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【ラグビー】第56回大学選手権決勝 早稲田大学対明治大学戦の個人的雑感

久々にラグビー大学選手権の試合を観に行った。第56回大学選手権の決勝戦。対戦カードは前年覇者の明大と、復活を期す早大。日本ラグビーを牽引しているこの両校が対戦するのは、23年ぶりとのことだ。

さて、僕は大学選手権をかなり久々に観に行く。何年振りになるだろうか?
観に行かなかった理由は色々あって、例えば母校のC大学が出場しなくなったとか、トップリーグや他のスポーツの観戦を優先するようになったとかで、複合的なものではあるのだが、その中には「国立競技場でやらないから」というのもある。新しい1年が始まるこの時期のゲームは、この国を象徴する大きなスタジアムで観るからこそ価値がある……というカッコつけた理由もあったり、秩父宮では小さすぎてチケットが取れないという理由もあったりなのだが。
なにはともあれ、胸が高鳴るゲームであることには違いない。

まずは試合の感想からまとめてみようと思う。ご存知の通り、早大が45ー35で明大を破り、久々の大学日本一に輝いた。
試合は「極端な展開」という言葉がぴったり当てはまるものになった。前半は早大ペース。トライシーンのほとんどが1次・2次攻撃で奪ったものであり、効率的な加点ができていた。明大が苦戦した要因は、ディフェンスは距離感を見失っていたこと、そしてオフェンスはバックス陣が放るパスもあまりフラットではなく、効果的なゲインを奪えていなかった点が大きかった。スクラムぐらいしか明大は相手を上回っていなかっただろう。

後半10分に早大がこの日5本目のトライを奪い、38ー7にした時点でよりワンサイドゲームの懸念が高まった。だが、ここから明大が息を吹き返す。次第に早大ディフェンス陣の動きが甘くなり、明大の展開攻撃がハマり出してきた。
この試合は非常にタフなゲームだった。その要因の一つに「試合がなかなか途切れなかった」ことが挙げられる。ノックオンなどの軽微な反則は少なく、ペナルティも両チーム合計で7つ。観ている側としては手に汗握る攻防だが、している方は消耗戦である。両監督も選手交代のタイミングが掴めず、苦しんでいる印象を抱いた。

そんな中で冷静だったのだが、早大キャプテンの斎藤直人である。ゴールキックを完璧に決めたり、ダメ押しのトライをサポートする渋いフリーランニングがあったりと、この日最も印象に残るプレーヤーだった。何より、明大にトライを奪われたあと、焦らず十分な時間を取り、仲間とコミュニケーションを図る姿が最も印象に残った。

「極端な試合」と先に記したが、それはお互いの戦力が拮抗し、ひとつのプレーで流れが変わるからこその帰結である。先のW杯でも様々な場面で示されていたが、ゲームをコントロールするための人・組織の重要性を考えさせられる一戦となった

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