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風·伊勢正三

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フォークデュオ風の曲の感想等
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記事一覧

そんな暮らしの中で

雪の予報を聞く度に頭の中をループする曲がある。それは風の「そんな暮らしの中で」という曲で…

淡月
1年前
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ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)その1 「君と歩いた青春」

伊勢正三というミュージシャンがいます。「かぐや姫」というフォークグループから「風」という…

淡月
1年前
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ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)その2 「少しだけの荷物」

彼女との別れを決意した男ですが、東京に出てきて二人で暮らしはじめたこの部屋も片付けなけれ…

淡月
1年前
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ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)その3 「なごり雪」

ついに彼女が故郷へ帰る日がきました。 「そろそろ行くね」 「···うん」 彼女はスーツケ…

淡月
1年前
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ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)その4 「時の流れ」

彼女を見送った後、一人で部屋に戻った男。当たり前だが、彼女を見送るために出ていった時のま…

淡月
1年前
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ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)その5 「北国列車」

男はすべてを吹っ切るために旅に出た。思いきってアパートを引き払い、気が向いたところへ足を…

淡月
1年前
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ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)その6 完 「夜汽車は南へ」

ふらっと降り立った駅のホーム。男はその駅がある北の町で数ヶ月を過した。暮らし始めた時は、あんなに綺麗に見えた彼女の星座も今はよく見えなくなってしまっていた。 でも、それは男にとって特別な感慨をもたらすものではなかった。男にとって彼女は心を惑わす存在ではなくなっていた。彼女の思い出はどれも懐かしく愛おしいものであった。 「東京へ戻ろう」 男は彼女と暮らした街へ戻り、思い出の場所を巡った。少ないけど、友だちにも別れを告げた。 「故郷へ帰ろう」 東京で培った絆たちに別れを

ある男の魂の彷徨(伊勢正三とともに)まとめ

6回に渡って、伊勢正三というミュージシャンが産み出した数多の作品の中から数曲を取り出して…

淡月
1年前
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「あいつ」(伊勢正三が描く情景)その1

風のファーストアルバムに収録されている「あいつ」という曲があります。 この曲は伊勢正三作…

淡月
1年前
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「あいつ」(伊勢正三が描く情景)その2 「夏この頃」

「あいつ」の後日譚と解釈されているのは「夏この頃」という曲です。私は不覚にもこの曲の存在…

淡月
1年前
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「あいつ」(伊勢正三が描く情景)その3 「地平線の見える街」

前回述べたように、発表順とは逆になりますが「夏この頃」は「あいつ」の後日譚と比定すること…

淡月
1年前
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「あいつ」(伊勢正三が描く情景)その4 「あいつが生まれた朝」

フォークデュオであった風の4枚目のアルバムが「海風」です。45年近く前に、このLPレコードに…

淡月
1年前
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「あいつ」(伊勢正三が描く情景)その5 「あいつが生まれた朝」についての考察

「あいつが生まれた朝」 この曲は 「いつの間にか夜が明けて 土曜日へと流れる あいつが生…

淡月
1年前
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風 大久保一久の優しい世界その1「トパーズ色の街」

伊勢正三と大久保一久の二人が組んだフォークデュオの風ですが、4枚目のアルバム「海風」でフォークからAORへと路線を劇的に変えました。まさに風向きが変わったアルバムです。そして、私にとっても衝撃的でした。それまでは、正やんこと伊勢正三をメインに聴いていたのですが、この「海風」の場合、久保やんこと大久保一久の作品群が素晴らしく、聴けば聴くほど私の琴線に触れてきました。 久保やんは残念ながら昨年ご逝去されましたが、その作品は今でも私の心に響いています。 大久保一久さんのご冥福を