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声優の肩書きを消し、ナレーターのみにした理由

今日はちょっと真面目でお堅めなお話を。ナレーターをしていると、「ナレーター志望者」とお会いする、お話しさせていただく機会がちょこちょこあるんですよ。

なんで数ある仕事の中で“いきなりナレーターを目指したのか?”を聞くと、周りがやっているからとか、読むことが好きだとか大体にような感じで。全く違う人たち、繋がりがない人たちに聞いているにも関わらず判で押したような答え。不思議だったんです。

たぶんなんですけど「喋る」という行為は誰でもやったことがあるので、できそう?と思われているんじゃないのかなって。

今回は「“読む”のも運動。鍛えていないと読めなくなる(読めない)」というお話をしていきたいと思います。

僕がなんでナレーションをやっているのか?目指す人の勘違いポイント、疑問に思っていることを赤裸々に書いていきます。

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【お芝居からナレーションにチェンジ】

声優を目指し演劇専門学校に入りました。舞台、映像演技、アフレコ、ダンス、フリートーク、色々な授業の中に“ナレーション”もありました。

始めたてのときは正直、そこまでナレーションに興味はなく、授業に組み込まれているからやっていたというくらいでした。

キラキラした声優活動を目指して入った学校。やっていくうちに良くも悪くも現実が見えてきて「あ、僕は憧れているような声優像になれる人じゃない」と思ったんです。ネガティブや自己否定というわけではなく、客観的な事実として。

なれるなれないというよりも、方向性の問題でしょうか。憧れは憧れだけど、僕が力を出せるのは憧れを抱いている方向じゃない。

そこで「お仕事として(生々しくいうのであれば)お金がもらえるような読みをできるようにするための勉強」に切り替えていったんです。

具体的にどんなことを変えていったのか?


『自分の声に求められやすい読みを鍛える』

窪田等さんが担当しているような番組をやるのが夢でした。でしたといっても、諦めているわけではありません。窪田さんのナレーションボイスサンプルを書き起こし必死に練習したり、番組をたくさん見たりして、“窪田さんのようなナレーションができるようにするため”の努力をしてきました。

でも、僕の方向性はそっちじゃない。こういう話をすると

「やらないとわからないじゃん!」

という人が出てきます。悪い人じゃないんですよ、むしろ優しい。でも、優しいからこそ厄介なんです。やってみようよ!というのもわかるんですが、やりたいけど求められていない方向性の努力をするのって、しんどいんですよ。

僕の声は、ドキュメンタリーをやるには若すぎる。人の人生を背負えるほどの声をしていないんです。客観的に見て。

やりたいことをやりたい!それができたらどんなにいいことでしょう。諦めろってことじゃないです。でも、お仕事として、お金をいただくこととしてやっていくのであれば「お仕事にしていく現実的な読み、お金をもらえる読み」を考えていかなきゃ行けないんです。

もっとリアルな話をしましょう。

僕がやらせていただいているナレーションは、web動画がメインです。動画広告、YouTubeの公式チャンネル、企業VPなど。

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