淡月

思いついたことをとりとめもなく書いていきます。

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    オフコースの「思い出を盗んで」という曲にインスパイアされた短編小説です

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オフコース&小田和正「秋の気配」その1

今年は本日8月7日が立秋とのことですが、立秋とは暦の上では秋の始まりということですね。夏の暑さが極まり、秋に向け季節が移り変わり始める日という意味だそうです。つまり暦の上では立秋が夏の暑さのピークであるとされ、立秋の翌日からの暑さは「残暑」と呼ばれるとのことです。なるほど、明日以降は「暑中御見舞い」ではなく「残暑御見舞い」になるわけですね。 ところで「秋の気配」と言えば、オフコースの名曲「秋の気配」が思い浮かんできます。オフコースとは80年代に活躍した伝説のバンドですが、メ

    • オフコース『NEXTのテーマ』から小田和正『君のこと』へ

      桜の花が散り始める季節になると思い出す詩があります。 年年歳歳花相似、歳歳年年人不同 年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず 「春になれば毎年同じように花は咲くけど、その花を見ている人は毎年変わって同じではない」という唐代の詩人劉希夷の詩です。 この詩を思い出すと必ず呼び起こされる歌があります。小田和正さんの『君のこと』という歌です。 ♪ あきれるほど早く過ぎてゆく 時はボクを追い越して行く 繰り返し 季節が運ぶものは 何も変わらないのに あの頃許せなかったこ

      • 別れの情景 その2 安部恭弘「MANHATTAN」

        と、こんな感じで安部恭弘の「トパーズ色の月」の続編として安部恭弘の「MANHATTAN」を解釈してみました。 リリースは「MANHATTAN」の方が早く1983年3月で「トパーズ色の月」の1年前。しかし、この2曲を聴いていると、3月に日本からニューヨークへ旅立った女性(トパーズ色の月)を5月の連休あたりに追いかけて渡米した男(MANHATTAN)という構図が浮かんできてしまいます。 両者に共通するのは“未練たらしい男”が描かれているところですが、なんか格好良いですよね。普

        • 別れの情景 その1 安部恭弘「トパーズ色の月」

          人は生きていると必ず出会いと別れに遭遇する。 ビリージョエルが歌詞の中で喝破したように Life is a series of hellos and goodbyes. なのだ。 その中でも特に、別れ、には様々なドラマがある。そんな別れの歌で特に好きな歌が安部恭弘の「トパーズ色の月」である。 私のようなアラカン世代にはヨコハマタイヤのCMで流れていたので記憶に残っている人も多いかもしれない。F1のレースシーンに流されていたがレースシーンとこの曲の組み合わせは不思議な雰

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          帰郷 心の旅3 チューリップ「夕陽を追いかけて」

          室生犀星の「小景異情」という詩がある。題名を聞いてもピンとこないかもしれないが、冒頭の句を見れば「あゝ」と思われる方も多いだろう。 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの この句だけを見ると、犀星が故郷から遠く離れた地でこの詩を詠んだと解釈してしまうが、犀星は故郷の金沢でこの詩を詠んだのである。 つまり、犀星は今いる故郷は自分のいるべき処ではなくて遠くから思いを馳せる処だと詠っている。都の夕暮れを見て故郷を思う心を持って都へ帰ろうという詩。故郷に対して複

          帰郷 心の旅3 チューリップ「夕陽を追いかけて」

          上京当夜 心の旅2 チューリップ「悲しきレイン·トレイン」

          博多駅を出た時はなんとかもっていた空模様も門司を過ぎ下関辺りに差し掛かった頃、雨が降り出した。 寒冷前線がこの夜行列車に追いついたのだろう。きっと彼女の街も雨が降ってるはず。彼女もこの雨を見ているのだろうか? 車窓を叩く雨を見て、男は昨夜別れた彼女のことを思った。 結局、彼女は自分についてきてはくれなかった。彼女の人見知りの性格を思えば仕方のないことだったのだろう。彼女にすれば、知り合いが誰もいない東京で新たな仕事を見つけ自分の帰りを待つ生活なんか考えたくないだろうし…

