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優れた事例を参考にしながら独自の強みを築いて行く ベンチマーキング

企業がその存在意義を高めるには、独自の価値を創造することが不可欠です。
これは、コアコンピタンスとは、ストロングポイントなどと表現されたりします。

そのため各企業は、イノベーションの創造を目指します。

イノベーションですが、マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏は、「基本的に失敗のマネジメントであり、少数のすぐれたアイデアを得るためには、たくさんの劣ったアイデアを生み出す必要がある」としています。

また、「アイデアのつくり方」の著者で有名なジェームス・W・ヤング氏は、「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ」だと定義づけております。

イノベーションというと、新しい価値の創造だと難しく捉えてしまいがちです。
実際に難しいことは間違いはないのかと思います。
しかし、最初から難しく構え過ぎたら、ますますハードルが上がってしまいます。

まずは、ベンチマーキングに取り組むことをお勧めします。
似たようなものではモデリングとも呼ばれる手法です。

その語源は、土地測量に使われる土地の高低などの基準を意味するものです。
自社や自身にとって規範となる企業や特定組織、人物など(ベンチマーク)の優れた技法、手法、過程などをロールモデル(手本)として捉え、同じように考え、行動することで、自社や自分に、そのパターンを定着させる取り組みです。

人には、現状を現状のまま維持したいと思う無意識の欲求があるのだそうです。
その様な状態で、現実的ではない目標を掲げて取り組むことを促しても、なかなか行動に移さない人も少なくないと思います。

ところが、現実として飛躍した法則をベンチマークとした場合はどうかです。
勿論、これにも抵抗する存在はあろうかと思いますが、余計なことを考え過ぎて行動しないのではなく、とにかく真似てみることが大切だと考えます。

勘違いしてならないのは、ベンチマーキングが目的ではないと言うことです。
あくまでも、ベンチマークの先にある「あるべき姿・望ましい結果」に向けて取り組むことが大切です。

ジム・コリンズ氏の著書「ビジョナリーカンパニー」にも紹介されている通り、世の中には、明確な経営理念を持っていて柔軟に変化、そして成長し続けている企業があります。
目先の利益だけを追求するのではなく、長期的な成功を目標に掲げるビジョナリーカンパニーは、ベンチマークもして最適かと思います。

故に、そこには、敬意が不可欠です。
二番煎じで、他者が創造した価値を横取りするような敵意あるパクり、模倣行為は、ベンチマーキングではありません。

ベストプラクティスという考えがあります。
これは、ベンチマークなどの模範から自社に取って有効なところを取り入れる経営手法です。

手順例として、まずは、一つのベンチマークに対するベンチマーキングに取り組み、一定レベルを目指す。
一定レベルに達したところで、継続すべきか、新たなベンチマークも取り入れて行くかをPDCAサイクルを回すイメージで評価・検証、検討をすべきかと思います。

ベンチマークは、一つ一つが成功事例です。
異なるベンチマークを融合させることは、相乗効果により成果を高められる可能性があります。
反面、バランスを崩してしまい逆効果になる可能性もありますので慎重なチョイスが必要と考えます。
正に、PDCAサイクルを回しながら、自社にとっての「ベンチマーク」そして「ベストプラクティス」を追求する必要があります。

ベンチマーキングが量としたら、ベストプラクティスは質を高めるためのマネジメント手法と捉えても良いのかもしれません。

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