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水泳のパーソナルトレーニングを受けて気付いた7つのこと

今年、水泳のパーソナルトレーニングを初めて受けて、今日までに5回受けた。そこで気付いたことがあるので、つらつらと書いてみる。

水泳のパーソナルトレーニングを受けてみようなんて思う人はかなり少ないかもしれないが、少しでも誰かの参考になったら嬉しい。


きっかけはタイムの伸び悩み

水泳のパーソナルトレーニングを受けようと思ったきっかけは、タイムの伸び悩み。

2016年からマスターズ水泳大会に参加するようになり、最近は年に6回ほど大会に出場している。レベルとしては、年齢区分の中でビリ争いするレベル。

この2年間は特に力を入れて、色々なスイマーのYoutubeを見て、色々なフォームを試してきた。僕が高校生の頃(20年以上前)はYoutubeなんてなかったから、こんなに有益な情報を発信してくださる方々がいることに感謝しかない。

そこには自分の知らない情報が多々あり、「多くの初心者がやりがちなのがこういう風に〜」みたいなくだりは、だいたい僕に当てはまった。

Youtubeを見て、自分としてはフォームを改善しているつもり。なのに、タイムが伸びない。高校生の頃の自己ベストを更新できそうなのに更新できず、むしろジリジリと遅くなっていく。

あまりにタイムが伸びないことに嫌気が差した大会の帰りの電車の中で水泳のパーソナルトレーニングを申し込み、、、しようと思ったが、価格に少々ビビり、数日おいてから申し込んだ。

水泳のパーソナルトレーニングを受けて気付いたこと

自由形(クロール)のパーソナルトレーニングを5回受けたが、すべて同じトレーナーさんだ。つまり、ひとりのパーソナルトレーナーさんのトレーニングしか受けたことがない。

ここから先、「パーソナルトレーナーさん」と書いたときは、僕がお世話になっているトレーナーさんの場合であり、すべてのトレーナーさんに当てはまるわけではないとかもしれない。

また、水泳のパーソナルトレーニングには大きく2種類ある。動画撮影があるものとないものだ。僕は動画撮影してもらえるパーソナルトレーニングを受けているので、ここから先はその前提を頭において欲しい。

これは余談だが、水中映像の撮影が許可されるプールは本当に少ない。おそらく、他のお客さんが映るとか、水着姿が映るとか、そういった理由ではないかと思うが、このあたり緩和されると、スイマーとしてはすごい嬉しい。
(あんまりそのあたりの事情が分かっていないので、全然違っていたらごめんなさい)

❶ 練習メニューをこなすだけでは上達しない

パーソナルトレーニングは初回から目から鱗だった。他人にフォームを見てもらって教えてもらうのが高校生のとき以来だったし、プロのコーチに教わった経験は今まで一度もなかったので、こんなにも効果的なのかと思った。

普段、友人の水泳チームに混ぜてもらって練習しているが、練習メニューをただこなすだけでは上達しない。そんな当たり前のことに気付いた。

もちろん、泳ぐことによって筋力や体力がついて多少タイムが速くなることはある。ひとりで泳いでも自分を追い込めず、鼓舞してくれる仲間がいるからこそ、自分の肉体を限界まで追い込めているので、仲間には本当に感謝している。

ただ、夏休みは1カ月で140時間ほど泳いでいた高校生の頃を、週1で1時間しか泳いでいない今の僕が超えるには、抜本的にフォームを改善する必要がある。(もっと練習しろよというツッコミは無しで。。)

❷ 自分にとって最適なフォームと改善順序が分かるのが嬉しい

水泳にはいくつかの流派がある。自由形(クロール)で言えば、入水は人差し指からなのか、中指からなのかとか。ストロークはS字なのかI字なのかとか。リカバリーはストレートアームなのかハイエルボーなのかとか。

それぞれ特徴があるものの、最終的には筋力や柔軟性であったり、泳力によって、正解が変わることがある。今の僕がオリンピック選手のフォームを真似しようとしてもできない。

結局、今の僕にとってどういうフォームを目指せば良くて、そのフォームを目指すために何から改善していくのが良いんだろう。色々なYoutubeを見ながらそんなことを思っていた。

そんな疑問を、パーソナルトレーナーさんが吹き飛ばしてくれるのが助かる。30年近い水泳人生の中で染み付いた癖はなかなか取れず、まだ目指しているフォームにはたどり着けていないが、必ず改善してると思えることが嬉しい。

レースのとき、一番つらいのはすがるものがないこと。色々なフォームがある中で、今の僕はどれを選択すれば良いのだろうか。それが分からないまま臨むレースは本当につらい。

すがるものがあるのは、本当にありがたい。

❸ 水中映像による現状確認は効果絶大

フォームを改善するにはまず現状確認が必要だが、自分のフォームを確認する術がなかなか無い。

大会のときに撮影してもらっても、それは水の上に出ている部分だけ。「前回よりも下半身が浮いてるかな」程度のことは分かるが、それ以上は難しい。観客席からの撮影なので、画像が荒くなりがちというのもある。

水中映像を撮影してもらうと、現状が一目瞭然。

「え、こんなに身体くねくねしてるし、お尻ふりふりしてるの?」って感じでびっくり。こりゃ速く泳げないわけだ。と同時に、改善ポイントが多々あることに安心。伸びしろだらけだわ。

❹ 僕は間違い探しが苦手

水中映像で自分のフォームを確認して、なんとなくおかしいのは分かる。でも具体的にどこが上手い人と違うのだろうか。

その比較が苦手なことに気付いた。左右に並べても分からない。もはや全然違う気もするし、だいたい合ってる気もする。

昔やっていたテレビ番組「マジカル頭脳パワー」に出てくるような、左右(上下だっけ?)同じページで流れる映像の間違い探しであれば、まだ頑張れる。

水泳の場合、ペースが異なる2つの映像から、違いを見つけ出す必要がある。模範的な泳ぎの映像と僕の映像とでは、ストロークのテンポが違う。異なるテンポの映像を見て、どこが違うのかを探すのが苦手なことに気付いた。

