見出し画像

感想&雑感:『指導力 才能を伸ばす「伝え方」「接し方」』仁志 敏久 (著)

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

画像1

 今回は『指導力』という、現:横浜DeNAベイスターズ2軍監督である仁志敏久氏の著書の感想&雑感について書いていきたいと思います。本書の特徴は、著者の仁志氏が侍ジャパンU-12代表監督における経験をベースにして知見を絡めて仁志流指導論について書いてありますが、本書の中で語られている指導は社会人における指導にも共通する可能性があるエッセンスが盛りだくさんだなと思いました。

1.上手い人の技術=全ての人にマッチするというわけでは無い

 例えばとある会社の営業職に勤めているとしましょう。研修資料として、営業のトークスクリプトがあって上司や育成担当からこれを覚えろと言われて、覚えたとしてもそれはこれまでの営業の猛者が使ってきた技術を形式知化しただけであってそれを使う人によってはに思ってしまう可能性もあります。

 これを野球に落とし込んだ場合、ヒットやホームランを打つ技術やボールを投げる技術として自立している技術はその人それぞれそれぞれの感覚や経験からきているため、仁志氏は子供たちへ指導する上で己の経験や感覚に頼るのではなく丁寧かつ親切に指導し、指導する上ではまず自分自身が実践をしてみて感想を言えるぐらいでなければならないと述べています。

 先程の事例として挙げました営業に当てはめてみると、営業職に従事する社員と一口に言っても快活な性格もいれば,思慮深い社員,計画を練るタイプの社員もいれば猪突猛進タイプの社員もいるといったように千差万別です。そう考えると、研修素材として用意したトークスクリプトが全ての社員に当てはまるとは思えないし、社員毎に芽が咲いてくるまでに掛かる時間は違います。だからこそ、指導する上では経験や感覚をその人へ届くように言語化し時にはアレンジして一緒に実践することが大切になってくると思いますし、OJTや新規に担当する顧客への営業活動におけるフォローアップにも活きてくる可能性は十二分にあるのではないでしょうか。

2.「目標」「目的」

 恐らく本書の約1割を占めるキーワードとして、「目標」「目的」が使われていました。

 野球に限らず、技術的な側面が強い専門職においては日々技術のアップデートや新たな理論が構築されていくし、それ以外のビジネスにおいても日々色んなビジネスに関するテクニカルな思考や技術に関する本が出版されたりしています。それらを見ておぉΣ(・□・;)と思って育成という場面において実践させようとする人もいますが、その前段として「どんな課題を持ち,どんな立ち位置へ向かうか」という目標が無ければ、それは与えられた事を淡々とこなすだけになってしまうと仁志氏は本書で述べています。そして、そういう目標を持たせるために行う事(仁志氏の場合であれば、侍ジャパンU-12代表監督として)でどのような目的意識を持って取り組んでいくか?。そして、それを同じ空間のメンバーに共有させるかが大事だと述べています。

 例えば指導担当が付くタイプの会社組織であれば、指導担当の上にいる人と言えば係長や課長といった役職者だと思います。組織全体として指導していく上では、単に指導担当の社員だけがヒーヒー言うのではなく、その上の係長や課長が指導にあたっての目的を据える必要があるというのが本書内における「目的」「目標」にも繋がっている可能性があると私は思います。

3.おわりに

 ベースとなっているのが侍ジャパンU-12代表監督での経験なので、それを一般社会に置き換えて感想を述べていくだけのボキャブラリーが私には持っていないため、本書内において特に気になった要素だけをピックアップしてみました。だけど、読み進めていけば一般社会における指導という文脈にも共通する要素は多分にある一冊だと私は思います。

 また、本書を読んでいくにあたっては下記の動画を補助線にして読み進みていくともしかしたら理解が深まるかもしれません。


この記事が参加している募集

読書感想文

新書が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?