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読書法について考える

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読書論系をまとめたマガジンです。
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記事一覧

テキストマイニングで宇多田ヒカル『First Love』を読んでみる

詩の読み方?詩を読むのはなかなか大変です。 文学部の学生でも、詩の読み方はあまり習いま…

武久真士
3か月前
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本は雑に読んでいい

読書の秋ですね。本、読んでますか? 国語の授業で「精読」ばかりやってきたためか、私たちは…

武久真士
1年前
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濫読時代

なにかの間違いで文学部の博士後期課程まで来てしまったが、そもそもの始まりは『ブレイブ・ス…

武久真士
2年前
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総括、読書会「『日本文学100年の名作』を読む」:日本文学の100年とはなんだったのか

2021年度の1年間、「日本文学100年の名作」という短編アンソロジーを月に1巻ずつ読む読書会を…

武久真士
2年前
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小説をより楽しく読むために―「語り」について

こういう経験はありませんか。芥川龍之介や太宰治の小説はなんだかすごいらしい。でも、読んで…

武久真士
2年前
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読書の秋に――無料で本を読むいくつかの方法

こんにちは。読書の秋、ということで、読書関係の記事を書こうとしていたら早々に秋が終わりそ…

武久真士
2年前
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点・縦・横の読書術――文学を味わいたい人へ

こんにちは。大学で日本の近代文学を研究している者です。 ここ最近、文学に興味あるんだけど、とか文学を学んでみたいんだけど、という人から、勉強法や文学の読み方について尋ねられる機会が何度かありました。 そこでこの記事では、自分なりに文学の読み方味わい方について書いています。キーワードは、「点」「縦」「横」です。 ○点――全集を読むまずは「点」からご紹介しましょう。「点」、つまり一人の作家を深く読む読書法です。 マイナーな作家だとなかなか難しいですが、夏目漱石や芥川龍之介

文豪たちの名文集20選

僕は読書が趣味で、本を読みながら「あ、この文は素敵だな」と思ったものをノートに書き写して…

武久真士
2年前
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読書会紹介&今後の読書会のお誘い

私は先輩がやっていた読書会を引き継ぎ、ここ2,3年ほど読書会の運営をしています。 2018年度…

武久真士
3年前
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自己啓発本のススメ①―特徴と傾向

〇自己啓発本とは 自己啓発本をちゃんと定義するのは難しいですが、ざっくり言えば「生き方の…

武久真士
3年前
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自己啓発本のススメ②―効用

前の記事では、自己啓発本がどのようなものであるか、どのように読んでいけばよいのかというこ…

武久真士
3年前
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【書評】上野千鶴子『女ぎらい:ニッポンのミソジニー』①―ミソジニーとホモソーシャ…

上野千鶴子の『女ぎらい』(リンクは楽天ブックス。いつもAmazonばかりなので、変えてみました…

武久真士
3年前
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【書評】上野千鶴子『女ぎらい:ニッポンのミソジニー』②―男性論としてのミソジニー

前回の記事は、上野千鶴子の『女ぎらい』を読むための基本的な知識として、「ミソジニー」とは…

武久真士
3年前
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【書評】上野千鶴子『女ぎらい:ニッポンのミソジニ―』③―男性論としてのミソジニー論

前々回および前回の記事では、「ミソジニー」や「ホモソーシャル」といった基本的な概念について説明しつつ、本書の具体的な内容を紹介してきました。 書評のしめくくりとなるこの記事では、上野がミソジニー論を男性論として立ち上げていることに注目して本書の主張をまとめつつ、主に文体的な観点から本書の欠点と思われる箇所についても言及していきます。 〇男性論としてのミソジニー論「ミソジニー」(女性蔑視)について論じたこの『女ぎらい』は、一見女性のための本のように見えます。女性差別の構造を