パーソナルトレーナーさんは、改善ポイントを見つけるのが速い。それが仕事だと言えばそれまでなのだが、僕から見たらかなり特殊技能だと思う。

❺ 頭でイメージした通りに身体が動かせない

改善ポイントは分かった。じゃあその通りに身体を動かしてみようと思っても、僕の身体はそうは動かない。

僕は武井壮さんが好きで、ちょくちょくYoutubeを見る。彼は子供の頃から、思った通りに身体を動かす訓練をしてきたそう。それがスポーツ上達のポイントだと。

僕はそれが苦手。たとえば、目をつぶった状態で地面に立って、バンザイのように両腕を地面に垂直に上げる。でも、目を開けると、左腕が垂直ではなく、やや外側へ開きがち。

陸の上でもそんなだから、水中ではもっと難しい。水に浮いている状態では、地面や壁に接していないから踏ん張れず、思った通りに身体を動かすのが大変だ。

「下半身が沈んでる」と言われて、水中で下半身の位置を高く上げることが簡単にできたら、誰も苦労しないと思う。それができないから遅いのだ。

そして、思った通りに身体が動いているのかは、そのときは分からず、撮影された映像を見ないと分からない。プールの中に鏡が欲しい。

要するに、水泳ってPDCAのサイクルを回しづらいのだ。だから上達に時間がかかる。僕が身をおいている環境の場合の話だが。

自分がどう泳いでいるのか認識して、どうフォームを変えれば良いのかが分かって、その通りフォームが実際に変わったのか確認できて、変わっていないのならどうすれば良いのか考える。

このサイクルができたら上達が速いことに、パーソナルトレーニングに通い始めて気付いた。

❻ 形を作るのではなく、結果その形になる

さらに難しいのは、フォームを真似れば良いわけではないということ。

これはもしかしたら誤っているかもしれないが、上手い人は形を作ろうとしているというより、イメージが先行して、結果的にその形になっている気がする。

たとえば、体重を前に移動させようとイメージすることで、結果的に顔が真下(プールの底)に向いたり、水面に突き刺さるような入水になったり。
(間違ってたらごめんなさい)

形だけ真似ても体重は前に行かなくて、体重を前に持っていくにはどういうイメージで泳ぐのが良いのか、みたいなことが必要になって、それが実現できてるかどうかが大事。

自分ひとりでは到底答え合わせはできず、パーソナルトレーナーさんがいないと無理だと感じた。

Youtubeを見て、自分が今どういうフォームで泳げているか分かっていないにも関わらずフォームを変えた部分について、パーソナルトレーナーさんのアドバイスを元に戻した部分がいくつかある。

表面的に形を真似ようとしても、イメージが伴わないと意味がないことに気付いた。形を真似ることもできてはいなかったが。

❼ パーソナルトレーニングは「精神と時の部屋」

ドラゴンボールでおなじみの「精神と時の部屋」。1日で1年分の修行ができるという。僕にとっては、まさにそんな感じ。

ひとりでYoutubeを見ながら、フォームを変えてみて、実際にその通りできてるかも分からないまま練習を続けて、、、ってやってきた結果、全くタイムが伸びていない。

それが、パーソナルトレーニングの限られた時間で一気に解決するわけなので、僕は1回のトレーニングで数年分の価値を感じている。

最初、パーソナルトレーニングって価格が高いなって思ったけど、パーソナルトレーナーさんの長年の経験や勉強を元にした凝縮したトレーニングが受けられるのなら、むしろ安いと思う。

独学で泳いでいたら何十年かかって改善されるか分からないし、何十年後かに改善されているかも分からない。その頃には、僕が泳げる身体を保っている保証もない。

時短の意味だけでなく、フォームを改善するのなら、早いうちが良いと思った。正しいかどうかも分からないフォームで、何年も試行錯誤しながら練習を続けるよりも、先にフォームを正しくした上で練習を続けたほうが効率的だ。

特に僕は、子供の頃にスイミングスクールには通っていたものの、選手コースではなかったし、基本的なことができていない。そんな僕にとって、パーソナルトレーニングは効果絶大だ。

まだ道半ばではあるが、パーソナルトレーニングへ通う直前と、通い始めた後では、短水路50m自由形で1秒近くタイムが伸びた。(元が遅かったせいもあるが)

おわりに

水泳のパーソナルトレーニングって、速い人がより速くなるためのものだと思っていて、ちょっと壁を感じていた。けど、実際に行ってみて、むしろ初心者にこそおすすめなのかなと思った。

下手なまま歳を重ねてからスイミングスクール行くのは、他人の目が気になって恥ずかしいけど、パーソナルだとそれがない。自分の下手なフォームをさらけ出せる。

ちゃんと自分のことを見てくれて、的確にアドバイスしてもらえる。価格は高いけど、いつまでも通うわけじゃなくて、ある程度上達したら、行くのをやめれば良いのだ。

やっぱりタイムが伸びると楽しいし、大会に出続ける以上はタイムを伸ばしたい。

結果として、先日行われた世界マスターズ水泳2023福岡では、長水路での自己ベストを出すことができた。(短水路だったとてもベスト出たと思う)
パーソナルトレーナーさんには本当に感謝してる。


最後までお読みいただきありがとうございました。


だれも興味ないかもしれませんが、「遅いのになんでまだ水泳続けてるの?」という疑問をお持ちの方は以下をご覧ください。


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