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築地本願寺参り

ー2021年の彼岸

彼岸は祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶ期間だ。春と秋に一回ずつあり、それぞれ春分、秋分の日を中日に、前後3日間を彼岸という。大人になって以降、これまでおはぎを食べること以外は、彼岸らしい彼岸を過ごして来なかったが、2021年の秋の彼岸は、両親を誘い、父親方の祖母の遺骨を納めている築地本願寺(東京都中央区)に足を運んだ。まるで見えない誰かに導かれるように、そうしていたから実に不思議だ。

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祖母の思い出

祖母の思い出。よく覚えいることは二つ。生前、父の実家に帰省すると、「これで牛乳を買って、たくさん飲んで大きくなるんだよ」と言って、必ず一万円くれた。幼かった自分でも過ぎた額であることは分かったが、それはそれ。その後の買い物の算段をしたものだ。

それから、もう一つ。母のことをとても気に入っていて「綺麗だ綺麗だ」と連呼していたことだ。母は覚えているかは知らないが、少なくとも褒められて悪い気はしなかったに違いない。晩年まで働いていたキャリアウーマンの元祖のような人で、とても快活な女性だった。

亡くなってから十年以上が過ぎる。折に触れ、偲ぶことはあったが、自ら率先して彼岸に合わせて何かするということはなかった。奥さんの実家はそうしたところはしっかりしていて、それに影響されたかもしれないが、重い腰を上げる理由としては薄く、自分でもよく分かっていない。

古代インド様式

築地本願寺_正門

彼岸を別に、築地本願寺はちょっと遠目の散歩ついでに立ち寄るところとして良い。高層ビルが立ち並ぶ東京都内の一角にある古代インド様式をモチーフとしたこの寺(伊東忠太設計)は、そこだけ異彩を放っている。家族揃って訪れたこのときは、まるで家族旅行しているようで楽しかった。

後日、築地本願寺について、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの仲田敦彦が絶賛していることをユーチューブ(YouTube)を通じて知り、驚く。古代インド様式というところが琴線に触れたようだ。奥さんは「タージ・マハルみたい」と感想を話したが、一般の寺と違う雰囲気を感じていたらしい。

ちなみに、タージ・マハルはムスリム様式だ。

(写真〈上から順に〉:古代インド様式をモチーフとした東京都中央区の築地本願寺=りす撮影、堂々たる築地本願寺の正門=同)

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