らなち

大学生の日記です。ちまちま更新してますので、思い出した頃に。

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記事一覧

400字小説「煙草」

 吸い殻であふれた部屋の灰皿を残して私は、昭和小説の古本とともに故郷へ発った。煙草を吸うきっかけになった友人は結婚してからやめたらしい。昭和の匂いを知りたい私は…

らなち
4か月前
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ここに書き残す時間がない、手書きのメモ帳にいろいろあるのに。でもメモ帳に記したことをそのまま書くのも味気ない。とにかく今日もいってきます。

らなち
5か月前
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ひゃくよんじゅうもじのせかい

11月27日。晴れ。夕方に小雨が降った。風はない大阪。祖父を弔う。3日連続の飲酒でげろを吐いた。地方では感じないのに、大阪では感じることの一つにせかせかとした感じが…

らなち
5か月前
1

今日の風さ、マジで強くなかった?

11月24日。晴れ。日付が変わってから寝たのに、風が異様にいきり立って窓に攻め込んできたから、5時に目が覚めてしまった。ひとりで生活していると、この窓の揺れが不安を…

らなち
5か月前
1

こはるびより

11月23日。晴れ。風は昼過ぎに立ちました。季節外れなどではなく、全く理に適った天候だと思います。  祝日は博物館へと張り切って考えていても、当日になると面倒な気持…

らなち
5か月前
1

食パンをくわえて学校に走る

11月22日。晴れ。無風。布団のぬくもりが恋しくなってきた。最近毛布を新しく買ったからよく眠れていい。  昨晩、目が冴えてしまった。夏場ならば歩いたり自転車を走らせ…

らなち
5か月前
3

とにかく毎日日記をつけることにした

 11月21日。昼下がり。晴れ。立冬が過ぎて早数週。傾いた日が空気を冷たくさせる。早朝頬をなでた風は上空の青白い空になっている。  バイトと勉学の二足の草鞋の現状で…

らなち
5か月前
4

埋没していく毎日に新鮮で鋭敏な勢いを

らなち
6か月前
1

夢破れたり

 さて、やはりこの空白の期間ももちろん心情の変化が確かにあったのだけど、なんでだろうか、文字を書く気にならなかった。まとまった感情が二三個出てきたわけなのだけど…

らなち
6か月前
1

あわい名月

 やけに静かな夜だったからふと外へ出た。漠然と歩いていると、足元に影がある。中秋の名月であった。友達と砂丘で眺めた去年のものと同じものだった。今年は風のない、落…

らなち
7か月前
7

ちょっぴり鬱な渇き

 あたたかい昼間の日差しが、私たちを乾燥させた。干している服と空のコップ。茶碗に残った白米はかびつつある。必要な水分は偏っていた。冷蔵庫には牛乳とコーラ。コーヒ…

らなち
8か月前

今日こそが特別な日だと思う

 特別なにか書こうと思っているわけじゃなくて、今日はただ雑記を重ねるだけです。というのも、最近は心情は変化してるのにそれが身体的動作に結び付かないから、きょうも…

らなち
8か月前
3

たとえヘルメットが落ちたとて

ヘルメットをかぶって安全に プロテクターも忘れずに身に着けて 砂利道からアスファルトへ まっすぐからくるりとまわって びゅんといく。 青い光に目を向けて 赤い光は目…

らなち
8か月前
1

だめだ人生がわからない

らなち
8か月前

大阪に帰ると涙が出てきそう

 今日まで大阪の実家に帰っていた。両親は河内に住んでいて、祖父母は大阪市内にいる。帰るときはもちろん親の家に向かうのだけど、決まって祖父母にも顔を出す。まあ祖父…

らなち
8か月前
8

割れなかった氷

8月の目標  8月の夏休みを有意義にしようと毎年思って失敗します。今年こそはと発起して、ちょっと始めてみました。目標は10冊の本。勉学にかんすることだから、人によっ…

らなち
8か月前
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400字小説「煙草」

400字小説「煙草」

 吸い殻であふれた部屋の灰皿を残して私は、昭和小説の古本とともに故郷へ発った。煙草を吸うきっかけになった友人は結婚してからやめたらしい。昭和の匂いを知りたい私はかつて、せめて学生の間は吸うのを許してほしい、と恋人の咲良に頼み込んだがきっぱり断られて以来、かえってやめる気にならず、その対立があるときひどい口論につながってそのまま別れた。師走の凍えた風が頬をさし、冬の乾燥した粘土みたいな硬い匂いが伝わ

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ここに書き残す時間がない、手書きのメモ帳にいろいろあるのに。でもメモ帳に記したことをそのまま書くのも味気ない。とにかく今日もいってきます。

ひゃくよんじゅうもじのせかい

ひゃくよんじゅうもじのせかい

11月27日。晴れ。夕方に小雨が降った。風はない大阪。祖父を弔う。3日連続の飲酒でげろを吐いた。地方では感じないのに、大阪では感じることの一つにせかせかとした感じがある。谷町九丁目とか淀屋橋とかいくとどうも足の進みが速くなっていく。その分拍動も早くなっていけない。なんちゃってさ。

今日の風さ、マジで強くなかった?

今日の風さ、マジで強くなかった?

