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マルチリンガルの言語習得レベルについて

複数の外国語を操れる場合、各言語ごとに得意な環境(occation)というのがある。

個人的な感覚として、母語以外の複数言語が上級者になってくると、それぞれどちらが得意か、という質問に容易に答えるのは難しい。
もちろん、第三言語の学習初期段階では、第二言語(多くは英語か)の方がスムーズに話せるであろうが、第三言語がスムーズに話せるレベルとなれば、状況によって使いやすい言語は違うのではないだろうか。

一般的にいうと、ビジネスの交渉や学会など、抽象度の高い環境においては、英語が最も操りやすい言語になる。
英語を主として仕事をしている場合だと、特定のトピックであれば「日本語でなんと言えば、なんと翻訳すればいいかわからない」といった事態がある。

その一方で、人との雑談やカジュアルな場合であれば、このような母語との逆転現象は起きない。
というのも、ものを描写する際に使う、形容詞やオノマトペには、幼少期から蓄積してきたネイティブの知識と愕然の差がある。
範囲が広すぎて、ネイティブレベルには到達できないであろうな、というあきらめの気持ちが生まれるのは、こういった日常会話でこそ、さらに強く感じるのだ。

ネイティブスピーカーは、外国人相手に会話する時には、できるだけ簡単で分かりやすい語彙や表現を用いる。
だから、中級学習者は、日常会話に大きな自信を持つことができるのだが、上級学習者に到達した頃に、また日常会話の難しさにぶつかるのである。
彼らネイティブ同士が話す会話がわからない、ということに挫折する。

私は、自分の外国語学習を完璧にネイティブレベルに到達することを目標とはしていないので、そこに大きなフラストレーションを感じることはない。
外国人であるという前提で持って話してくれて全然良い。

特に、英語に限っては西洋文化への関心があまりないので、細かな英国のイディオムなど恥ずかしながら覚える気になれない。
第一英語を使う場面は、ビジネスで非母語話者と使うことが多く、周りくどい表現でミスコミュニケーションを産むよりも、よりシンプルに効率よく、が鉄則である。
だから、どういう組み立てで英語を話すか、という、より実用的なところにフォーカスしている。

一方で、中国語はちょっと話が違うような気もする。中華世界の人と近づきたい、中華文化に触れたいという思いが強く、もっと生活に根ざした成語や語彙を学ばなければならないと感じている。(そんなに伸びている感覚はないが。。)

もう一つの韓国語は、まだ初心者ゾーンである。今の目標はあくまで円滑にコミュニケーションが取れることであるので、あまり気負わずに楽しく習得することに重きがある。

このような感じで、複数言語を学習している場合、「言語学習」という大きな範疇ではなくて、それぞれの学習言語ごとに目的や目標があって当然だし、それが別の言語にチャレンジする面白みを増してくれる、と思っている。

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