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自己愛と妬み 妬みの話は臨床で大事?

益田:ナルシシズム、自己愛だよね、自己愛性パーソナリティとかの。
自己愛の問題は疲れるな、みたいな。

リョーハム:ナルシスト。
益田:ナルシシズムというか。そう、わかるの?ハムちゃん。

リョーハム:漫画の勝手なイメージですけど、なんかこうやってる…
益田:そうそうそうそう。外見に対するナルシシズムだよね、そういうのは。

リョーハム:はい。
益田:こういうのは何て言うんだろうね。
結構難しいんだよね、ナルシシズムって。

子どものときに、例えば貧乏、愛情不足、そういうものとか言うとちょっと語弊がありそうだけど、屈折、そういうものがあると「ナニクソッ!」みたいな形で自己の防衛が強まるときがあるよね、自分はこんなはずないのに、みたいな形で。
結構難しいんだよね、ナルシシズムと妬みとかも含めて。
自己愛が強いが故に妬みが出てしまう、そういう話でもあるんだけど、うん。
わかりますかね?

リョーハム:わかります。
益田:ナルシシズムがあるが故に変化を嫌う、そういうこともあって、このナルシシズムは本当に難しいなとか思って…

リョーハム:変化を嫌うというのはどういうことですか?
益田:自己愛が強いと自分を変えたくないんじゃない、今の自分を。

リョーハム:自分を変えたくないっていうヤツね。
益田:そうそうそう。変化を嫌うというか、そういうのはあるよね。
ただそれだけって言えばそれだけなんだけど。結構難しいんだよね、ここら辺も。あんまり興味ない?興味なさそう。

リョーハム:ナルシシズムとナルシストってどう違うんですか?
益田:ナルシストはナルシシズムのある人がナルシストだね。
この自己愛の病理はちょっともややこしいと言えばややこしいんだよね。
自己中心性とか。

リョーハム:子どものとき貧困だったら、大人になってから貧困という自分を受け入れたくないから、それがすごい原動力になってすごい力を発揮したりとかするときもあるんですかね。

益田:もちろんね、そういうのもあるけどね。そういう「ナニクソ」みたいなものが良く作用することもあれば悪く作用することもあるよね。まとまってないけど。
リョーハムは妬まれることが多い?
リョーハム:あくまで僕目線なんですけど、妬まれることが多いような気がして。

益田:何か言ってたね。うん多くないんだけどね。
リョーハム:それは何で多くないって言えるんですか?

益田:いやまず妬まないでしょ?そもそも。
リョーハム:そうですね。あんまり人を嫉んだりとかは…

益田:いやいやじゃなくて、妬まれないでしょ、そもそも。
ハムちゃんのこと羨ましいと思われないじゃない?そんなに。

リョーハム:発達障害当事者だし、ハムスターの格好してるし…
益田:そうそう。お金持ちでもないしとか。
そうそうそうそう。だから別に嫉まれる対象ではまずそんなにないんだと思うんだけど。

リョーハム:僕があんまり妬んだりとかしないから何かその…
益田:そうだね。たまに遭遇するとびっくりしちゃうとかね。

リョーハム:それで結構僕は妬まれるんだって…

益田:嫉まれるんだと思うんでしょ?
でも、我々は羊の群れみたいな感じだから、定形の世界は。
そういう世界は、誰々がどうだとか互いに見合ってるよね。1日に200回くらい、200回とか適当な数だけど、何百回と嫉妬したり嫉妬されたりを繰り返している気がするけど。

リョーハム:ここが僕には全然ないですね。ピンと来ないというか。
益田:そうなんだよね。こういう羊の群れで暮らしたことがあんまりないからね。
だから森の外で…

リョーハム:確かにそうですね。群れに入ろうとこうあんまり…
益田:そうだね。

リョーハム:しないというか。不安なときはちょっと入りたいな、と。
益田入らないとと思う人もいるけど、焦ってしまう人もいるけど、別に入らなくてもいいとかね。

リョーハム:世の中の人、多数の人はこの群れの中で暮らしてて、互いに影響し合っているというか、ある意味、言葉はアレだけれども、妬み合ってるとも言える、ということですか?

益田:羊の群れの中でも階級があるからね。リーダーのニワトリというか。
リョーハム:猿みたいですね。

益田:まあ人間と猿って一緒だからね、ほとんど。99%一緒だから。
ナルシシズムとか妬みとか自己愛の問題というのを、治療の中に組み込めていないなと思って、自分なりに。ここが僕の苦手なところだなと思って…

リョーハム:ドクターは、結構ナルシストなんですか?
こんなこと訊くのもアレですけど。

益田:ナルシストと見られがちだよね。あんまり実は僕はないんだよね。
リョーハム:ドクターもない方ということですか。

益田:僕もないんだよね、結構。
リョーハム:なかったらやはりこれ考えるのは難しいですね。
益田:うんそう。そうなんだよね。いや、あるんだけど、僕もハムちゃん側というか、森の外側の人間というか。

