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宇多田ヒカルのULTRA BLUE

留学から帰ってきた23歳?くらいの時に留学あるあるのボディ肥大化現象に見舞われたことがありまして、当時は自己肯定感などというワードは世の中に浸透しておらず当然わたくしも知らなかったわけですが、私のアゴ二重すぎぃ!?という感じで日々鏡を見てはマジでシクシクと泣いておりまして、こりゃいくらなんでもどうかしてんぞ、ここらでいっちょ綺麗にならなくてはいくらなんでもブスすぎる…と思い詰めたわたくし、普段は相談事など持ちかけぬ母親に対して意を決して打ち明け話をしたわけであります。

ブスすぎる。デブすぎる。つらい。ブスと言われたこともある。

他にはなんと言ったか今となっては覚えちゃいないわけですが、そんなわたくしに対して平素は見ぬような真剣な眼差しで、綺麗になりたいならば何をしてもよい、と母親は断言してくれたのでありました。

そこからのわたくしは自分なりにではありますが美のために奔走し、やれお化粧のことがわからなさすぎるからとデパートの美容部員さんの手ほどきを受け、やれ服のことがわからなさすぎるからとウィンドーショッピングを重ねて目を養い、やれデブすぎるからとジムに通い、ガラス窓越しに夜景を眺めながらひたすらランニングマシンの上で脚を前へ前へと踏み出していたのでありました。

そんなランニングマシンの上で何度も繰り返し聴いていたのが宇多田ヒカルのアルバム、ULTRA BLUE。都会的なそのサウンドは美しくなるために奔走する私の心の伴奏曲としてすっと沁み込んできたのでありました。

そういうわけで、宇多田ヒカルのULTRA BLUEを聴くと今でもあの時の気持ちや窓ガラス越しの夜景、ランニングマシンの回転する様を思い出してしまうのです。

ちなみにジム、お化粧、衣類の三本修行は一定の成果を見せ、無事に「綺麗になったね」と言ってもらえるようになったのでありました。

めでたしめでたし!!



HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