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ただ誰でも良いから私の話を聞いて

身体の調子は悪くないのにいつになく胸がつかえるのはなぜだろう。この前行った飲み会で愛想笑いをし続けたせいか、頭の中がぐちゃぐちゃしている。付き合いで参加したし昔は飲み会が好きだった。常日頃関わりのある人と長く話をできる時間を持てることは興味深くて楽しかったと思っていたはずなのに、大人になるにつれ好き好んでではなくて、付き合いという半強制イベントに変貌したせいか、余韻は心地よいものから後悔に変わった。人と詳しく交流する、という場から、酒を飲むと饒舌になる一部の人間のために笑顔と相槌を振る舞いたいして旨くもない飯と酒を食らう場になったからかもしれない。つまりタイトル通り私も誰でも良いから話を聞いてもらいたい、という不満を抱く結果になってしまった。こんなことだから同居人に半ば呆れられながら家で絡むしか脳の無い怠惰な人間がまた生まれることになる、つまり私だ。

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