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ゴーストワールド・ワールド

今月は推しのコンサート行ったり、去年生まれて初めてクラウドファンディングに参加した扇町キネマさんへやっと映画を観に行けたり、相変わらずゆるーくだけど自分の好きなことしかしていない(素敵やん?)。
扇町で観たのは「ゴーストワールド」。前からむちゃくちゃ観たかった作品。
開始一秒でもうダメ、好きすぎるーーー!!の目盛りが上がりっぱなしでラストまで下がることなくそのまま。
モラトリアム上等、マスカルチャーなんて大嫌い!なイーニドが危なっかしく、でも私からすると彼女の全てが「無敵」で「健全」に映る。世間知らずからくる様々な行動も、むちゃくちゃ裏表がなくて自分の心にストレートな彼女を終始羨望の目で観てしまう。ちゃんと自分の意思を親や友達に伝えている。その内容が正論かどうかはさておき、自分の思いを常に周囲にアピールできるって私には物凄く健全なんだよな。
自分がイーニドの歳の頃は本当にそれが難しかった。自分の意思にそった行動や趣味嗜好を、他人に晒すことがとても怖かった。いつもびくびくコソコソしていた気がする。私もイーニドみたいに周囲と相容れないファッションや音楽が好きで、大人になってからはそれを誰にも言わずひとりで楽しんでいた。それが嫌ではないけど、なんとなく所在ない気持ちがたまに発生する。そんなどこにも着地できない「好き」を抱えて、夜中に延々YouTubeでニッチな音楽を聴き漁ったり、X(旧Twitter)で同じ思いを抱えてそうなアカウントを探したりと無様に右往左往している様はどちらかというとスティーブ・ブシェミ側に近い。年齢も近いしな。

この世界をつくる美術全ても最高!!インテリア、音楽、ファッション、ダイナー、コンビニエンスストア等々等々、目に飛び込んでくるもの、キャラクターのセリフなど全ついて言及したくなるし。

リバイバルでもパンフレットがあるなんて嬉し過ぎた


あとはもうパンフレットにあった監督のコラムが結構作品についての核心を語ってくれてるので、素人の私がごちゃごちゃ言うてもな~と思いながらも、名作っていろいろぐちゃぐちゃ言うのが楽しいんやん?とまた振り出しに戻り、ループして思いを馳せまくってる。脳内アトラクション・ゴーストワールドにずっと搭乗してる。降りろ、と言われてもしばらくは無理だ。
最後にもうひとつ感じたこと、ラストが内田春菊さんの漫画「物陰に足拍子」のラストに近いエモさがある!と私は勝手に受信した。
しかしスティーブ・ブシェミが出てる映画って外れ無し。
こんな良作を扇町キネマで鑑賞できて心底幸せだった。小さくてきれいな空間が上映中はゴーストワールド・ワールドだった。
この作品を思い出すとき、映画館もニコイチで思い出せることの追体験、もう一回言うわ、心底幸せ。
似たような経験で、九条のシネ・ヌーヴォへ「ハロルドとモード」を観に行ったの時のこともいつか記事にしたいな。

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