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初心者は誰でも「うつ」になる

本日は、「初心者は誰でもうつになる」というテーマでお話しします。


誰でもうつになるんですよ。
「初心者」はつけなくてもいいですね。誰でもうつになる。

うつ病は特別な状態ではなく、心身の疲労がたまったら、みんな変になります。
人間の心は脳なので、脳は臓器なので、臓器というのは弱るんです。
そりゃそうだよね。

お酒をいっぱい飲んだら誰だって肝臓を痛めます。
ご飯をいっぱい食べたら誰だって胃もたれするんです。
誰だってそうですよ、そんなのね。

いっぱい食べられる人だって、大食い選手の人だって、いっぱい食べたらその人なりに、その人の許容量を超えたら壊しますから。

普通にそうですね。臓器ですから、脳は。

だから誰でもうつになったり、調子悪くなったりしますよ、ということです。
特に初心者のときは、うつというか、潰れやすいんです。

それはその通りで、だから恥ずかしがらず迷惑かけてもいいし、かけられてもいい、かけてもいいし、かけられた方はフォローしなければいけない。

ただそれだけの話です。

◾️僕も一時期笑えなかった

僕自身の経験を話すと、顔の両方で笑えなくなったんです、精神科医になってからストレスが溜まりすぎて。

左側でこうやって笑っていたんです、一時期。

右側がどうしても笑顔ができなくて、こういう変な笑い方しかできなかったんです、一時期プレッシャーが酷すぎて。

テレビや映画、ドラマや小説が読めなかったんです、漫画も。

お笑いは見ることができたんだけれど、大学時代は早稲田松竹とかあって、映画を観に行ったりしてましたけど、精神科医になってからしばらくは、映画を観たり、小説を読んだり、漫画を読んだりすることができなかったです。

それは作者の気持ちを考えたりすると頭がパンクしそうになって、もう全然できなかった時期が数年続きました。

医者5~6年目まで本当に読めなかったんですね。そんな感じで、ジャンプの一部というか、「ワンピース」くらいしか読んでなかったですね。

あとは初めて病棟主治医になったときは、ストレスがひどすぎて寝られなくて、肩こりがひどくなりました。

最近も2年前かな、やはりYouTubeを始めて、外来主治医とかコロナのとき、10万人を超えたときはヘルニアになっていました、腰が痛くて。

整形外科に行っても治らなくて、あるとき「これってもしかしてメンタル疾患かな」と思って、メンタルだと思ってから軽くなってきたんですけど、ありましたね。

それはもう潰れてました、ストレスで。そういうのはありますよということです。
この業界はストレスが大きいですよ。

心の問題はやはり難しいんです。
誰も難しいと言ってくれないので、僕が言います。難しいです。
精神医学は難しいんですよ。臨床はめっちゃムズいですから。

話を聞けばいいんだよとか言うし、卒後教育が精神科医はまだましですよ、精神科医はまだましで色々教えてくれますけど上の先輩から。

でも看護師さん、福祉の現場、ボランティアの人たち、当事者会の人たち、いのちの電話の人たちもそうですが、卒後教育システムが完備されていないなと思います。

医者はわりと手厚いというか、あります。教えたがりの人も先輩も多いから。

お金をもらいながら勉強する環境というのはあるんですけれど、やはりなかなか現場の最前線の人たちはそういう機会がなかったりして、しかもこの難しいことをやらされているなと思います。

責任も大きいじゃないですか。時間もお金も人も不足してるので、本当に負担が大きいし、潰れちゃうだろうなと思います。

見て覚えろのカルチャーなので、異業界からしたら本当に異文化すぎるカルチャーだなという気がします。やはり一人前になるのは10年以上かかるなと思います。

僕は中学生ぐらいから本当にこういう分野が好きで、ある意味オタク、精神科医オタクなところからスタートしてますから。

そういう僕で、研修医のときには精神科の専門医試験も全部解いてました。
臨床心理士の過去問を5年か10年分ぐらい解いたりしているんですよ。
そういうオタクにも関わらず、やっぱりキツいんです。

10年以上かかるので、余裕で。そういうものだと思ってください。
だから気持ちひとつでできるものではないし、寄り添おうと思うと潰れちゃうし、遠すぎると批判されるし、本当に苦しい、難しいんだよね。