リョーハム:でも一方で、僕に対して妬む人はあんまりいないと思うんですが、ドクターは妬まれる対象ではあると思うんです。頭もいいし。

益田:そうだね
リョーハム:医者だし。
益田:医者だからということでね。そこは今組み込まないといけないなと思うので、それがすごく苦しくなってしまっているということはあるね。そうそう。でもね僕はないんだよね、実は。そこら辺がちょっと発達っぽいんだよね、実は。

別に本当にいつ死んでもいいと思っているから、内的な空洞性というか、空洞でもないんだけど、ちょっとどうでもいいと思っているというか、自分のことを。

そういう破壊された自我というか、そこがあるんだよね。
うん。だからちょっと違うんだよね。

でもかといって別に世の中に復讐したいとか、そういう思いはなくて、自分の人生は生きたいなとは思う。

自分の人生というか、与えられた使命は全うしたいなとは思うけど、そこら辺はちょっと兵隊っぽいというか、ちょっとASDっぽいんだけどね。

リョーハム:うんうんうんうん。

益田:意外とないよ。歯車になりたいという願望があるんだけど、それはちょっとナルシシズムと違う感じではあるよね。️妬みの話は臨床上重要

益田:でもこの問題は、妬みとかそういう話は、やはり臨床上すごく重要というか、だけど語られていないというか。あんまり。

リョーハム:確かに全部妬み、言葉を換えると皆で妬み合っているとさっき言ったんですけど、全部妬みに集約しちゃうと過度なのかなとか思っちゃったりもするが。

益田:言葉として「妬み」という言葉が強すぎるというか。
リョーハム:そうですね。

益田:「真似る」とか。他者性に対する、他者への関心なんだよね。他者への関心、その集団の中での自分の立ち位置、そういうことなんだけど、これがなかなか説明するのが難しいんだよね。

リョーハム:全体で見るとということですか?
益田:全体と見たら簡単なんだけどね。

ピラミッド構造の中のここにいる人がこことここが戦ってて、AとBが戦っていて、下のランクの人から突き上げを食らってて、上のランキングの人からなめられてる、ただこれだけなんだけど。だから全体から見たら単純なんだけれど…

リョーハム:病院に来る人はここですからね。見えづらいというか。

益田:そうそう。本人から見るとちょっと見えにくいというか、落としどころをどういう形に。これがポジティブな方に向く時もあれば、時として反転すると黒くなってしまうとか。

愛情でもあるわけよ、上の人が下の人に心配してるということでもあるし、愛情でもあるんだけど、そこを乗り越えようとしてくる、自分の地位を脅かそうとすると、妬みとか嫉妬に変わる。

父親が息子を育てるんだけど、ある瞬間息子が父親を追い抜こうとした瞬間、なんかすごく気持ちが黒くなって潰したくなってしまう。

リョーハム:猿もそうですよね。育ったけど、群れから追い出されるとか。

益田:そうそうそうそう。
リョーハム:ありますよね。

益田:そういうものだよね。だから群れ全体で見ていくんだけど、ナルシシズムの問題とかがあって、結構ややこしいんだよね。僕とかハムちゃんは、これが苦しいからすぐ出ちゃう方なんだよね。

出たい派。居たくない派。そういう意味ではわからないんだけど。でもナルシシズムはややこしくて、森の外では満たされないんだよね、ナルシシズム。

ある種妬まれることで満たされるというか。わかる?

リョーハム:う~んまあまあ。
益田:妬んでいる人というのは妬む。嫉む相手を好きになるわけよ。嫉んでいるから。だから妬まれないと解消されないんだよね。ここがややこしいよね。
森の外へ行って成功したからといって、その妬みは解消されないんだよね。

リョーハム:僕からすると、世の中の人ってこんなに妬み合ってるんだなというのがカルチャーショックというか。僕は妬まないんで。

益田:そうなんだよね。他人に関心がないからね。

益田:精神科の患者さんはよく妬んで書くんですけど、案外実はその人は、僕目線なんですが、その人も他の人もあまり妬む人じゃなくて、でもなんか妬まれる、これが理解できない感じもあるのかなと。

益田:そうなんだよね。

リョーハム:思いましたね。

益田:そうなんだよね。ここが僕も苦手なんだよね、本当に。何て言うんだろう。出ちゃえばいいじゃん、と思ってしまうんだけど、出ることは好きじゃないんだよね。あくまでその中でちゃんとやりたいというか。
リョーハム:何かこう頑張って見せ掛けでも羊になって中に入っていくんですよね。これはきついんですよね。

益田:なってていくというか。そういう人はあんまり入らなくていいんじゃないかと思うけど、この中に居たい人だよね。で外に出ると満たされないんだよね、こういう人って結局。妬まれるからいいんだよね。

リョーハム:うん。
益田:だからよく思うよ。僕も自衛隊を辞めているじゃない?だから僕の中ではそんな苦しいんだったら、すぐ辞めて外に出ても別に食っていけるじゃんって思うわけよ。

