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言語が人をつくるように、伝統工芸品が人をつくる

日常に使うものが我々に与える影響は大きい。

例えば言語。
中国人留学生の友人が、興味深いことを教えてくれた。
「中国語で話すときより、日本語で話すときの方が穏やかな性格になる」というのだ。日本語には感情表現が多様にあるかららしい。

なるほど、
日常に使うものを変えると人は変わる。

これは言語だけでなく、日用品にも同じことが言えると思っている。
私の場合、唐木の箸を使っているが、
使用上の注意はこう教わった。

洗剤を使わず手でこすって水洗いする。

一般的に、食器洗いのイメージは、
スポンジに食器用洗剤をつけて洗う、か、食器用洗浄機を使うかだろう。

時代と逆行する「手で水洗い」

結果的にどうなるかというと、
徐々に愛着が湧き、職人さんへの感謝がこみ上げてくる。

「水、冷たっ・・・!この箸は、なんだか温かいな・・・。
「そういえば、あの職人さんは、今何をしているだろうか?」

ふと、想い、馳せる。

日常の中で、誰かを思うこと、
それほど多くはない。
でも、人とのつながりが大切なことは分かっている。

忙しない日常の中に、心を取り戻すひと時を、
伝統工芸品は与えてくれる。

化学素材で作られた大量生産品ではなく、自然素材かつ手仕事で作られた伝統工芸品を普段使いすることで、心にも変化があるのだ。温かみある伝統工芸品とその向こうにいる「あの人」に心を寄せてみるのは、いかがでしょう?

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