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日本国が「目指したもの」11~『地方創生』と日本復活の一手~(後編)ー日本人のための『和の国・日本国』講座92ー

こんばんは。高杉です。

日本人に「和の心」を取り戻すというスローガンのもと
『和だちプロジェクト』の代表として活動しています。


前回の記事では、

都市化と幸福度の関係を見ていきました。


人口が流出して取り残された人々の幸福度が低くなるのか、
幸福度が低いから人口が流出してしまうのか、

いずれにせよ地方への人口分散を進めていくことで国全体の幸福度を上げ、幸福度の上昇によって地方への人口回帰が進む
という好循環をもたらすことができるかもしれません。


では、
今後、多くの地方で、
幸福な生活を実現するには
どのようにしたらよいのでしょう。


今回は、

地方創生』の具体に視点を当てて、考えていきたいと思います。


最後までお付き合いください。



よろしくお願いします。








1)どのようにして『都市化』は起こったのか?




高度経済成長期に急速に『都市化』が進んだのは、
地方での人余りと都市部での人手不足の両面から、
人口移動が起きたからでした。


地方での人余りは、
主に農業の生産性向上と、
食料や木材などの輸入依存の進展による農林水産業の衰退から生じました。

都市部での人手不足は臨海工業地帯の発展など、
原料やエネルギーの海外依存と製品輸出が主な要因となっています。

農村、漁場の衰退と都市部の人口集中が、
ともにグローバル化によって加速されたのです。


同時に、
都市部での人口集中によって、
娯楽、教育、医療など都市生活の利便性が向上し、
それがますます人口を都市に引きつける力になりました。


このようなことが要因だと考えると、
『地方創生』に向けてすることは、
都市部で起こったことを地方で起こせばよいのです。



2)『地方創生』を実現する一手とは?




『地方創生』の一手は、


①地方で就業機会を増やすこと。
②地方で経済的にも豊かな生活ができるようにすること
③地方と都市をつなげる


の3つであると考えます。




3)日本経済復活の一手①~地方で就業機会を増やす~





まず、
『①地方で就業機会を増やす』ためには
どのようなことをしていけばよいのでしょう。


農林水産業は、土地と強く結びついています。
農業、林業、水産業ともに、田畑、山林、海があればこその産業です。

グローバル化による食料や木材の海外依存によって
農林水産業が衰退したことが、地方での就業機会激減の要因でした。


そのため、
「農林水産業の復活」こそ、地方再生の中心的な方策なのです。




現在の製造業は、技術的に大きく進歩しています。

以前は、
数十人、数百人で構成されていた大規模組み立てラインが、
数人単位のセル生産システムに置き換わってきています。

かつては、
エアコンやコンピュータなどのモデルチェンジのたびに
巨大な投資をして中国などに長大な組み立てラインをつくり、
1シーズン分の製品を一気に生産して、
次のモデルチェンジに備える、ということを繰り返していました。


しかし、
それでは、よく売れた場合は品切れになり、
売れない場合は大量の売れ残りが生じて、
たたき売りをしなければなりません。


これでは、
製品の技術進歩が加速しつつある現代において、
機会ロスや余剰ロスが増加します。


数人のセル生産システムなら、
売り上げに即してLINE数をすばやく増減すればよいので、
ロスが大幅に減ります。

また、
ロボット技術や設備の知能化により、
小さな製造ラインでも効率よく作ることができるようになり、
海外で作ってわざわざ日本に運んでくるよりも、
国内市場に近い地方で工場を分散して製造したほうが、
即応性が高まります。


こうした技術進歩が、地方への工場分散を加速するのです。




4)日本経済復活の一手②~地方で経済的にも豊かな生活ができるようにする~




次に、
『②地方で経済的にも豊かな生活ができるようにすること』ためには
どのようなことをしていけばよいのでしょう。


従来のサービス産業を見てみると、
顧客への直接サービス提供が中心だったので、
やはり人口が集中する都市で集中的に発展し、
またそれによる利便性で都市に人口が吸い寄せられる、
という循環が成り立っていました。


