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荒廃した心を整えるための一手『福井の教育』に学ぶ礼の教育観(後編)~福井県の教育はなぜトップレベルなのか?~ー『日本人のこころ』12ー

こんばんは。高杉です。

日本人に「和の心」を取り戻すというスローガンのもと
『和だちプロジェクト』の代表として活動しています。




北海道内に住む同性のカップル3組は、同性どうしの結婚が認められないのは「婚姻の自由や法の下の平等を定めた憲法に違反する」として、おととし、国に賠償を求める訴えを起こしました。

17日の判決で、札幌地方裁判所の武部知子裁判長はまず「憲法24条の『婚姻は両性の合意のみに基づく』との規定は、『両性』など男女を想起させる文言が使われるなど異性婚について定めたものだ」として、婚姻の自由を定めた憲法24条には違反しないと判断しました。

一方で「同性愛者と異性愛者の違いは人の意思によって選択できない性的指向の違いでしかなく、受けられる法的利益に差はないといわなければならない。同性愛者が婚姻によって生じる法的利益の一部すらも受けられないのは合理的な根拠を欠いた差別的な取り扱いだ」などとして、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するという初めての判断を示しました。

同性婚認めないのは違憲の初判断 国への賠償は退ける 札幌地裁 | NHK政治マガジン


このような記事を目にしました。

最近、個人の自由と公の平等を混合して考えている勢力の声が
大きくなってきているなあとつくづく感じています。

「多様性」という名のもと
社会秩序や国体を破壊しようとする動きや
自分の理屈を押し通そうと傲慢な考えに溢れている動きが目立っているなあと。

まだまだ和の道は遠いと実感しますが、
諦めずに我が国が大切にしてきたものを守り育みたいと思います。

さて、
私事ですが、今週は卒業式。
お世話になってきた子供たちに最高の恩返しができるように
尽くしていきたいと思います!


今回も、最後までお付き合いいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。







時は流れ、
現代の福井の教育はどのようになっているのでしょうか?


1)福井県の学力が高い秘密とは?




福井の教育はなぜ、トップレベルなのか?


この問いに答えるために、
福井の子育てについて、いくつかの学校を訪問し、
多くの教育関係者や母親たちの取材で探った大変貴重な

『ネコの目で見守る子育て 
 学力・体力テストで日本一!福井県の教育のヒミツ』

という
太田あやさんが書いた書物と

『県外から来た教師だからわかった 福井県の教育力の秘密』

という
福井らしさを探る会さんが書き上げた書物があります。


ここに示されていることを参考に福井の教育の秘密を考えていましょう。




2003年のPISA調査結果の低迷に伴い、
2007年から43年ぶりに全校一斉で始められた「全国学力・学習状況調査」
ですが、
開始から全国トップクラスに位置付けている福井県の結果を受けて、
福井県の教育研究所の当時の所長である松田通彦さんは、

「当たり前のことを当然のごとくやってきた。その結果が表れただけというのが教育関係者共通の思いです。」


と話しています。

福井県は、戦後最初の「全国学力テスト」が開始される5年も前の
1951年から、
県独自の学力テストとして「福井県学力調査」を
年に一度行なってきました。

子供たちの学習状況を把握し、指導改善のために活かすためです。

これは、
現在に至るまで60年以上実施されています。

そのため、
1963年~2006年の43年間、
「全国学力テスト」が行われなかった期間も、
子供たちの学習状況や学習課題を把握することができていました。

「福井県学力調査」の対象は、
県内の全公立学校に通う小学5年生と中学2年生です。

つまずきを克服する期間を設けるために、
最後の1年間を残したこれらの学年を対象にしています。

小学5年生は、
国語・算数・理科・社会の4教科

中学2年生は、
国語・算数・英語・理科・社会の5教科が設定され、

基礎力と応用力を問う問題で構成されています。

また、
テストと同時に、子供たちの生活に関するアンケートも行われています。

毎年2月に実施され、

4月には特徴的なつまずきの内容を分析した簡易版のリーフレットが全教員に、

さらに、
6月には詳細な分析とつまずきを克服するための具体的な指導例や指導改善案が掲載された冊子が学校ごとに配付されます。

この冊子には、
コピーするだけで授業に使用することができるワークシートも
掲載されています。

さらに、教員の授業づくりを支援するために
教育研究所では、
ホームページ上に「教材研究支援システム」を開設し、
授業で活用する教材などをダウンロードできるシステムを構築しています。