そういうものなんですよね。

だから治療者の中で潰れちゃう人は迷惑をかけてもいいんですよ。

いいと言うとアレですけど。

自助会でもよく思いますが、迷惑かけられても別に、ああそうだな、としか思わないですね。

思わないというか、疲れているんだな、と思ったりしますね。

自分が初心者のときのことも覚えているので、変だったり、怒っちゃったり、奥さんに対して冷たかったときとか色々自分もあるのがわかりますから、周りにそういう人がいても、助けてあげないとな、という風に思います。

◾️色々な「初心者」のタイミング

初心者のときというのは色々なタイミングがありますよ。

僕だったら初めて医師になったとき、研修医になったとき、初めて外来主治医になったとき、初めて病棟主治医になったとき、初めて当直をしたとき、色々な初めてがあるわけです。

YouTuberになったとき、YouTubeで10万人を超えたときとかありますよ。

開業医になったとき、院長になったとき、そういう一回一回でまた初心者に戻って、ストレスを感じて、でもそれを乗り越えて、また慣れてきたら新しいことにチャレンジして、初心者に戻って、またストレスを感じる、と。

こういう時々の初心というのがあって、最初のときには人に迷惑かけることもあるんだけれど、みんなで助け合うということです。

そういう風にチーム体制を作るのが大事だなという風に僕は思っていますし、そういうつもりで後輩を見るし、先輩のリーダーがちょっと調子悪いとき、そういう風に思ってます。

誰でも調子悪くなるということです。

僕の場合は顔がひきつる、変な人になる、うつっぽくなる、身体に出てくるということがあります。

身体に出るんです。腰が痛かったときもありますし。お酒の量が増えてアルコール依存症っぽくなったから断酒したり。そういうものですね。

◾️チーム制が大事

患者さんはどうなのかというと、やはりそうすると、患者さんとしては初心者を患者に付けるのか、じゃあ10年かかるのに、10年経っていない人たちをカウンセラーにするのか、と色々批判はあるのかなと思います。

でも現場に立たないと一人前にもなれないし、じゃあ自分は実験台なのかと色々な葛藤があるかなと思います。

そういうことを言うともう薄々気付いてると思いますけど、治療者ごとにレベル差があるということも、やはりそこからわかります。

でもだからこそ僕は、これはもう薄々気付かれてますけど、そういうのもあると。

だから医師全部が悪いということもないし、心理士全部が頼りないということもないわけです。人によってレベル差があるので。

でもだからこそこのチーム制が大事だなと思います。

チーム制及び透明化が大事だと思っていて、だからこそフォローして均一な品質を保つ、そして弱みをしっかり見せる、ある部分においては弱みをしっかり見せる、説明責任を果たすこともとても重要だと僕は思っていますし、そういう時代になってるんだろうなという風にいつも思っています。

あともうちょっと思うのは、じゃあ実力があってベテランだから本当に良い治療をするのかというと、そうでもないのがこの業界なんですよ、メンタルに関して言うと。

やはり知識がないけれどその分情熱があるとか、熱心に話を聞く、好奇心が強い、同じ関係性の中にある、家族だったなど、プロの技術を容易に超えることがいっぱいあるんです。

それは本当に僕らの世界はアートや芸術、お笑いの世界と似ているんですよ。

技術があった方がいいんだけれど、でも技術を超える何かが時として起きるというのも、この精神科の治療というか、相性も含めてあります。

でもそうは言っても実力が大事だというのはお笑いとかと似ていると個人的には思っていますけど。

◾️本日の宿題

今回の宿題は、自分が初心者だったときの苦労、周りに初心者がいる、それはリーダー初心者の人もいれば、本当の初心者もいるし、同僚初心者の人もいると思うし、色々なそういう人がいたときに、どういう風に自分がフォローしているのか、リーダーじゃないけれどどうフォローしているのか、リーダーとしてどうフォローしているのか、フォローした体験も書いてもらえたらなと思います。

あとは迷惑をかけてもOKとか、かけられてもOKだよ、どういう風に声を掛たら心を開いてくれるのかなとか、そういう工夫とかも教えてもらうと面白いかなと思います。

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