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僕も前を見据えてがんばるとしよう

九州から帰ってきた。
昨日も記事に書いた長崎・島原の講演の出張だ。

始まりは新神戸。
先日、新神戸駅の裏側に日本三大神滝〈布引の滝〉があると書いたが、ホームから撮った表側の様子では、滝が近くにあるイメージは誰も持てまい。

新神戸から南側(海側)を望む

ところが、反対側のホーム越しに裏側を撮るとこんな感じ。
ほらね、すぐに滝ありそう。

新神戸から北側(山側)を望む

博多から乗り換えた九州新幹線はあいかわらずかわいい。

九州新幹線

電車の乗り継ぎで降りた肥前浜駅(佐賀県鹿島市)。

長崎本線・肥前浜駅

事前に調べていた駅前の食堂で昼食!と思ったら、なんと臨時休業。
いきなり100分も時間が生まれてしまい途方に暮れる。

が、案内看板を見てみると、この肥前浜というのは江戸時代に賑わった町らしく、駅から少し歩けば今でも酒蔵が立ち並ぶ通りがあるという。
いざ出発。

ひゃー! なんと味のある町並み。
まるで映画のセットのようだ。

肥前浜宿・酒蔵通り
飯盛酒造(現在は粕漬けのみ製造)

この後に講演が控えてはいたが、無料試飲はもちろん。
うまいうまい、めっぽううまい。

肥前屋(峰松酒造)
漬蔵〈たぞう〉
大きな蔵の中で粕漬けを販売

いやぁ、実にすばらしい100分だった。

諫早から乗り換えた島原鉄道はコトコト海辺を走る。
さすが諫早湾、車窓にはずっと干潟が広がる。

19時開始の講演は「IRについて」。
長崎は大阪とともにIRの設置を国に申請したが、長崎だけいったん保留の裁定を下され、現地でのIRの議論は下火になっているという。
僕の話は、IRがもしできたとして、それをどう周辺地域が活性化に繋げていくか、だった。

懇親会では30代の若手経営者らと、うまい酒、有明海の魚を囲む。
もっと聴きたかったと言われたので、講演はまずまずの出来だったかな。

翌日、快晴。
宿から駅まで送ってもらうタクシーから雲仙普賢岳がよく見えた。

まだ緑が回復しない雲仙普賢岳

すべてを奪ったあの大噴火から30年ほど。
この写真の手前に見えている家々はすべて火砕流、土石流でなくなった後に再建されたものだという。
荒々しい自然と、そこに住み続ける人間の、これは共生なのか戦いなのか。

島原駅から島原城を望めば、その後ろに普賢岳がにょきっと顔を現す。
太古の昔から噴火を繰り返してきた普賢岳を、殿様はどう見たのだろう。

しあわせの黄色い列車、と呼ばれる島原鉄道。
これで港へ。

熊本へ渡るフェリーにはずっとカモメが同行。
長崎から熊本へ移動してしまっては生態系崩れる?などと思ったが、どうせ帰りの便でまた長崎に戻るのだろう。
往復運賃払いなよ。

熊本では大学時代の友人と久々に会い、熊本の〈あか牛〉をいただく。
このところアメリカやオーストラリアの固い牛しか食べていなかったから、厚切りの牛たたきに身構えたが、和牛は全然違う。
ペロリと完食、ごちそうさま。

大学時代、同じサークルで結構親しくしていた彼女、結婚で熊本に住むようになってもう20数年になるという。
仕事の話になったが、今やっている仕事をこれからもがんばっていきたいと前向いて話す目はしっかりと前を向いていた。
元気そうでとても嬉しい。
彼女の目に僕の元気も見せることができただろうか。

熊本から高速バスで博多へ。
キラキラのイルミネーションに彩られた駅前の賑わいに、今の福岡市の勢いを象徴するかのようなエネルギーを感じる。

博多はわずか3時間ほどの滞在だったが、noterの宵待さんに連絡を入れたら時間を空けてくださり、仕事帰りに駅まで駆けつけてくださった。
noteでは〈BAR宵待〉のママさんだから、勝手に和装を想像していたが、駅の待ち合わせに登場された宵待さんはもちろん洋服。
こんばんは、の挨拶を交わしただけで、いつもnoteから受ける宵待さんの明るさ、勢いを感じ、ホッとする。

ここからの眺めが好き、と案内してくださった場所から見る博多の街は、広くどこまでも煌めいていて、宵待さんのザ博多愛が視覚から伝わってくる。
博多は街ナカに空港があるがために高層ビルがないが、それがかえっていいのかもしれない。

福岡の人は実はうどん好きなんですよと、うどん店に連れてってくださり、もっともポピュラーだという「ごぼう天うどん」をいただく。
うどんを「うろん」と呼ぶのは何かで知っていたが、ごぼう天が標準というのは初めて知った。
柔いうろんとコリコリのゴボウがいい按配。
いっしょにオススメいただいた「かしわごはん」も素朴でうまい。

街を少し歩き、住吉神社まで。
全国の住吉神社の中で最も古いとされる筑前一宮。
夜間のために拝殿への門は閉ざされていたが、遙拝して健康祈願。

夜行バスの出発まで時間が迫る中、ターミナルの待合で宵待さんと日本の行く末を思って深くため息。
でも宵待さん持ち前の明るさと元気な笑い声が、あれ?なんで今ため息ついたんだっけ…という気持ちにさせてくれ、一瞬で楽しい話に転じる。
さすが〈BAR宵待〉のママさんだけのことはある。
いやホント、お忙しいのに時間を空けてくださった宵待さんに心から感謝。

九州2日間、単なる出張のはずだったのに、それをこんなにも楽しい旅に変えてくれたのは、島原の若き経営者たち、熊本の友人、そして博多の宵待さんの、頑として前を見据えたその視線の強さにあったように思う。

夜行バスで10時間、無事神戸に帰ってきた。
さぁ、今日はあと2本noteを書く日。
かなり眠いが、僕も前を見据えてがんばるとしよう。

(2023/12/3記)

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