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草取りから学んだ仕事流儀の話

ペンションの清掃作業で草取りを行った。ただの奉仕作業ではなく、仕事を進める考え方と同じだと気づいた。仕事の流儀だ。

ある人は、言われた通りに綺麗になるようにと、細かい部分も一生懸命に作業を行っていた。私は、とにかく綺麗に見えるように目立つ部分だけを重点的に行った。


私の行動の理由は2つある。

1つ目は、作業の目的を「お客様がその場に訪れた時、素晴らしい時間が過ごせる未来を想像できる状態にする」としたからだ。場所は花壇がある駐車場スペース。細かいところに目を向ければ小さな雑草が気になるが、見えにくい場所まで丁寧にしなくても、お客様には影響を与えないと考えた。

基準は人それぞれで曖昧なものである。自分のこだわりで仕事をすれば、自身の満足度を高めるために完璧を目指してゴールが見えなくなりやすい。何を良しとするかを経営では理念や社是、行動指針などで表していく。それは経営だけでなく人生においても必要で、段階ごとに目標を変化させながら自己実現を目指していく。


行動2つ目の理由は、時間内に作業を終えること。時間をかけて作業を行うのは誰でもできる。しかし、完璧は不可能なので、どこかで帳尻を合わせる場面が出てくる。必要なポイントを知り、時間の意識をする。集中はいいが、没頭はいけない。無意識になるからだ。

目標のフォーカスを現在のタスクに当てずに、未来の自分をイメージして行動すれば決断できるようになるし、モチベーションに左右されることもなくなる。何より仕事が楽しくなる。

お金のため、上司のため、会社のために仕事をしてもつまらないのは当然。もっと言えば、お客様やクライアントのために仕事をするのも少し違う。そこから先の未来が頭にあるだろうか。具体的に想像できないまま「人の役に立ちたい」だけ考えれば、便利屋として足止めになるだけだ。あらゆる人間関係、恋愛でも同じ。

なりたい自分でなく、在りたい自分を知っておきたい。人生理念のようなものだ。すると、お客様やクライアントが喜ぶことで、どんな社会を作って、自分は何をしたいのかが自ずと見えてくるのではないかと思う。

長く働くのが偉いわけではない。残業して仕事を終わらせる状況は最悪であり、そうさせない仕組みを考えたい。仕事は作業ではなく、クリエイティブなほうへ時間を割きたい。作業であれば自分でなくとも出来る。誰でも出来る作業なら、早く終わらせて次へいくほうがいい。自分の時間の選択が、自分の人生になる。


ペンションの草取りから学んだ、仕事の流儀である。小さなこだわりを重ねて仕事をしていた自分は、草取りで言われた通りに一生懸命する姿と同じだった。

考えて行うと何でも学びとなって客観視でき、視野も広がる。言われた通りにできて喜ぶのは、言われた通りにやればいいと考える人だ。言われた通りにするだけで満たされたら、次第に人は思考をやめる。私は思考を奪われたくないので、クリエイティブであり続けようと思った。

#日記 #仕事 #流儀 #コラム #エッセイ #モチベーション #クリエイティブ

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