エソラゴート

日々の絵空事が贖罪の山羊となる

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最近の記事

記録するカメラと記憶するカメラ

忙殺という口実を見つけ、クロノスの流れにカイロスを刻む努力から逃走する日々。 無理やりにでも歩かないといけない。 歩けないんじゃなくて歩かないだけなのも分かっている。 そんな怠惰な人生に、新しい息など吹き込まれるはずがない。 人生も指示待ち症候群。 いったい誰の指示だというのか。

    • 結局☆GR3

      今さらかなぁ?と思いながら手に入れたGR3。 いつの間にか品薄状態に陥っていたGR3。 気がつくとHDFなるものが発売されたGR3。 GR3を購入するに至った理由は、長年愛用していたiPhone11 Pro Maxのセンサーにゴミらしきものが付いたことだ。 何を撮っても写り込むセンサーゴミに、いよいよ萎えまくるようになったので、精神衛生上の判断から記録用ガジェットの新規参入を許すことにした。「餅屋の餅」を自己欺瞞と言う名のお盆に乗せて。 偶然このタイミングで簡単に購入で

      • 終焉に宿る永遠のいのち

        私は、8㍉フィルムフェチの多くが廃虚フェチであることを信じて疑わない。 両者にみられる親和性の高さが雄弁に語っている。 8㍉フィルムと廃虚は、どちらも終焉を生きている点で共通している。 終焉を生きるというのは、いのちの終わりではなく新しいいのちの始まりを意味する。 それはいつまでも生きるいのちのことではなく、然りとて瞬間(いま)を生きるいのちでもない。 時間や空間に縛られない真の自由なのだ。 しかしその自由は、「自己」という可動域に限られた自由であることを忘れては

        • アナログとデジタルの邂逅

          残り1本となった賞味期限が切れたシングル8フィルム。 ついこないだまで近所の某家電量販店に売ってあった。 20年以上前にシングル8のCanon518svを買って色々撮って遊んだ。 今さらスーパー8にしなかったことを悔やむ。 後悔しても仕方ないので、開き直って残された1本のフィルムは使用せず、カメラと一緒にインテリアにすることにした。 以前、撮った8㍉映像を福山マシャニキの「蛍」のPVとコラボさせてみた。 8㍉フィルムで撮られた吉高由里子のシーンと繋げると、まるでカ

        記録するカメラと記憶するカメラ

          フィルムフェチ8ミリマニア垂涎作品

          市原隼人と上野樹里が織りなす岩井俊二風映像ヲタク映画 内容は忘却の彼方に飛翔していった。 今や私の記憶には、まるでウロボロスのごとく8ミリ関連の映像とトリビア話のみがエンドレスに流れているだけである。 そんな無責任な鑑賞しか出来なかったにも関わらず、相田〝ウインクの優しそうな方〟翔子のメンヘラ演技はとても印象に残っている。 あと樹里の盲目妹役として蒼井優もいい味を出していた。 しかしこの作品における最優秀主演男優賞は、なんといっても8ミリマニア界の憧れカメラ〝ZC1

          フィルムフェチ8ミリマニア垂涎作品

          我執と依存と想起に彩られた無間地獄

          「君の名は。」を観過ぎてお腹いっぱいになったところで、ふたたび秒速5センチメールに手を伸ばした。 毎回、貴樹の落ちぶれっぷりと明里のリア充ぶりの二項対立に己を当てはめながら自己憐憫の沼に浸っている。 しかし今回は、理沙の「1000回にわたるメールのやり取りをしたとしても、心は1センチほどしか近づけなかった」とのセリフに、強い「結び」を感じずにはいられなかった。 今までサーファーの花苗推しだったのだが、メーラーの理沙推しに変わった瞬間である。 私は「君の名は。」よりも「

          我執と依存と想起に彩られた無間地獄

          予告編で心掴まれて本編で魂揺さぶられる

          男装した冨永愛こと草彅剛が、見事なトラジェンを演じた感動大作。 生きる意味や存在価値を見出せないまま、マイノリティな人生を歩んでいた草彅剛が、想定外の出会いによって人格的に成長させられていくスピリチュアルロードムービー。 スマスマのコントにしか見えないと決めつけていたのだが、YouTubeで15分の予告を観たとき雷に打たれた。 恐るべし世界初の贅沢な予告編。 オカマの剛に預けられる親戚の娘「一果」を演じた新人の女の子と、その友達の上野鈴華がとても印象的だった。 出演者

          予告編で心掴まれて本編で魂揺さぶられる

          ラーゲリより南極物語を込めて

          とにもかくにもミセスのSoranjiが良かった映画。 実話をもとに創作されたシベリア抑留物語映画。 不本意極まりない現実を生きていく秘訣は、繰り返される理不尽な非日常を日常化して過ごす基本スタンスと、理不尽な現状の先に用意されてある未来を生きる為の明確な目的をイメージ出来るか否かだという事を主人公のニノと不愉快な仲間から学ぶことができる映画。 自然がもたらす厳しさと人間の卑劣さがもたらす環境を伝わらせないコンプライアンスとは、イケメンたちの笑顔(特に中島健人)であること