人口の地方分散が進めば、サービス産業の地方移転も進む
ということです。

さらに、
情報通信技術の進展により、
教育や医療、娯楽などで遠距離を超えて、
サービスを提供することができるようになっていきます。




日本財団が2020年に行った『十八歳意識調査』では、
若者が都市と地方のどちらに住みたいか、
その理由は何かについて、示唆に富んだ結果を示しています。

まず、将来暮らしたい場所は、
「都市」は56.5%、
「地方」が43.5%で
「都市」の方が多数派ですが、前年に比べて、4。7%減っています。


これは、
コロナ禍によって都市生活の問題が顕在化したことが
影響しているようです。


また、
都市で暮らしたい理由として、
「生活がしやすい」が63.4%
「娯楽が多い」が51.2%
となっており利便性と娯楽が都市生活を望む主な要因になっています。

その一方で、
地方生活を望む理由は、
「自然環境が豊か」が51.5%
「生活がしやすい」が50.1%
となっています。

それぞれ「生活がしやすい」が入っていますが、
都市では、様々な商業・サービス施設の存在が考えられますし、
地方では、住居が広い、通勤時間が短い、三世代同居・近居がしやすいなどのことが考えられます。


この結果から考えると、
国民の地方移住を進めるためには、
都市部の商業・サービスや娯楽を地方でも同レベルで享受することが
できればよいということになります。


そして、
5GやDX化による最新の情報技術の進展は
このようなことの一助になるのではないかと考えます。





過疎地での不十分な医療体制は、
現在、お年寄りを悩ませている問題ですが、
さらに若者が結婚して子供と一緒に地方に住もうとする際にも
重大な阻害要因でしょう。

コミュニティナースの制度で
過疎地でもお年寄りを見守ることができるようになりますが、
高度医療も5Gの登場で大きく変わります。


2019年1月、
和歌山県立医科大学では、
約40㎞離れたへき地の診療所を5Gで接続し、
同大学の専門医が高精度テレビ映像で問診をしたり、
高精細な幹部画像で診断をする実証実験を行いました。


その結論は、
「診療に十分活用できる」というもので、
専門医のいない過疎地でも、
高度な遠隔医療を受けられることがわかりました。


また、
手術室で、医師が手術部位を三次元カメラで見ながら、
内視鏡とロボットかんしで手術をすることは今でも実現していますが、
5Gを使うことで、この手術を遠隔地から行うことも可能になります。


これまでは、
都会の大病院でしか受けることのできない高度な診療や手術がありましたが、
5Gの登場によって、過疎地でも同レベルの医療サービスが受けられるようになるかもしれません。




実際に、
和歌山県の白浜町がサテライトオフィスを構えて、
いくつもの企業の誘致に成功したという事例があります。


白浜町は「関西の奥座敷」と呼ばれた有数の観光地ですが、
人口は2万人に過ぎません。


そこで海を見下ろす保養地後を貸しオフィスに衣替えし、
先進的な情報通信網を導入しました。


これらの企業は
都市圏の顧客向けに遠隔からシステム開発や技術サポートのみならず、
テレビ会議やメール、電話による遠隔営業活動まで行っています。


なんと!!

本社を東京から白浜町に移す企業も出てきました。





通勤も東京では片道80分ほどもかかっていたのが、
車で5分程度になり、
従業員は浮いた時間で趣味や家族との時間に充てることができ、
地元での活動を満喫しています。


営業面では、
案件成約数が田拠点よりも20%も大きくなるという成果も得られました。


移住した社員たちの地域貢献も活発で、
地元の小中学生を対象にしたプログラミング授業や、
職場体験の受け入れ、
地元企業へのセミナー、
社員による熊野古道の道普請などを行っているそうです。