11月24日。晴れ。日付が変わってから寝たのに、風が異様にいきり立って窓に攻め込んできたから、5時に目が覚めてしまった。ひとりで生活していると、この窓の揺れが不安を誘ってしかたない。周りがうるさくても寝られることが多かったが今朝は目は重かったが頭が動いたからYouTubeを見ていた。

 結局二度寝をしていたらしい。起きたのが1限の始まりで驚いたが、すぐに1限が休講だったことを思い出した。まああっ

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こはるびより

こはるびより

11月23日。晴れ。風は昼過ぎに立ちました。季節外れなどではなく、全く理に適った天候だと思います。

 祝日は博物館へと張り切って考えていても、当日になると面倒な気持ちで足が重いです。そもそもそんなに暇な日ではありませんでした。ある日大学院の説明会をたまたま見かけて、気軽にZoomで参加したはいいものの話があまり面白いものでなく、物足りなさを感じていたところに友人が、とある組織の説明会に誘ってくれ

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食パンをくわえて学校に走る

食パンをくわえて学校に走る

11月22日。晴れ。無風。布団のぬくもりが恋しくなってきた。最近毛布を新しく買ったからよく眠れていい。

 昨晩、目が冴えてしまった。夏場ならば歩いたり自転車を走らせて遠いコンビニに行ったりするのだけど、このごろ晩に外出するのをためらうようになった。しかし布団にくるまっていては身体のほてりは消えそうになかった。今日は1限だからさっさと寝て7時に起きておくのがよかったはずなのに。

 近所の扉の開く

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とにかく毎日日記をつけることにした

とにかく毎日日記をつけることにした

 11月21日。昼下がり。晴れ。立冬が過ぎて早数週。傾いた日が空気を冷たくさせる。早朝頬をなでた風は上空の青白い空になっている。

 バイトと勉学の二足の草鞋の現状では、あまり本を読む時間がないけど、可能な限りたくさん読むよう努めています。図書館でさっき借りた本の冒頭に日記は毎日書くべしという記述を見かけて、とにかく毎日つけることにしました。目安や目標を決めないで、ただしテンプレというか形式は決め

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埋没していく毎日に新鮮で鋭敏な勢いを

夢破れたり

夢破れたり

 さて、やはりこの空白の期間ももちろん心情の変化が確かにあったのだけど、なんでだろうか、文字を書く気にならなかった。まとまった感情が二三個出てきたわけなのだけど、すぐに細かく切り刻まれ咀嚼され、気づけば頭の中で消化されてしまった。頭で処理できるようになったといえば大人になったのだろうけど、どこか淋しい気持ちになる。

 失ったものは砂粒のようで、手の中をさらさらと抜けていってゆく。いまだ新鮮な気持

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あわい名月

あわい名月

 やけに静かな夜だったからふと外へ出た。漠然と歩いていると、足元に影がある。中秋の名月であった。友達と砂丘で眺めた去年のものと同じものだった。今年は風のない、落ち着いた夜にひとりでいる。しかしながらひとりでいることがもったいなく感じられた。様々な記憶が思い出される。嫌なものから至高のものまで。そのすべてがいとおしく、感傷的に感じられていかにも秋だという感じだった。明るい夜だった。

 同じ哲学徒の

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ちょっぴり鬱な渇き

ちょっぴり鬱な渇き

 あたたかい昼間の日差しが、私たちを乾燥させた。干している服と空のコップ。茶碗に残った白米はかびつつある。必要な水分は偏っていた。冷蔵庫には牛乳とコーラ。コーヒーの豆と紅茶の茶葉。冷えたそれらとぬるい身体。暑い外にぬるい室内。金木犀の香りは部屋の底にたまっている。窓からの風は入ってこない。私が拒絶しているからである。ゴキブリさえ入り込まないこのぬるさが好きだ。

 それでも金は必要でバイトのために

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今日こそが特別な日だと思う

今日こそが特別な日だと思う

 特別なにか書こうと思っているわけじゃなくて、今日はただ雑記を重ねるだけです。というのも、最近は心情は変化してるのにそれが身体的動作に結び付かないから、きょうもちょっとした流れの違いを理解できた気がしたのに、noteを書こうという気持ちにならなかったのです。
 だから今日はその反省の念を込めてただひたすらに思うことを書こうと思います。

 さて、来週は秋分で再来週は満月ですよ。まだ暑いだの夜は寝れ

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たとえヘルメットが落ちたとて

たとえヘルメットが落ちたとて

ヘルメットをかぶって安全に
プロテクターも忘れずに身に着けて
砂利道からアスファルトへ
まっすぐからくるりとまわって
びゅんといく。

青い光に目を向けて
赤い光は目をつぶすから、
ただまっすぐに
すすむだけ、
改札通って身をまかせ
死ぬのは本望言い聞かせ
ただひたすらに
すすむだけ。

たとえヘルメットが落ちたとて
たとえ周りが見えなくたって
たとえ曲がり切れなくたって
私はただ
すすむだけ。

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大阪に帰ると涙が出てきそう

大阪に帰ると涙が出てきそう

 今日まで大阪の実家に帰っていた。両親は河内に住んでいて、祖父母は大阪市内にいる。帰るときはもちろん親の家に向かうのだけど、決まって祖父母にも顔を出す。まあ祖父は癌がわかって入院して以来、しばらく会っていない。認知症も進んでいてすぐに忘れてしまうらしい。入院になる前、私が訪れたときには楽しく話しているのに、去った後に誰が来ていたか祖母に尋ねていたらしい。豈不哀哉。そして地方大学に通っていると、大阪

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割れなかった氷

割れなかった氷

8月の目標

 8月の夏休みを有意義にしようと毎年思って失敗します。今年こそはと発起して、ちょっと始めてみました。目標は10冊の本。勉学にかんすることだから、人によっては味気ないと思うし、実際そんな感じのことを飲み会で言われた記憶があります。ちょっと刺さりはしたけど、幸いにして私はあのときを全部忘れました。不幸にして目標を遂行することを忘れていました。なんだかうまくいかないものですね。
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