「三線の花」は言わずとしれたBIGINの曲だ。彼ら3人はそれぞれが多才で、ほんとに数々の名曲を持っている。今やもうレジェンド級の域にあるアーティストといえよう。そんな彼らの曲はみな嬉し楽しい心に沁みるのだが、ライブでこの歌を聴くと私は「涙そうそう」よりもウルウルする。

ビギン栄昇さんの温かい声をお届けしながら
お爺ちゃんの想い出を少し。

お爺ちゃんは力道山が大好き

試合が始まると
TVの真正面に座布団特等席をこしらえて
アグラをかき

試合に全集中

沖縄出身ではないから
三線は弾けないし持っていない
TVの斜め向かいでなく真正面だけど

オジーと同じ
いつもいつでも
家族を見守る存在

だけど

力道山が画面に出てくると
その時だけは
魔法で石にされたよう

微動だにしない
言葉も発しない

そこは
お爺ちゃんと力道山
二人だけの世界

普段は溺愛している孫が
お爺ちゃーーん！と
何度話しかけても

「オヤジ俺ら帰るで〜？」

お暇しようと息子が声を掛けても

「お義父さん、失礼しますね」

可愛がってる嫁が挨拶しても

お爺ちゃんは拳を膝に置き
力道山だけを見つめていた

顔も体も四角くて大柄な人

動かない姿は

大仏さんのようだった

通っていた仏教系幼稚園にいた大仏さんと
お爺ちゃんはそっくりだった

喜怒哀楽を激しく表に出さないタイプだから
アルカイックスマイルの口元まで似てる

奈良や鎌倉や博物館でドッシリ鎮座されてる仏さんを見ると懐かしくて、その膝に駆け上がりたい衝動によくかられた。

お爺ちゃんの膝の上は、子供でも手をあげる暴れん坊の父から逃げ込む場所として　いちばん安全なところだ。

画面に力道山が現れると
TVの前に置かれた一枚の座布団

在りし日のお爺ちゃんが鎮座した場所

ん？そういえば栄昇さんも全部が四角いよね笑
大仏さんみたいだ。ビギンの曲に包まれていると不思議に心地良いのは、そんな理由があるのかも。ありがとう。

【いつも楽しく読ませて頂いてるTSNさんのnoteで音楽を聴きながらどうぞって回があってマネさせてもらいました。TSNさんのその時の記事はこちらです👇勝手にご紹介。失礼します☺️】