見出し画像

アメリカの繁華街で深刻化する閉店と治安悪化

昨年夏の記事ですが、サンフランシスコの中心部から、百貨店ロードストロームやアバクロ、H&Mなどが撤退した結果、店舗の空きが目立ち、治安も悪化しているという内容です。主な要因は、在宅ワークや週数回だけ出社するハイブリッドワークの増加によるオフィス街での需要の減少です。

サンフランシスコは観光地としての集客力が強く、高価格帯ショップは堅調ですが、日常使いとなる中価格帯以下の店で影響が顕著です。同じことはマンハッタンでも起こっており、マンハッタンは空洞化、一方で周辺のブルックリンは小売りが完全に復活など、職場周辺の悪化と居住地域の好調という色分けが進んでおり、90年代のドーナツ化現象にも似ています。

日本でも、今後この傾向は強まると予想します。日本の場合、人口減少により、住む場所も各地域で特定のエリアへの集中と過疎が同時進行していますし、在宅ワークの増加で小売店は住居の近接地域へ徐々に移動していく過程にあると考えます。駅単位で地下の動向を見ても、小売店の誘致の巧拙により少しの距離の違いで地域の価値に大きな差が出て来るでしょう。これを避ける方法としては、職住近接があります。

ここから先は

117字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?