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世界病気博物誌ーゴードン博士が語る50の話。

探していた本をやっとゲットしました!
ネットで面白いと聞いて気になっていたのですが、面白いよw
100年も200年も昔の医療にまつわる小話を、
ロンドンの麻酔科医リチャード・ゴードン氏が皮肉たっぷりに語る本。
医療の本ですから、ちょっとグロイ表現もあるので苦手な方はご注意です。

この中に「トリプルプレイ」という話があって、

腕利きの外科医として有名なリストンのもっとも有名な症例
腿を2分半で切断した(患者は化膿壊疽の為に後日死亡)
リストンは更に手がすべって助手の指も切断した(助手は化膿壊疽で後日死亡)
更にはずみがついて、手術を見学中していた医者の上衣の裾を切りつけた。
見学中のその医師はナイフが急所に突き刺さったので、あまりの恐怖でショック死してしまった。
これが史上唯一の死亡率300%の手術である。

この話のどこまでが本当か分からないけれど、リストン医師は実在するし、こんな話があるほど実際に多くの手術をこなし、手際が良かったそうです。
当時は手術痕が化膿し死亡することも多かったそうですけどね。
こういう話がたくさん載っている本です。
哀れな皇帝の話やお金になる死体の話など。

当時の医療は、現代から見ると恐ろしくてしょうがない。
意味の無い行為、むしろ病状を悪化させるような行為を真面目に医療として行っている。
迷信や民間医療の最たるもので、なんの科学的根拠も無い。
医療の勉強なぞした事の無い若宮でさえ、「そんなことしちゃダメ!」と思うなようことだらけ。
笑い話にしちゃいけないんだけどさ、笑い話に出来るほど医療が進歩したということなんだろうな。
当時は病気になったら人生終わり、というレベルなので、現代に生きていて良かったわ。

流石イギリス人が書いているよね、皮肉たっぷりでウィットに富んでる。
翻訳なので慣れないとちょっと読みづらいかもしれませんが、
医療に興味があったり、ちょっとグロイ話が大丈夫な方は読んでみたらいかがでしょう?
と言いたいのですが、91年の本なので新品を手に入れるのは難しいかも。
図書館や古本屋さんで探してください。


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