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田園都市日記 in London⑥(2023/6/14)

この時期のロンドンの天候は安定して晴れつづきと、屋外市場の多いアンティーク蒐集には最高の条件。
まずは朝のウォーキング、今日は東の地下鉄駅方向に進むと街のはずれに地元の草フットボールクラブを発見、芝生のグラウンドの緑が朝日を受けてまぶしい!

右奥がクラブハウス

街の名前の由来とおもわれるコック(雄鶏)の名を関したパブも発見。今晩さっそくためしてみよう!

パブ店名そのままの看板、INNは昔の名残

住宅街を進むといきなり大きな教会を発見、この街以外と由緒正しい街なのかもしれない。

東向きの礼拝堂、もうすぐステンドグラスに朝日が指し込む時刻

さて、アンティークセンター巡りですが、大失敗をやらかしました。
高速道路で約1時間北上した観光地の中心にあるセンター近くの市営の駐車場で財布を持ってこなかったことが発覚!幸い小銭入れのみあったことから、現金で前払い駐車券を購入、駐車して店内をチェック、気に入ったものがなければ財布を取りに戻ってそのまま別のセンターへ移動しようっと(我ながら名案とこの時点では思ったのです)。
ここで1点注意点ですが、この国ではたとえ5分であっても駐車違反はやめた方が賢明。成果報酬制なのか民間委託の違反検挙活動は日本の比ではありません、何度辛酸をなめたことか…公営駐車場内での未払いでも容赦なし。

もう一点豆知識、別の公営駐車場で以下の表示がありました。
Mon-Sat 
8am-6pm
3hours
No return within 1 hour
 月曜日から土曜日の午前8時から午後6時、3時間まで駐車可能(無料)という意味ですが、最終行の意味は?
1時間以内に車に戻ってはダメっていったいどういうこと??
しっかり買い物して地域に還元せよという町の方針???
地元の人に確認したところ、駐車後に出庫して、再度駐車するまでは1時間以上経過してからということ!
なるほど~、主語は車ね。でも出入庫システムなしに監視できるのかな…
いやっ、ずっと見ている監視員がきっとその辺に隠れているんだな…
答えてくれた女性からは「わかりにくくてごめんなさ~い」、確かによそ者は誤解しますよ

さて、話はもどってアンティークセンター内、こういったときに限って面白いものが沢山でてくるのが世の常。ミッドセンンチュリー商品を多数発見!

結局、一旦財布を取りに戻って再度訪れる羽目に。この日はあと1か所しか行けなかった…

そんなこんなで大失敗はしたものの、今日の買い物釣果は良好。そんな一日の仕上げは朝見つけたパブ雄鶏。最寄り駅駅前のパブに比べ少し高級路線で雰囲気よし。
今夜も英国の典型メニューの中からベリーポーク(豚バラ)ローストをチョイス。写真をご覧の通り、これまでのパブ飯とは比較にならない見栄え、この店はフランス料理の影響大でした。過去の経験では火の通しすぎからか硬くて味のしない肉料理との最悪の評価でしたが、今回は日本の柔らかい豚バラ料理に比べればまだ硬めの歯ごたえですが、以前食べたものとは比較にならない食感と旨さを実感。この国の外食は急速に成長しているようです。
ビールはまたもラガー、UK産はなかったのでスペイン産に。

パブとは思えない見栄え、ところで奥の灰皿は前の客の使用したものが残った状態

さて、前号でも少し前振りさせていただいたパブの階級問題です。
この日も晴れて気持ちの良い夕方を楽しもうとパブの屋外席は賑わっています。屋外テーブルに空きはなく、使用中もしくは使用後の片づけ前しかありません。しかたなく、自身で空のパイントグラスを隣のテーブルに移し、灰皿はテーブルの隅に追いやって食事を待ちました。ポークベリーを持ってきてくれたビールカウンター内にいた若い女性店員は、カトラリーと調味料のセットをしてくれて「Enjoy!(ニコッ)」と、いっぽう灰皿や隣テーブルのパイントグラスには手を付けようとはしません。

実は昨夜も同様の状況で、前の客のパイントグラスをテーブルにそのまま残して食事を待っていたところ、食事を持ってきた若い男性店員は「私があなたのために食器を片付けますね!」と言って、隣のテーブルにグラスを移してから料理や調味料を置いていったのです。その時は「サンキュー」と返し特段なにも気にしなかった一言なのですが、今日その意味を理解しました。

パブ雄鶏で英国ポークベリーローストの進化に驚きながら、グビグビやっていたところに清掃員の制服姿の南アジア系の中年女性が来て、使用後食器の後片付けを始めたのです。この国では階級ごとに仕事の分担がはっきり分かれています。パブのカウンターや食事のサーブは若い地元人の仕事、使用後食器の片づけや清掃は移民系を中心とした中高年者の仕事のようです。なお、移民系にはに東欧系の白人も含みます。

昨夜の白人男性店員の発言の主旨は「(本当は僕の仕事ではないのだけど、)あなたのために片付けますね」と気づきました。今回の旅でロンドンの数多のパブに行ったものの、片付けをしていく若い白人店員にはお目にかかれず、客もテーブルに残された食器は、片付け係がいないなら、自身で隣へ移すのが自然といった感じでした。もしかしたら地方は勝手が違うかもしれません。以上はパブの話でレストランはまた別でしょう。また高級パブのレストランサービステーブルであれば事情は異なるでしょう。

日本人的にはせっかくの美しい屋外テラス席が空いたグラスや皿で満杯になっていくのは、店舗経営の観点からも得策でなく、だれでもよいから早く片付ければいいのじゃないかなと思うのですが…
階級ごとの仕事、役割の分担は、運営面での差はあるものの、パブだけでなく、ホテルやレストランなどサービス業を中心に、良くも悪くもこの国に根付いており、階級制度を一旦キャンセルした日本人の感覚とは異なることは、この国で生活するには理解しておいた方がよいかもしれません。

最後にこの国のいいところ、古い物を大切にすることに加え、徹底した遊び心も美点の一つだと思います。このパブの内装もしかり。

雄鶏を全面に押し出した特注家具

明日は友人との久しぶりの再会です。

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