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福祉の未来を迎えに行く

前回の記事が思いもよらず「注目記事」に取り上げていただいて、今までにないほど読んでいただいたみたいで、半分うろたえつつもありがたいな、と思っています。


とはいえ、その後に書く記事がプレッシャーでプレッシャーで・・・。


なのであまり過度な期待をせず、興味があればお読み下さい。


奇しくも前回の続きみたいな話です。




もともと僕の夢、というか僕なりの福祉や支援を突き詰めて目指しているカタチがあります。それが今の僕の大きな目標なんですが、「まちをつくりたい」というものです。


きっかけは、僕が今従事している事業所の周りが地域的に少し寂れていた事と、同じ地域に分野は違うけど支援的な活動をしている仲間がいた事でした。


「それぞれが誰かの居場所を担っている。だったらこの居場所というフィールドが広がったらいいね」「ここがそういう場所として営みが生まれる地域の景色ができたらいいね」



多分そんな何気ない会話が、僕の目標のきっかけになったんじゃないかと思います。



もちろん今もその夢を叶えるためにあれこれしながらも向かっています。






前回の記事でも書いたんですが、いろんな活動をしていく中で、そして自分自身の考えをずっと掘り下げたり知見を広げて考えていく中で、福祉は福祉の中で全てを完結しようとするだけではなくて、社会に繋がりに行くという選択肢もあった方がきっといいんだろうな、と今は思っています。



最近「まちをつくる」という目標の中に意味づけられているもののカタチが少しだけ変わりました。


考え始めた時は、僕ら福祉の視点でまちをデザインできないだろうか、という発想でした。もう少し言うと福祉が主体となってまちづくりをしていくイメージだったんです。


そこには通所型の事業所もあれば、就労継続支援のオフィスというか職場があったり、その中で一般の業態も誘致して障害者雇用も当たり前にしながら人の「営み」に必要なインフラ、ご飯を食べるところやクリーニング屋さん、ゲームセンターもあれば食材を買うためのお店もある、みたいなものを整備して、何ならそこに託児所だったりフリースクールみたいなものもあっていいな、みたいな、ちょっと「福祉の街」みたいなイメージ。


福祉「ありき」みたいな感覚のイメージを持っていたんです。



でも、今描いているまちの風景って必ずしもそうじゃないんだろうな、と思っています。



もちろん支援事業所が当たり前にあってもいいんです。そういうインフラはきっとこれからも必要なので。いろんな支え手がまちの中にあるっていう景色はいいなぁ、と思うんですが、その景色って福祉が主導するという建て付けじゃなくていいなと思うんです。
それよりも先に、福祉が主導しなきゃいけないじゃなくて、もっと福祉が自然に社会の中に融け込んでいく事の方が先だな、と考えるようになりました。



僕ら福祉の側からみた社会って、必ずしも生きやすい場所ではないと思います。いろんな社会課題があって、生きづらさを抱えている人から見たときには、偏見も誤解もあって、時には差別みたいなこともまだまだあるんだと思います。
でも、それを全部福祉の枠組みで請け負ってしまっている限り多分何も変わらない気がします。もちろん社会と福祉が対立構造になっていても何も始まりません。


かと言って「社会がもっと生きづらさを抱えた人達のことを理解しなければいけない」と声高に訴えるのもなんか違う気がするんです。


もちろん理解してもらえるに越したことはないんですが、理解してもらうために僕ら福祉として何をしなきゃいけないんだろう、ということです。



すごく地道なんですが、それは「知り合い」に行くってことなんじゃないかと思うんです。


社会は福祉を拒絶しているわけでも排除しているわけでもなくて、「知らないこと」が多いんだと思います。
逆に僕ら福祉も今の社会の事情を十分には知らないかも知れません。
細かい事の積み重ねなんでしょうが、「よく知らない」「よく分からない」「分かったつもり」がいっぱいなんじゃないでしょうか。



それってもっと接点が増えれば、接地面が大きくなれば関わり方も見えてくるんじゃないでしょうか。



そういったコミュニケーションの先に、「福祉が自然に融け込んでいるまち」みたいなものの姿が見えてくるんじゃないかな、と思うわけです。


知らない部分を知り合って、そこでお互いのメリットを一緒に考えられるような関係性を福祉と社会が持てるようになると、福祉はもっと福祉ではなくなって、社会はもっと福祉観のある場所になりはしないかな、と思い描いています。


そんな景色が未来予想図になったらいいな、というのが僕の願いと夢です。


よかったら前回の記事と合わせてお読みくださると多少はまとまりのある話になるんじゃないかと思います。

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