鉄輪
能の演目にある「鉄輪」と現代に生きる男女の三角関係シーンを交互に映し出しながら、人が持つ恨みや嫉妬、情欲、執着などを描いた作品。
中年女性が、呪いの藁人形に五寸釘が打ち込まれると、その夫と秘め事に勤しむ最中、苦しみ悶える。
また夫と愛人がどこに行こうとも、その場所に無言電話をかけ、揺さぶり続ける中年女の執念。
ハチマキにろうそく3本立てて野山を駆け回る怨念は八つ墓村状態。
時折、挟み込まれるシュールなシーンが、この作品をカルト作品へと押し上げる。
ATGらしいアートポルノ。
70年代の文化・風俗が大好物なら、映像だけで貫徹可能。
個人的には、たまにNHKでやってる能を観たい衝動に駆られた。
ストーリーに関しては、特筆すべきことはありますまい。
呪われた時は、電話線を引っこ抜け、電話線のジャックが無ければ受話器を上げたままにしとけってこと。
★★☆☆☆
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