2)福井の子供の学力を支える日本一の〇〇




元福井県知事の西川一誠さんは、
当時の大阪府知事であった橋下徹さんとの対談の中で

「福井は、言い過ぎかもしれませんが宿題が日本一多い。
 先生が宿題を出し、家庭では親御さんがしっかりみている。
 地道な流れが根っこにある。」


とおっしゃっていました。

宿題が日本一多い


これは、データでも明確に表れていると言います。

福井県の公立小学校、中学校に通うお子さんをもつ親御さん144人
(小学生22人、中学生122人)にアンケートを実施した結果、

「お子さんは自宅で宿題にどのくらいの時間をかけていますか?」
に対する質問に対して、

【平日】
30分未満       21%
30分以上60分未満    51%
60分以上90分未満    8%
90分以上120分未満   12%
120分以上        2%


【休日】
30分未満       18%
30分以上60分未満      29%
60分以上90分未満   37%
90分以上120分未満     5%
120分以上          4%


という結果が出ています。

子供だけではなく、
大人も宿題を習慣づけるための努力を惜しまないのが

福井県の教育の特徴です。

学校では、
宿題を提出するようにすることはもちろん、
それに対してのフィードバックを教員が必ず行っています。

また、
家庭でも、
宿題を習慣づけるためのしつけがなされています。

「毎日宿題をする」という当たり前の積み重ねにより、
家庭学習、自主学習の習慣が身につき、
学びを自らデザインしようとする意識が生まれていくのです。

これが、
日本一の子度を育てている大きな要素になっています。




さらに、
宿題をただ単にたくさん出すだけではなく、
その大量の宿題を子供たちがやりきることができるようにするための工夫、
学力に結びつけるための手立てがあります。

福井県では、
一般の人が想像する3倍はあると感じるほどの量の宿題を、
子供たちに当たり前に取り組ませています。

やはり、
高い学力を支えるものは、学習量であると納得します。

しかも、
ただ単に宿題をたくさん出すのではなく、
習慣づけるために計画的に課題を出し、
提出された課題を丁寧に点検して、
間違いを直したり、
答えを写すだけの学び方が誤っている行動を修正したり、
先生がきめ細やかな指導をしているのです。

福井県では、子供の学習を塾に任せるのではなく、
教員が宿題を出し、子供がそれに加えて自主学習を行い、
親が子供たちの学びの習慣化を見守ったりしつける。


小中学生だけではなく、
大学進学状況でも福井県は全国トップレベルにいます。

高校卒業生の五人に1人が国公立大学に合格しており、
さらに高校卒業者数に占める東大合格者の割合では全国7位。

塾に行っていない福井県の子供たちの方が
学力で上位を占めているという結果に、
進学塾の関係者はショックを受けたそうです。



しかし、

学校の宿題と自主学習だけで
本当に全国トップレベルの学力を達成することができるのでしょうか?


その実態を、
福井県立高校出身の3人の東大進学者が座談会の中で
次のように語っています。

・大学に進学して驚いたんだけど、
 有名私立校出身の子とか予備校に通っていた東大生の話によると、

 合格するために毎日10時間くらい勉強していたんだって。
 自分はそんなに勉強時間は長くなかったなあって。

・1、2年の頃は、
 毎日2時間くらいじゃなかった?3年の秋ごろまでは
 受験のための勉強はしていなかった気がする。


・基本的に、学校の予習と宿題以外はやってこなかったな。
 塾にも通わなかったし。

 周りにも塾に行っている子は少なくて、
 成績が上位の子ほど行っていなかった気がする。


授業は、「子供が予習している」という前提で進められているので
英語、古文、漢文は語彙を調べて訳しておかないと授業にはついていけないということなのです。

予習と宿題。

つまり、家庭での自主学習が中心で、
それらを2時間程することで
少なくとも3人の生徒は東大に合格したというのです。



これまでお話してきたように、
福井県では、小学生、中学生の頃から家庭学習を重視しています。

家庭学習は、
子供自身やが教員が努力するだけでは確立することはできません。

親の力が欠かせません。

福井県の子供たちの親御さんは、
アンケート調査での、
「宿題を習慣づけるために、心がけていることはありますか?」
という設問に対して、

・宿題が終わるまで遊びに行かせない。
・宿題が終わったかどうかチェックする。
・目の届く範囲で宿題をさせる。

子供が安心して学ぶことができるようにするために、
子供が学習習慣を確立することができるようにするために、
親が積極的に関与している様子がうかがわれます。

子供が家庭で学習する場所についても、
リビングルームが64%と、
親の目の届く範囲で学習に取り組んでいる子が多いようです。

ただし、親がつきっきりで見ているというわけではなく、
そばで家事をしたりしながらそれとなく、様子を見ているというのです。

福井県は、共働きの世帯の割合も多く、
親が外で働いている場合は、おばあちゃんやおじいちゃんの世代が活躍し、
見てくれることが多いとのことです。

このようにして、
小学生の頃から、学校は毎日宿題を出したり学び方を身につけたりする、
家庭は親が責任をもって子供たちを見守る。しつける。
という形で、「学ぶ習慣」を身につけていくのです。



