ことばの世界への入り口
うちの娘は日に日におしゃべりが上手くなります。
「たいしたもんだよ!」
これはうちのジイちゃんのモノマネ。3歳児の老人語に思わず笑ってしまいます。
「しょ…笑止(しょうし)…ふざけたことを…」
これは『(アニメ)コウペンちゃん』の邪エナガさんのモノマネ。3歳児のサムライことば。
「これってコロナウイルス関係?」
お気に入りの動物園や遊び場に行けなくて、覚えました。どんなことでも、都合が悪かったり、思うようにならなかったりすると、必ず口にします。
意味はわからなくても、そのことばを用いる文脈とタイミングさえ押さえればいい。大人は忘れているけれど、ことばの世界への入り口は「意味」ではなく「使い方」です。
私が気になるのは「哲学」ということば。その意味なら辞書を引けばわかります。ものごとの本質を追求する学問で、中核的な部門には「存在論」「認識論」「倫理学」などがあり… でも、普段はどのように使っていますか?
No thank you, I’m just looking.
服・靴屋さんで用いる決まり文句です。
でも、ちょっと待てよ… 俺の人生はずっとこれじゃなかったのか… 行きたいのに行かず、やりたいのにやらず、好きなのに告白せず…
ウーン… 哲学的…
オモテに対するウラの理解には、たいてい「哲学」ということばが使えます。
参考 スミスマガジン編 越前敏弥訳 (2010) 『SIX-WORD たった6語の物語』 ディスカヴァ―・トゥエンティワン
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