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最初に思い出してもらうために #102 ブランディング

仕事の関係で、毎年、何度かベトナムに行きます。
ホーチミンの空港から街中を進むと感じるのが湧き上がるような活気です。

そして、インパクトがあるのが、オートバイの多さです。
あまりの多さに、信号のない横断歩道は、怖くて渡れないくらいです。
聞くと、ベトナムでは、3人に1人がオートバイを所有しているらしく、生活の必需品であり、ステータスであり、若者のファッションなのだそうです。

また、中心地から少し出た幹線路肩で、頻繁に目にHONDAの看板が目に着きます。
なるほど、ベトナムにおけるオートバイのシェアは圧倒的に日本のメーカーであるHONDAなのだそうです。

実際に、街中の駐輪場に停まっているオートバイを見ると8割程度が、HONDAブランドでした。
ベトナムにおけるHONDAのブランディング力の凄さを賞賛する以外ありませんでした。

しかし、本当の凄さを知るのは、この先です。
なぜなら、先程のHONDAの看板ですが、オートバイメーカーのHONDAのことではなかったのです。

何を意味不明なことをと思われるかもしれません。
実は、ベトナムでは、オートバイのことをHONDAと言うのだそうです。

つまり、HONDAのHONDAに乗っている。
YAMAHAのHONDAに乗っていると言う感じです。
先程の看板も、実は、オートバイの修理店の看板だということです。

マーケティングの考え方の中で、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理状態のプロセスを法則化したAIDMA(アイドマ)モデルがあります。

このプロセスにおいて、Action(購入)に至らせるためには、Memory(記憶)してもらう必要があります。
記憶してもらうことで、必要性が生じた時に思い出してもらえます。
この際、一番最初に思い出してもらうことを、第一想起といいます。

しかし、人の記憶とは、そもそも、忘れやすいものであることを前提で考える必要があります。

そこで、重要視させる取り組みがブランディングです。

そもそもブランドとは、「個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。 」です。

ベトナムのHONDAほど、絶対的なブランドの構築は時代背景などもあり現実ではないかと思います。
しかし、ブランドによって他社や他の製品・サービスと差別化させ、第一想起してもらえるブランドを育成し、自然と売れる仕組みをつくるブランディングは、マーケティングにとって非常に重要な取り組みです。

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