見出し画像

『使い物にならない嫁を背負って』

たとえば繁忙期が続いた日の朝。
たとえば大型連休終わりの休暇。
私は時々、使いモノにならなくなる。

この“使いモノにならない“というのは誇張でもなんでもなくて、そのまんまの意味。

ずっと自分の部屋に閉じこもったまま、ベッドで延々とゴロゴロ。
体を起こすのは喉が渇いたときか、お腹がすいたときか、トイレに行きたいときだけで、それ以外はなにもしないで常に省エネモード。
言葉を交わすのすら面倒で、下手したら同じ屋根の下にいる旦那とも、やりとりをするのはLINEである。

数ヶ月に1回は、必ずこんな日が訪れる。

一応曲がりなりにも主婦として、それはどうか、と思わないこともないけれど、なんというか。
それまで張り詰めていたものがプツン、と切れてしまう日はどうしてもあるものだ。

そしてそんな日は、旦那に緊急ミッションが課せられる。

つまり、普段の私がやっていることを、全て旦那が肩代わりする日なのである。


朝起きて仕事に行き、夜遅くまで仕事をする。

仕事が終わったら急いで夕飯の買い物をして、帰宅したら夕飯とお弁当の準備。

夕飯を食べている間に洗濯をして、食べ終えたらそれを干す。

干し終えたらようやく自由時間だけど、その頃には既に日が変わるような時間になっているから、朝が早い旦那に自由な時間はほとんどない。

申し訳ないなぁ、と思いつつ、一連の作業を私が手伝うことはない。
だって“緊急“ミッションだから。
申し訳ないとは思いつつも、緊急の名がつくほどに私のやる気は枯渇しているのだ。


前にも1度書いたことがあったと思うけど、旦那はあまり家事が得意ではない。
器用な人だからなんでもそれなりにこなせるけど、私や母の基準には届かない。

洗濯を頼めば洗剤を入れ忘れるし、ご飯を作ってもらえばフライパンは焦げ付いてしまう。

掃除はそもそも嫌いなのもあって、部屋はいつでも散らかっているし、買い物を頼んだときは、なにかしら“コレじゃない“ってものを買ってくる。

それでも、旦那が私の発令した緊急ミッションを断ることはない。

私が動けないときは、旦那が私の面倒を見る。
旦那が動けないときは、私が旦那の面倒を見る。
それが、私たちの間で結んだ契約だからだ。

結婚は契約だ。
お互いを守り、お互いを背負い、どんなに苦しくて辛いときも一生を一緒に生きるという契約。

交わした契約は今も有効で、口ではリコンしても未だかつて破棄されたことはない。
だから私がベッドの上から、あたふたする旦那を死んだような目で見つめていても、旦那がそれに対して文句を言うことはないのだ。

焦げたフライパンをゴシゴシとこすっている旦那を眺めながら、“こんな奴と結婚しなければ、この人はもっと楽に生きられたんだろうな“と思わないこともないけれど。

使い物にならない自分の体を横たえたまま、不甲斐なさに泣きたくなる夜もあるけど。

「(´・ω・`)嫁、ご飯食べよ」

と、そんな日でも私の体を起こして、きちんと食事を用意してくれる旦那がいる。

私は、その事実にいつだって感謝しなきゃいけないんだよな、と、いつも、ちょっと焦げくさい焼き魚を食べながら思うのだ。


\配信やるよ〜!!/

さぼさん、画像お借りします!

真夜中の女子会、第3弾です。
だんだん定番になってきてうれしい!
今回も壁の花になりながら、頑張って喋ります(笑)

もしもサポートをいただけたら。 旦那(´・ω・`)のおかず🍖が1品増えるか、母(。・ω・。)のおやつ🍫がひとつ増えるか、嫁( ゚д゚)のプリン🍮が冷蔵庫に1個増えます。たぶん。