でもそうじゃないんだよね。外に出ていっぱいお金をもらえるかもしれない。
そうじゃないんだよね。

中に居る人にとっては、ここでのものよりも中で評価されるとか勲章が欲しいんだよね。この中なんだよ。外に出てからも中の人に嫉妬されたいというのがあるわけよね。

そこは僕もわからなくもないんだけれど、逆に僕はもう森の外に出ちゃっているから、逆にここの中での嫉妬というのはあるんだけど、今の中では例えば別に開業医仲間で誰よりもお金持ちになりたいとか、そういうのは全くないし、YouTubeも別にYouTubeの中でトップを取りたいとか、そんなのないわけじゃない。

うん、それはそうなんだけどね。この感じは難しいんだよね。外の世界も知ればいいよ、ということなんだけれど、外の世界を知れば別にこの羊の中だけじゃないから楽だよね。

また別の外の世界もあるんだよね、複数のアイデンティティーがあるんだよね、ということを理解すれば、じゃあ解消されるのかというと、そういうわけじゃなくて、やはりこう中で満たされなかった罪悪感、悔しさというのは一生残り続けるというか。

でもそういう寂しさも含めて人生の楽しみだったりするんだけどね。

自分が子どもの時に満たされなかった思いというのが常に心の中にあって、それがずっとバネになることもあれば、友達であることもあるし、生きる面白さではあるけどね、ずっと満たされない感じが1個残ってるという意味でもね。

それを否定するとやはりナルシズムという感じはしちゃうよね。
その寂しさを認めないというか。それを否定して、やはり自分はすごいんだという形になって、万能感を持ってそれを打ち消そうとするとナルシシズムだなという感じもしなくもないというか。

でも何かそういうことなんだよね。

治療において、本人の挫折感、失敗感、うまくいかない感じというのが、それがただただ妬みの対象、妬みとして反転されて加工されてしまって、その妬みの対象が医師になってしまうという問題、益田裕介になってしまうという問題を考えてるということなんだろうね。

でもこの妬みがあるが故に認知が広がっていかない感じというのはすごく難しいよね。しかも僕のことを慕ってくれればくれるほど、最初に益田に関心があればあるほど、それは妬みとなるわけじゃない?陽性転移が陰性転移に変わるから。

リョーハム:これを、例えばじゃあ怒っている患者さんがいたとして、何であなたは怒っているんですか、言語化してください、と言うともっと怒ってしまうという感じですか。

益田:もっと怒ってしまうんじゃない?

だけど、やはり妬みというものをもう一回臨床上において、これから妬むこともあるでしょうということを言う方がいいんだろうね。

でもすごく難しいことになると思う。これを本当に臨床に取り込むというのは。

リョーハム:そうですね。あんまり妬まないと思いますからね。

益田:まあそれだといいんだけど、妬んでいることに気付くというのはすごく残酷だよね。キツくない?キツくないというか、ハムちゃんは妬まないからね。

リョーハム:別に他の気持ちで代用できるんで。
まあまあキツいと言えばキツいです。

益田:妬みって大きいからね。根源的だし、ずるいとか、悔しいとか。
でもそれがパワーでもある訳じゃない?ムズいよね、この話は。

リョーハム:群れで生きていく上でキーになる能力なんでしょうね。
益田:うん、そことうまく付き合うとかがね。いやそう思うわ。
群れの中で相手の妬みの気持ちをわかりつつ、うまくコントロールしていく…

リョーハム:この妬みがないとフックがなさすぎるのかも知れないですが。
益田:いや、結構思うわ。SNSの中では妬みをうまく利用してることが多いよね。

そういうことで、悔しいから自分たちでまとまろうみたいな、父親殺しじゃないけれど、兄弟が結託して父親を殺すわけじゃない、神話とか。

父親に妬みがあるから、結託して父親殺しを果たすと混乱が訪れると。
SNSで起きていることってこういうのもあるじゃない。

リョーハム:うんうん。
益田:炎上とかもね。嫉む対象じゃない場合は、いじめてやりたいなぐらいあるかもしれないけど。扇動する側も、あいつ嫌な奴だよね、と言うのが得意な人が結構いるよね。

リョーハム:確かに。
益田:あんなエリートにはワシらの気持ちわからへんわ、みたいなこと言ってね。
リョーハム:結構昔と言えば昔だけど。確かに。

益田:そういうこと言う人いるじゃない?バラエティとかでもさ。
あんなお偉いさんには気持ちはわからへんやろ、と。それも妬みをうまく使った、うまくコントロールした大衆扇動というかになるんだろうけど。

まあまあ。はい。何かそこら辺の話をしました。
はい。じゃあ何か宿題とかありますか今回の課題。

リョーハム:僕ですか。
益田:うん。
リョーハム:難しいですね。

益田:こういうのがないというのが発達障害の強みでもあるよね。
リョーハム:無くはないですが。

益田:純度100%のASDとかないよね。
リョーハム:それはわからないけれど、この図は、嫉み合っているというのは、カルチャーショックを受けるというか。あ~なるほど、みたいな。

益田:うん、そうなんだろうね。カルチャーをね。うん、そんな感じでした。

リョーハム:はい。
益田:ああそうか宿題か!じゃあ何かこういう実例を聞きますか。

リョーハム:ネタに書いてもらうみたいな。
益田:ベタですけど、そういうノリで書いてください。じゃあまた。

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