、米国から中国へ

図表1:世界の名目GDPと成長率(60’年~21’年)
図表2:主要国の名目GDP

図表1を見ると、世界のGDP成長率は緩やかに低下傾向にあります。1960年から1990年手前までは、73年や79年のオイルショックの前後を除けば、世界のGDPは概ね4%以上での成長が続いていました。しかし、1990年以降2010年頃で見ますと、良くて4%、悪いと2%程度と変動し、それが2010年以降になると、コロナ禍の反動で2021年に5.8%伸びたのを除けば、概ね3%成長が続いているのが分かります。
次に図表2で、この成長がどこから来たのかを確認します。見ての通り、米国は安定の成長です。そして1995年頃までは日本が急成長したものの、その後30年近く横ばいが続いています。一方、2000年のWTO加盟以降の中国の成長は、目覚ましいのが分かります。また、足元インドは急成長中で、2020年にフランスを抜き、2022年には恐らく英国も抜いていると見られます。この国ごとの成長率を、10年毎に単純平均したのが図表3です。

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