【No.1141】物語を読む力
最近、営業マンとしての社長を観察しています。僕との大きな違いのひとつに、「物語を読む力」があると思っています。
社長は、数少ない断片的な情報から、相手の悩み・課題・要望などを「読み」、そのうえで、つづき(将来)の物語を、相手が求める形でつむいで提案しているように思います。
陳腐な言い方をすれば「仮説に基づく提案」なのですが、なんとなく「物語」と訳したほうが適切なように最近思っています。
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断片的な情報とは例えば、通っている学校、学年、住所などです。相手の学力レベル、どんな状態で悩んでいるか、親御さんがどういうことを求めているか、すごい精度で相手の背景を読み解きます。
もちろん百発百中とは言えませんが、相手から「まさにそうなんです。分かってくれるんですね」という言葉をもらってからの提案は、やっぱり刺さりが違います。実際、社長の読んだ物語の通りに話すと、相手からの共感が得られやすいです。
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一流の人は、瞬時に人を見抜くといろんなところで聞きます。顔つきや表情、言動から、人柄を読むので、こちらがいくら取り繕っても無駄だという文脈です。
マンガ『ハンター×ハンター』の2巻あたりで、奇術師ヒソカが試験官ごっことして、主人公の目を見ただけで「合格」と言ったのも、似たようなものなのかもしれません(ご存知ない方、すみません)
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社長を観察していると、おそらくこれは、長年の経験から培われたデータベース・パターン・類型などから読み取っているのだと思っています。
とすると、これは決して特別な才能ではないだろうとも思えます。多くの顧客との接触、失敗と成功の繰り返しの中で、身につくものなのでしょう。
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ただ、身につくものだろうけど、「自然と」身につくかは疑問なところです。
もともと賢く、自然とそういう見方をする人も、なかにはいるでしょうけれど、ただ漫然と生きていて、身につくかどうか。すべての人が生きてきたぶん、必ず何らかの経験をしていますから、そこから「相手の物語を読む」と決めて、自分の経験データベースに当てはめてみる練習をしないと精度は高まらないと思います。
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具体的なことが書けないので抽象的な感じになっていますが、要は社長に違いを見せつけられたという話です。
僕が営業マンとしてほしいのは、この「見えない物語を読む力」。顧客の真のニーズを理解し、その解決策を提供する。これが、真の営業力と言えるでしょう。そのためには、何よりも場数を踏むことが大切です。多くの人との対話、様々なシチュエーションでの経験が、この力を育ててくれるのだと信じて
「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」という言葉を胸に、今日も1日なにか1つでも改善していきます!
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