【No.1136】学びの2種類

「学び」というのは、一見すると教室での勉強や専門書を読むことだけを思い浮かべがちですが、実はその範囲はもっと広いんですよね。実際には、日常のさまざまな経験の中で、知識を得たり、スキルを磨いたりしているものです。特に、学びには「演繹的アプローチ」と「帰納的アプローチ」の二つの面があることに気づきます。

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演繹的アプローチでは、理論や原則を先に学び、その後で実際の経験を通して「ああ、これがその意味だったのか」と気づくパターンがあります。

たとえば、昨日書いたメルマガ『平成進化論』で「営業は楽しいものだ」「営業は最高の知的遊戯」と聞いて、初めはピンとこなかったものの、実際に営業の現場で経験を積むことで、その深い意味を実感するような場合です。

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一方で、帰納的アプローチでは、多くの経験を積んだ後に、それらを理論や枠組みによって整理することで、より深い理解に到達します。日々の生活の中でのさまざまな体験が、後になって「ある法則性」や「成功の原則」として結びつくわけです。

昨日書いた本業の営業活動への創意工夫から、顧客の反応を見ながら営業のコツを掴んでいく過程は、まさにこの帰納的アプローチの例です。

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前者、つまり演繹的に、学んだ後に経験を通じて理解を深めるタイプは、まるで事前に理論の地図を持って旅行に行くようなものです。

一方で、後者の帰納的に、経験を積んだ後に学びで整理するスタイルは、旅をしてから地図を描くような感覚に似ています。

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この二つのアプローチ、つまり「理論から実践」、「実践から理論」は、一見対立しているように見えますが、互いに補完し合っています。

僕の場合は『平成進化論』で「営業は楽しいものだ」という言葉と同時に「理由は…」と形で、営業活動に関する理論や原理原則を学びます。

ここではまだ、大学の座学授業のように「おっしゃることは分かるが、そんなもんかな?」と腑に落ちきっていない状態です。その後、現場で実践します。

すると、いいこと悪いことを経験します。実践経験を通して、「なるほど、『平成進化論』の理論はこういうところか!」と理解が進みます。何を実践するかというアイディアも、たびたび理論を学ぶことで思いつきますね。

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ということは、どちらが重要かは言えませんが、演繹的アプローチとして「地図」を先に持っていたほうが、効率は良さそうですね。

帰納的アプローチを先にすると、理論を思いつけない可能性があります。根っから地頭のいい人は自分で理論や原理原則を産み出していけるのでしょうが、どうしても時間がかかりそうです。

理論は経験を豊かにし、経験は理論を実践的にします。私たちは、自分にとって何が有効かを試しながら、どちらのアプローチも柔軟に取り入れることが重要です。

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ということで、「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」という言葉を胸に、今日も1日なにか1つでも改善していきましょう!優柔不断もなにも、試すべきことが思いつかないという状態なら、メルマガ『平成進化論』を購読してみるのも一案でしょう。完全無料で、この精度の「地図」は他にないと思います。


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