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そうは問屋が卸さない

ーわが家の冤罪事件簿(5)

奥さんの味噌作りを滞らせた原因は、ガス会社がガスを止めたことだと分かり、疑いをかけられていたガスコンロは無罪放免。これで、この件は大団円だいだんえんを迎えたと思いきや、そうは問屋が卸さない。困ったことに、奥さんは行く先を失った怒りの鉾先をこちらに向けてきた。他方、今回の件を通じて得た"収穫"は大きい。この先の生活に活かしたい。

関連リンク(連載「わが家の冤罪事件簿」シリーズ):「(1)ガスコンロに異常あり」「(2)坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」「(3)味噌作りの恨み」「(4)不機嫌のワケ

つゆ知らず

ガス会社の監視センターに事前の断りなく、ガスを1時間以上使うと供給を止められる。止める前に、ガス会社が登録してある電話番号に連絡するー。この仕組みを知ったのは、今回の件を通じて得た最大の収穫と言える。

これまでつゆ知らず。今後、ガス機器が止まった場合、原因究明の参考になる。それにしても、飲食ビジネスに携わっていない一般の人のうち、この仕組みを知っている人がどれほどいるのだろうか。そう問いたくなる。

初めて知ったと奥さんにラインで伝えると、「こっちも知らんよ」とキレ気味の返信。ピロンと鳴る可愛らしい音色とのギャップが凄い。スマートフォンを自宅に忘れ、ガス会社の連絡に気付かなかったことを責めている。

くわばらくわらばら

夫婦揃って仕組みを知らなかったのだから、今回の件を大切な教訓とし、この先の生活に活かせば良い。そう思うのだが、奥さんはどうにも収まらない。振り上げたこぶしの降ろし方が分からないのだろう。その後、奥さんは味噌作りを再開したらしい。夜遅くなってようやく機嫌が治る。

くわばらくわばら。今日も平和だ。(終わり)

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

関連リンク:

※「坊主憎けりゃ袈裟まで憎いーわが家の冤罪事件簿(2)」は「味噌作りの恨みーわが家の冤罪事件簿(3)」を含む。

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