子供だけではなく、
大人も学ぶことを習慣づけるための努力を惜しまないのが

福井県の教育の特徴です。

学校では、
課題を提出するようにすることはもちろん、
それに対してのフィードバックを教員が必ず行っています。

また、
家庭でも、
課題を習慣づけるためのしつけがなされています。

「毎日学習をする」という当たり前の積み重ねにより、
家庭学習、自主学習の習慣が身につき、
学びを自らデザインしようとする意識が生まれていくのです。

これが、
日本一の子度を育てている大きな要素になっています。



3)学力だけではない。体力トップクラスの秘密とは?




2008年から実際された
「全国体力・運動能力・運動習慣調査」においても、
小学5年生が1位、中学2年生が2位というトップクラスの結果
を出した福井県ですが、

当時の福井県教育委員会では、
体力が全国トップクラスの理由として、大きく2つの事柄を挙げています。

まず、ひとつに

1963年から学力テストと同様に
県が独自に実施している「児童・生徒体力・運動能力調査」です。

毎年6月に、
小学4年生以上の全児童、中学、高校の全生徒を対象にして、
握力や上体起こし、50m走などの8種目の調査を実施していきました。

調査結果は県教委が分析をし、
各学校はその分析内容を踏まえて、
弱点を克服するための「体力づくり推進計画書」を作成し、
1年間、それに沿った指導を行うというものです。

弱点克服のための運動は体育の学習だけではなく、
休み時間や放課後なども使って行われています。

もう一つが、
スポーツ少年団への参加など、社会体育の普及です。

「スポーツ少年団」とは、
放課後や休日に学校の体育館や運動場などの施設を使って運動する団体
のことです。

小中学生を対象に、
学校または地域単位で、教員や専門のコーチのもと
バスケットボールやバレーボール、野球などを行っています。

福井県の小学校の約3割がこの「スポーツ少年団」に所属し、
子供たちの体力を大きく伸ばす一因になっているとのことです。

では、
スポーツ少年団には所属せずに
放課後の運動習慣をもたない約7割の子供たちは
どうしているのでしょうか?

県教委はこのような子供たちのために
「スポーツ大好きっ子育成事業」を立ち上げました。

これは、
週1回程度、放課後に体育館でリズム運動やソフトバレーボールなどの
身近なスポーツをするというものです。

県のオリジナルのテスト、
教材支援システム、
スポーツ大好きっ子育成事業など
これらすべての根底に流れているのは、

何か課題を見つけたらすぐに対応する。

よりよい方法があればすぐに採用する。

という先生方の意欲と情熱です。

当然ですが、
学力・体力テストでトップになることが目的ではありません。

子供たちの持ち味を最大限発揮するための支援。

この当たり前の積み重ねこそが、福井県の教育の底力なのです。


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国民一人一人が良心を持ち、
それを道標に自らが正直に、勤勉に、
かつお互いに思いやりをもって励めば、文化も経済も大いに発展し、
豊かで幸福な生活を実現できる。

極東の一小国が、明治・大正を通じて、
わずか半世紀で世界五大国の一角を担うという奇跡が実現したのは
この底力の結果です。

昭和の大東亜戦争では、
数十倍の経済力をもつ列強に対して何年も戦い抜きました。

その底力を恐れた列強は、
占領下において、教育勅語修身教育を廃止させたのです。

戦前の修身教育で育った世代は、
その底力をもって戦後の経済復興を実現してくれました。

しかし、
その世代が引退し、戦後教育で育った世代が社会の中核になると、
経済もバブルから「失われた30年」という迷走を続けました。

道徳力が落ちれば、底力を失い、国力が衰え、政治も混迷します。


「国家百年の計は教育にあり」
という言葉があります。

教育とは、
家庭や学校、地域、職場など
あらゆる場であらゆる立場の国民が何らかのかたちで貢献することができる分野です。

教育を学校や文科省に丸投げするのではなく、
国民一人一人の取り組むべき責任があると考えるべきだと思います。

教育とは国家戦略。

『国民の修身』に代表されるように、
今の時代だからこそ、道徳教育の再興が日本復活の一手になる。

「戦前の教育は軍国主義だった」
などという批判がありますが、
実情を知っている人はどれほどいるのでしょうか。

江戸時代以前からの家庭や寺子屋、地域などによる教育伝統に根ざし、
明治以降の近代化努力を注いで形成してきた
我が国固有の教育伝統を見つめなおすことにより、
令和時代の我が国に
『日本人のこころ(和の精神)』を取り戻すための教育の在り方について
皆様と一緒に考えていきたいと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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