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「人生でいちばん大切なこと」が“お金”な人は実はほとんどいない理由

あなたにとっていちばん大切なものはなんでしょう?
あなたの人生でいちばん大切なことはなんですか?

いきなり聞かれると戸惑う人も多いのではないでしょうか?
自分がいちばん大切にしているもの、ことのはずなのに、具体的に聞かれると即答はできない。
今回は、“大切なこと”について考えてみたいと思います。


自分にとって「いちばん大切なこと」は何か?

バリュエンスグループでは、
「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす。」
をミッションとして掲げています。

なので私は、私自身の“大切”、社員一人ひとりの“大切”、企業にとって、業界にとって、そして社会にとっての“大切”と、いろいろな大切について考える機会を意識的に多く取るようにしています。

「いちばん」は時計でもバックでも車でも家でもない?

いろいろな人に冒頭の質問をぶつけ、話を聞いたり、社員にアンケートをとってみてわかってきたのは、「いちばん大切」なのは、現金でも、高級時計やブランド品、車や家でもないし、お金をかけたことで得られた体験でもないということです。

「いちばん大切なこと」は多くの場合、経済的な尺度との距離感があります。
恋人、家族との時間だったり、子どもの存在だったり、自分の自由な時間だったり、健康だったり・・・・・・。

「いちばん大切なもの」にしても、たとえば自分が持っているものの中で「もっとも高価なもの」を挙げる人はほとんどいません。高価なものではなくても、「亡くなった父からもらったもの」「初めて自分のお金で手に入れたもの」など、自分の思い入れや、そのもの(物質)を入手した背景、ストーリーが関係している場合が多く、経済的、物質的価値が導く世間的な相場観では測れない、自分なりの尺度の価値があることがよくわかります。

お金はもちろん大切。でも「いちばん」ではない

私がこういう話をすると、決まって「嵜本さんはお金に対する不安がないからそういうことが言えるんじゃないですか?」「明日を生きるためのお金がない人は切実にお金の大切さを感じていますよ」という反論を受けます。

私もお金がまったく必要じゃないとは言いません。
憲法にもある「健康で文化的な最低限度の生活」はもちろん大切なことですが、それが「いちばん大切」か? というとそれはまた別の話だと思うのです。

いちばん大切なことを、いちばん大切にする

日々そんなことを考えているのですが、最近ある言葉に出合い、「いちばん大切」について自分の中での段階がひとつ上がった気がしました。

『7つの習慣』で知られるアメリカの伝説的コンサルタント、スティーブン・コヴィーさんの名言として有名な

「もっとも大切なことは、もっとも大切なことを、もっとも大切にすることである」

という言葉です。
一読すると禅問答のような言葉ですが、私たちがいちばん大切にすべきことは、いちばん大切だと思うことを最優先で大切にすること。そのためには、“自分にとっての大切”を自覚しておく必要があります。

「自分の大切」を知る方法

過去にこのnoteで『7つの習慣』に触れたときにもお話ししたのですが、コヴィー氏は、自分がもっとも大切にしていることを知るための手がかりを得る方法として、「自分のお葬式で弔問客がどんなことを思うか、どんな弔辞が読まれるか?」を想像することを挙げています。

死ぬときに自分は友人、他者からどんなふうに思われたいのか? そこに「ありたい自分」のヒントがある。

多くの人は、日々の仕事や生活に追われて、「自分の人生で何がいちばん大切か?」を考える余裕を失っています。

自分のお葬式を思い浮かべるのが難しければ、これまでの人生の中でいちばん豊かさを感じた瞬間、幸せな体験、印象深い出来事を思い浮かべてみるのもいいでしょう。

自分が思う、自分がいちばん大切にしていることの“棚卸し”をすることで、そこに出てきた「大切だと感じること」「大切だと感じること」「大切にしなければいけないもの」の存在の大きさに気が付くことができると思うのです。

自由意志の錯覚と「つくられた価値観」

もっとも大切なことは、もっとも大切なことを
もっとも大切にすることである
The main thing is to keep the main thing the main thing.

Stephen Richards Covey

私がこの言葉に改めて真理を感じたのは、自分も含めて世の中の価値観はある意味で、いろいろな思惑に左右された「つくられた価値観」だということを強く感じているからかもしれません。

テレビやラジオ、新聞や雑誌、インターネット上に溢れる広告はもちろん、口コミやSNSのつぶやきや投稿される写真、動画、そのどれもが誰かの意図を持ったものであり、商業的なマーケティングの色味を帯びています。

その道のプロが考えた効果的な“マーケティングの洪水”を浴びている現代では、誰もがそのことを自覚せず、自由意志と錯覚して消費活動をしているのかもしれません。

もちろん私もその一人で、かつてはステレオタイプな経済的価値、高価な物やお金が自分を満たしてくれると信じ込んでいた時期がありました。
次回も“大切なこと・もの”について話を続けたいと思います。

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