地域の住民との距離が近い分、
自分の活動の手ごたえを直接的に感じとることができるそうです。





実は、白浜町の最初の試みは失敗していたのです。

景観の良いオフィスを構え、情報通信設備を備えても、
最初に入った2社は退去してしまったのです。


その理由を調べると、


地域の人々との交流ができなかったから


だったそうです。

そこで、
白浜町は生活面のフォローを行い、
転入してきた人々が地元社会に溶け込めるように、
「相談体制」を設けました。


それによって、ようやくこの試みが成功したのです。


地元分散は物理的な人口転入だけではなく、
移り住んできた人々を、
地域の共同体に引き入れることが不可欠なのかもしれません。

それができてこそ、
共同体の中での生きがいを見つけることができるのです。




さらに、
岡山県の真庭市では、林業にICTを活用して、町おこしを行っています。


林業では、
樹木の分布や生育状況を「森林台帳」に登録して管理しています。

この「林業台帳」の更新作業は、
1区画あたり2人がかりで8時間かかる作業でした。

ドローンで上空から得られた写真データや地図情報を
クラウドシステムに統合し、
市役所や森林組合が共有する仕組みを構築することに成功しました。


その結果、
「森林台帳」の更新作業が1分間程度のパソコン操作で
処理できるようになり、


「バイオマス発電に使う間伐材の安定供給」
も可能になりました。





宮城県東松島市では、
漁業にICTを活用した新しい試みをしています。


これまで、
漁師の経験や勘に頼っていた漁業に、IoTやビッグデータを活用したのです。

センサー付きのスマートブイで得た潮流データや水中画像データなどの
海洋データと、気象データや漁獲データを通信ネットワークを通じて、
収集・分析をしました。

魚種・漁獲量予測、漁場、網の投入方法などの出力データを
「翌日の出業計画」や「飲食店との取引」に活用することで、
海の中からの産地直送販売を実現し、
漁師の収入安定化につながりました。


このように地方を中心に、
ICTを活用し、新しい取り組みを進めている事例はかなり豊富にあるのです。




5)日本経済復活の一手③~地方と都市をつなげる~




最後に、
『③地方と都市をつなげる』ためには
どのようなことをしていけばよいのでしょう。


一番最初に思いつくものは、
やはり「ふるさと納税」でしょうか。



自分を育ててくれ、
親が生活しているふるさとに何らかの形で恩返ししたい。


そのように思っている地方出身者を
「ふるさと」という絆で結ぶ取り組みです。

ここでいう「ふるさと」というのは、
自分が生まれたところや、
初めての赴任先、よく遊びに行くところや思い出の場所など、
その人にとってここがふるさと、と思う地域を指します。

故郷に対して、
自分の意志で納税し、それを有効するという仕組みが大切です。


まさしく、
「地方の活力なくして、国の活力なし」だと思います。

地方が元気になる政策こそ、今のわが国には大切なこと事であり、
グローバルからローカルに戻ってくる時が必ず来ると考えています。





このように、
地方でも同様に就業機会があり、
都会と同水準の教育や娯楽、医療サービスを受けることが
できるようになると、

わざわざ生まれ育った共同体から離れ、
住居も狭く、生活費も高く、通勤時間も長い都会に出ていく必要は
なくなっていくでしょう。

まさに、
都会生活と地方での田園生活のよいところを自ら選ぶことができ、
自然との和人々との和、共同体の和を感じながら、
幸福度を高めることもできます。





さらに、
地方では、出生率(一人の女性が生涯に産む子供の数)が都会よりも高いという傾向があります。

例えば、
東京1.2人、大阪1.35人に対して、
和歌山は、1.4人、沖縄に至っては1.8人です。

地方では、広い家に住むことができ、
同居・近居する祖父母に助けられながら子育てをすることができる、
という利点があるからでしょう。


都会では、
子どもを産みたくても産むことができないというのが
少子化の一因となっていますが、
地方に住む人口が増えれば、
自然に出生率も上がり、
人口減少の速度を緩めることができるかもしれません。



近代物質文明導入以前の日本では、
人々が各地方で自然との和の中での生活を営んでいました。

そこでの共同体の中で人々との和を保ち、
自分の処を得て生きがいと希望をもつことができたのです。

次世代の技術を活用して行き過ぎた都市化を見直し、
人々が日本列島各地に、分散移住して、持続可能性を確保しつつ、
それぞれの地域共同体の中で生きがいと希望をもつことができる暮らしを
実現することが大切だと思います。



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自分や自分の家族の幸せだけを願っていた僕が、この日本国に生まれ、日本人として生きることができ、本当に幸せだな。誇りに思うことができるようになりました。


だから、あなたにも知ってほしいのです。


私たちが生まれた日本国が本当に目指していたものを。日本国が本当に素敵な国だということを。


そして、今日まで、私たちが豊かな暮らしを営むことができるこのすてきな国が続いているのは、日本国を、私たちを命がけで守ってくださった先人たちのおかげであるということを。


先人たちが大切にしてきた精神性。

僕たちの心の中に眠っている精神性。

『和の精神』を呼び覚まし、再び日本を皆がよろこびあふれる豊かな国にしたい。

自分を、自分の国を堂々と語り、誇りに思ってほしい。

子どもたちが希望を感じ、いきいきと輝くことができる国にしたい。


それが今、我が国に生きる僕たち大人の役割だと思うのです。


一緒に、日本を学びませんか?


最後まで、お読みいただきありがとうございました。



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