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「姿勢が悪い」とはどういうこと?

人は直立二足歩行と言って、体をまっすぐにして立って二本足で歩く動物です。人間以外に直立二足歩行をする動物はいません。

そのため人の体は、他の動物にはない直立二足歩行をするのに適した体の特徴を持っています。
良い姿勢というのは、直立二足歩行をしやすい体ということができます。

世の中では姿勢の悪さが不健康の原因と言われます。
姿勢が悪いから肩がこる。腰痛の原因は体幹が弱いから。ストレートネックだと首に負担がかかる。筋トレしても痩せないのは姿勢が悪から。

また健康のためには一日1万歩歩くことが推奨されたりましています。
しかし、姿勢が悪い体(歩くのに不適切な体)で歩けば、体は壊れていきます。

人は歩くことで健康になるようにできています。
全身の血液を巡らすには第二の心臓と呼ばれるふくらはぎを使う必要があります。
肩が凝ったときも、姿勢を正して(歩くのに適した姿勢で)歩くと楽になりますし、同様に腰痛も正しく歩ける姿勢(背骨のS字カーブを保った姿勢)で歩ければ回復します。

歩くために適した体=良い姿勢を美しい感じるのは、走ることに特化したスポーツカーや、飛行性能に優れた戦闘機をかっこいいと感じるのと同じで、機能美ということができます。

歩くのに適した体の例

土踏まず

足ひれのような大きな足も二本足でバランス良く立つためです。
猿も大きな足を持っていますが、親指が独立した手のような形をしているため土踏まずはありません。土踏まずを持っているのは人間だけです。

歩くことは、左右を入れ替えながらの片足立ちの連続です。
片足立ちができないと、立つことはできても歩くことができません。

土踏まずがあることで、人は親指の付け根の拇指球と小指の付け根の小指球、カカトの3点で立ちます。

4点ではなく3点で立つのは片足でバランスよく立つためです。

拇指球、小指球、カカトで立つと、カメラの三脚と同じように、傾斜地であっても必ずその3点は地面と接触します。
机の脚が床の状態によってはガタガタしてしまうように、四脚だと一点が浮いてしまいます。

扁平足、外反母趾など、土踏まずが崩れた人は、直立二足歩行に適さない体になっていると言えます。そのため長く歩くと不調が出ます。

頭蓋骨と首の接する位置

頭蓋骨には大後頭孔という穴が空いていて、そこに首の骨がくっついています。
猿は後ろ向きに、人間は下向きになっています。

画像は別サイトからお借りしました。

姿勢よく(歩きやすい姿勢)で立つと頭は股関節の真上に乗るようにできています。
まっすぐに立てばホウキを手のひらに乗せてバランスを取るように、少し傾けるだけでも簡単に前に進むことができます。良い姿勢だと省エネで歩くことができるのです。

ストレートネックであったり、猫背で顎を突き出したような姿勢は横から見ると猿の姿勢です。大後頭孔は猿の姿勢を取れないように真下に向いているので、猿の姿勢を取るのには無理がかかります。
首の筋肉を緊張させれば首コリになりますし、頸椎の並びを崩してしまえば神経を圧迫したり、椎間板が飛び出したりしてしまいます。



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