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コンテクストデザイン

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コンテクストとデザインについて考えています。まだ途中ですが、これはその断片です。
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露出過多と「意味のイノベーション」

露出過多と「意味のイノベーション」

イノベーションに求められることは、人が見いだす価値の「意味」を変革することだ。いま、ろうそくは光源ではなくむしろ「暗源」となり、電球よりも暗闇のある時間をつくっているように──。ロベルト・ヴェルガンティ教授の「意味のイノベーション」はTakramでのものづくりと共鳴する部分がある。特に一冊だけの本屋「森岡書店」や花と手紙のギフト「FLORIOGRAPHY」など。

2018年前半は、TakramC

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Message Soap, in time ― いつ届くかわからない手紙

Message Soap, in time ― いつ届くかわからない手紙

これはいつ届くか、ほんとうに届くかも分からない手紙だ。いたずらや賭けにも近い。曖昧で、投瓶通信のように頼りないメッセージだからこそ、ちょっと思い切った気持ちで本音を伝えられるのかもしれない。

蝋で閉じられた封筒型の箱を差し出す。開くと、一見普通のフェイス&ボディソープが入っている。泡立ちがいいから毎日使ってと手渡す。

受け手はひと月ほど経ったある夜、角が丸く溶けた石けんのなかから、うっすら

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強い文脈、弱い文脈

強い文脈、弱い文脈

ハムレットに登場する有名な台詞 "To be or not to be, that is the question.” は時代によって色々の訳され方をしている。

「世に在る、在らぬ、それが疑問じゃ」としたのは坪内逍遥、1909年。

「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」は小田島雄志の訳で、1972年。

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」これは2003年の河合祥一郎訳。

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