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記述よりも事実や現象、そして経験を大切にしたい

久々に兵庫を直撃した台風7号が日本海に過ぎた。

当初、京都の上空を北上する予報だったが、神戸にずれ、姫路にずれ、と予報を見るたび、その進路は神戸を挟んで東になったり西になったりとめまぐるしく変わった。

そんなの大差ない、と思われるかもしれない。
いや、大差あるのだ。

僕はいつも台風が自分のいる地域の東側を通るのか西側を通るのかを気にしている。
いや、むしろそれしか気にしていない。
土砂崩れや川の氾濫、停電など、台風がもたらす被害は実際に来てみないと分からない。
でも、進路による気候への影響は予想どおりになるからだ。

季節によって台風の進路が変わることは多くの人が知っているだろう。

夏台風(7月・8月):中国へ行くのかと思ったら日本直撃
秋台風(9月・10月):日本直撃かと思ったらかすめて太平洋へ

夏台風が高温多湿をもたらすことも経験則として身に沁みている。
台風が来るたび、蒸し暑さが増したなぁと。

また秋台風が涼しくて乾いた空気をもたらすことも知っている。
台風一過の抜けるような爽やかな青空の下、無事運動会の日を迎え…という校長の挨拶を何度聞いたかわからない。

さぁこれらの経験則から何が導き出せるか。
いやいや、そんな大仰なことではない。
夏台風は西を通って湿った南風をもたらし、秋台風は東を通って乾いた北風をもたらす。
ただそれだけ。

それを図示したら?

台風が西を過ぎれば南風
東を過ぎれば北風

ということ。
台風が渦になっていることを考えたら、全体の風向きはこうなる。

あれ? 台風の渦って風向きどうだったっけ?
中学の理科で気象を学ぶとき、なかなか頭に入らなかった台風の風向き。
しかし経験則を思い起こせば、誰にだってこの風向きの矢印が書けるはず。

解の公式のように、おいしいところだけ覚えれば確かに便利。
でもそんなうわべの暗記は時として(たいていテスト中)頭から吹っ飛んでしまうことが多い。
そんなとき、もうだめだ、思い出せない…ではなく、なぜそうなるのか、自分の経験を総動員すれば案外簡単に説明できてしまったりするものなのだ。

中学、高校の頃の僕の勉強はたいていそんな調子だった。
事実や現象を記述するのが研究だとすれば、その「記述」をただ覚えるのが受験勉強であり、自分の経験に問い合わせてみるなど「事実や現象」に立ち返るのが本当の勉強なのではないかと。
僕は記述よりも事実や現象、そして経験を大切にしたい。

えっと、何の話だっけ…

そうそう、台風7号は結局、微妙に神戸の西を通っていった。

©Yahoo天気・災害

ということは…高温多湿、蒸し暑い夏はまだしばらく続く。
それが事実であり現象だ。

(2023/8/17記)

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