          ラーゲリより南極物語を込めて

          踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。

          何年前のことだったろう・・・。 マーティン・スコセッシ監督が、ダニエル・デイ=ルイスを主演に遠藤周作の「沈黙」を映画化すると言うニュースを目にしたのは。 そしてついにスパイダーマンが主演の「沈黙」が完成したことを知った日、ウィレム・デフォーの「最後の誘惑」を観直さずにはいられなかった。 映画は、原作と比較して内容的には特段気になるところはなかったのだが、窪塚キチジローだけは納得いかなかった。 どうしようもない原作キチジローの下衆さ・クズっぷりが窪塚からは伝わらないのだ。

          踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。

          松たか子VS久米宏

          岩井俊二監督の雰囲気オサレ青春微々胸キュン映画。 松たか子が初々しくて可愛いらしい。 江口洋介の織田信長が意外と似合っていた。 松たか子が通う、当時は架空の大学だった武蔵野大学が今や実在する大学となり、不思議なつながりを感じずにはいられない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。 かつて、たかこ女史がニュースステーションに呼ばれ、久米宏から「あなたタバコ吸うんでしょ?」と何度もなんどもシツこく言われて、半ギレしてた姿を私は忘れない。 ★★★☆☆

          松たか子VS久米宏

          どこみてんのよ!

          白石一文の小説は「ほかならぬ人へ」しか読んでいない。 ほかならぬ勝手なイメージで鑑賞したが、なんというか欲望の赴くままに食って寝てだべっての約2時間だった。 ほかならぬ食べ物が美味しそうだった。 ほかならぬ柄本佑が柄本明に見えてしまった。 ほかならぬ瀧内公美が青木さやかに見えてしまった。 何度も「どぉこ見てんのよ!」と叫ぶさやかの声が脳内に響いた。 ラストは良かった。 スカッと笑える意外な結末に満足した。 不満点をあげるとすれば、この作品に限ったことではないが、

          どこみてんのよ!

          “全米が泣いた”系は泣けないという説

          4回泣けるという約束だったが、実際は1回泣けるかどうかの代物。 たとえるならば、厳選された高級食材を使っているにも関わらず、古くなった油で炒め安物の調味料をふんだんに使い、最後はもこみち並みのオリーブオイルをぶっかけて仕上げられた料理を食べた後のような作品だった。 特にラストにまとめられた登場人物たちのカメラ目線で訴える青年の主張的演出は、監督が未熟なのか客をバカにしてるのか(きっと前者に違いないだろうが)、とにかく乾きに乾いた。 鑑賞する前よりからっからに乾いた。 劇場

          “全米が泣いた”系は泣けないという説

          ロック“エンターテイナー”ヴォーカリスト

          中二の時に観た「アイアンイーグル」。 劇中で流れるQueenの「ONE VISION」に衝撃を受けた。 忘れもしない大学一年時、冬を思わせる冷たい秋雨が降る朝、その日の二限目の授業が始まる前に「おい、フレディが死んだってよ、それもエイズやって」一限目の授業をサボったELP好きのプログレマニアからフレディの訃報を知らされた。 ショックで数日凹んだ。 大人になり、メタルやハードロックからプログレやジャズに聴くジャンルが変わっていっても、Queenは変わらず聴いていた。 7

          ロック“エンターテイナー”ヴォーカリスト

          写真好きには物足りない胸キュン映画

          何も考えず観れる胸キュン映画でキュン死するつもりだった。 とにかくストーリーなんぞどうでもよく絵面だけでチョイス。 どえらいテンポで胸キュン全開シーンが続くので、何やら不穏な空気を感じずにはいられなかった。 案の定、死にいたる病の発症という予定調和転てつ器が作動し、キレイに路線変更からの通常運行へ移行した。 「君膵」の時はもっと素直に泣けたが、「桜恋」はテンポが合わないのか、松本穂香のメイクが合わないのか、どうも満足いく流涙カタルシスが得られなかった。 どこまでも優し

          写真好きには物足りない胸キュン映画

          ぼくはソロキャンパーと、フォクトレンダーの方が気になった

          非定型テネット胸キュン映画。 初めから終わりに向かう男の子と終わりから始まりに向かっていく女の子の恋愛模様に・・・コーヒーが冷めるどころか飲めるほどの適温になるまで3度は泣けた。 女の子の電話と住所の件が気になったが、そんなことどうでもよくなるほどの切ない恋愛ストーリーに没頭した。 しかし小松菜奈が劇中で使ってたフォクトレンダーは無視できなかった。 ★★★★☆

          ぼくはソロキャンパーと、フォクトレンダーの方が気になった

          告白する映画鑑賞

          お約束の予備知識ゼロにて鑑賞したことをここに告白する。 見事に騙されたことをここに告白する。 藤原カイジ竜也と伊藤キノコ英明の時効犯人逮捕劇かと思いきや、一筋縄どころか二筋縄では終わらない&やや無理やり感も否めない展開だったことをここに告白する。 しかしながら夢中になって一気に鑑賞してしまった事実をここに告白する。 ビーバップ・ハイスクールのトオル君を巨大スクリーンで観ながら、「トオルクゥン、ヒロシクゥン」と叫ぶミポリンの声が、海馬を通って蝸牛を刺激してきたことをここ

          告白する映画鑑賞