自殺者数が減っているとは言え、男の死因の一位は今なお自殺だという現実。
2015年の自殺者数は前年比1402人減の2万4025人となり、4年連続で3万人を下回ったというニュースがあったが、それでも多い。
自殺者、4年連続3万人下回る=急増前の水準まで減少-政府白書
男女別では男性が約7割で相変わらず男の自殺率が高い。年齢別では40~60代が全体の約半数。原因・動機別では、うつ病や身体の病気など「健康問題」が最も多く、続いて「経済・生活問題」。健康問題は60歳以上で特に多い。
これを年代別・配偶関係別にまとめてみた。最新のが2013年までしかなかったのでそこまでで。男性のみのデータです。
これによると、自殺率がもっとも高いのは「離別」者なんですね。続いて「死別」者。要するに、配偶関係にあった旦那が、妻と離別か死別した場合の自殺率が一番高いということ。しかも年代が若いほどその率が高い。
多分、20代の離別か30代の死別は、絶対数が少ないために自殺率とした高く出ているという傾向はあると思いますが、なかなか興味深いデータです。「未婚」者の自殺者が年代あがるごとに高くなっているのも、絶対数の少なさと連動している感じはします。
経年変化を見てみましょう。
全体的に自殺率は下がっていますが、顕著なのは「離別」の自殺率の下がり幅が大きいということでしょうか。
これだけ見てしまうと、「未婚」も「離別」も「死別」も一人者なので、「やっぱり孤独がよくないよね」と判断しがちですが、自殺者全体の半数を占めているのは「有配偶者」の自殺です。40-60代の有配偶者の男性が主に「経済的理由」で自殺するケースが一番多い。
もって言えば、同居人ありなしでも「あり」の方が自殺者数は多い。自殺率だけを見てしまうとやや勘違いしてしまうと思いますが、結婚しているかどうかや同居人がいるかどうかはあまり自殺との関連性はないと考えた方がいいでしょう。
所管する厚生労働省の担当者は「経済問題を理由とした中高年男性の自殺がここ数年大幅に減っており、景気回復を背景にさまざまな対策が功を奏したのではないか」と話しているようですが、とんでもない話です。
絶対数が減ったとは言え、男性10歳から44歳の死亡原因の1位はすべて自殺です。事故より癌より多いんです。理由・動機として「健康問題」が理由とありますが、身体的な健康とうつ病のような精神的健康とは、理由をわけて頂いたほうがいいかと思います。多分、自殺の理由はひとつではないはずなので。
とにかく、なんで男の方が自殺をしてしまうのか。自殺は逃げなのか?自殺する男は弱いのか?男であるということが自殺の何を誘引しているのか。そのあたりをいろいろこれから考察してみたい。
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