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タスマニアでワイン作り〜温度管理編〜

タスマニアは、冷涼な気候で知られています。私はパースにも住んでいたことがありますが、パースは温暖な気候で夏は40度近くまで気温が上がります。対してここタスマニアでは、真夏でも最高気温が20度台半ば。最低気温は10度台前半です。朝晩と日中の温度差が大きく、ワイン作りには適した環境です。

先週は、気温が低い日が多く、朝は4-5度の日もありました。日中は20度近くまで上がりましたが、これから冬に差し掛かるので、これからどんどん寒くなるのかな、と思いきや今週に入り、暖かい日が続きました。

その結果、先々週に収穫、圧搾した発酵中の白、スパークリング用ワインの温度が26度くらいまで上がってしまいました。高い温度では、発酵が急速に進んで、風味が失われてしまいます。そのため、ワインのスタイルや品種にもよりますが、基本的には適温にコントロールし、発酵の進行を緩やかにすることが重要です。今回の場合、発酵は終盤に差し掛かっていましたが、それでも最後の最後に少しでも風味を引き出すために、18度前後まで冷却をしました。大きなタンクには温度調節機能があり、スイッチひとつでコントロールできますが、その機能がない小さなタンクには冷たい溶液が流れるプレートを入れて冷やしました。

冷却プレート
冷たい溶液の流れるプレートをタンクに入れます
温度計。温度計がない場合はマニュアルで温度を測ります!

オーストラリアはシラーズが(Syraz)有名ですが、タスマニアではシラー(Syrah)を作っています。シラーズとシラーは同じ品種ですが、生産地の気候とワインのスタイルが異なります。シラーズは温暖な気候で高い糖レベルのブドウから作られるフルボディで果実味の強いワインです。対してシラーは冷涼な気候で生産され、より繊細で洗練された、ハーブや胡椒のような香りのするワインになります。

私たちもシラーを作っていますが、繊細な香りを余すことなく引き出すため、特に温度管理に気を使い、赤ワインとしてはかなり低い20度前後でゆっくり発酵させます。(ピノノワールは20度台後半)

またシラーについては別途レポートしたいと思います。

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