          上京当夜 心の旅2 チューリップ「悲しきレイン·トレイン」

          上京前夜 心の旅1 チューリップ「心の旅」

          博多での最後のライブを終えた男は「じゃぁ明日」と言ってバンド仲間たちに手を上げライブハウスを後にした。 ライブハウスを出た男は左に折れ、福岡駅通りを北へ進む。しばらく歩き交差点の手前の喫茶店のドアを開けた。店の奥の席から控えめに手を振る彼女の姿が見えた。 男は席の後ろにギターケースを立て掛けコーヒーを頼んだ。彼女の前の席に腰をおろす。 「…」 黙って俯いたままの彼女を男は見た。言葉が出てこない。 こういう時、タバコが吸えたら間が持つのだろう…でも、喉を守るためにタバ

          上京前夜 心の旅1 チューリップ「心の旅」

          沈黙の闘い〜ありがとう007

          今年の夏は暑かったので、いろんなところで影響が出ている。カメムシの大量発生もその一つ。 昨夜、シャワーを浴びてテーブルの前の椅子に座って一息ついていると、何やら右脚の付け根辺りがモゾモゾする。 ボクサーパンツの右の裾をゆっくりとめくる。 カメムシ… 私は何故かこの時ショーン・コネリー演じる初代007の映画のワンシーンが浮かんできた。 そのシーンとは…事件の調査で南国に赴いたボンド。ホテルの部屋で寝ていると敵の刺客が手のひら程の大きさの毒蜘蛛タランチュラを放つ。身体の

          沈黙の闘い〜ありがとう007

          アオハルってなんぞや?

          もう10月も終わり秋期のドラマ放映が始まっている。どんなドラマがあるのだろうとTVerで見ていると?なタイトルが目にとまった。 「マイ・セカンド・アオハル」である。 タイトルの「アオハル」に思考停止。アオハルとはなんぞや?アオ→青、ハル→春。と脳内変換して「あぁ青春のことか」と納得。 アオハルって言い方は初めて聞いた。ドラマのタイトルに使われるくらいであるから一般的な表現なのだろう。私は時代に取り残されているのだろうか…少々不安になる。 言葉は、その時代とともに変わっ

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          短編小説「思い出を盗んで」その8 終章「思い出を盗んで」

          終章「思い出を盗んで」  目を覚ますと、私は自分の部屋のベッドの中で横たわっていた。頭がぼんやりして夢を見ているようだった。しばらくして水の中から一気に顔を出した感覚がした。五感が再び動き出した。  部屋の明るさから昼近くになっていることに気づいた。時計を見ると十一時を回っている。  私は急いで階下へ降りて躊躇なく彼の部屋のドアを開けた。  何もない部屋の様子に私は呆然と立ち尽くした。昨夜床に点々とついていた血痕も綺麗に拭き取られていた。部屋を間違えたのかとも思ったが、

          短編小説「思い出を盗んで」その8 終章「思い出を盗んで」

          短編小説「思い出を盗んで」その7 十三夜

          十三夜  彼の転帰はいきなりだった。  その夜。  消灯時間がきたので私は読みかけの本に栞を挟んで机に置いた。机の電気スタンドを消し、そのままベッドに入ろうとしたが思い直して本棚に本をしまった。  自分で片付けしないと片付かないのよね…  私はいつか彼から聞いたエントロピー増大の法則のことを思い出して独り言ちた。  部屋の灯りを消してベッドにもぐりこむ。  この療養所に来てもうすぐ一年になる。この一年は私にとっては充実したものだった。病気も順調に回復傾向にあったし

          短編小説「思い出を盗んで」その7 十三夜

          東海道新幹線N700S

          今朝、東海道新幹線のぞみN700Sの7号車に乗った。のぞみ7号車はS Work車両となっており車内でのパソコン操作を前提にした車両で、高性能Wi-Fiが飛び、キーボードの音や通話などもある程度許容されている。最新型のN700SはN700と異なり各座席にコンセントが備えられ利便性が高まっている。 私の場合、車内でパソコンを駆使するわけでもないのだが、現在のぞみ7号車の予約はネットでしか出来ずビジネス客前提なので家族連れに遭遇する確率が相対的に低いしホームの階段が近いこともあり

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          谷村新司よ、永遠に

          自分の青春時代を彩った人やものを喪失することは、自分のどこか一部が抉らる。 谷村新司が逝ってしまった。 中学生になって大人への扉を開いてくれた一つはラジオの深夜放送であり、関西在住の私にとってはMBSのヤングタウンの谷村新司だった。 当時はアリスのブレイク前で、私にとって谷村新司は歌手というよりも面白いアニキとも言うべき存在だった。彼の深みのある声から繰り広げられる話題は、少しエッチでもあり大人の世界を垣間見せてくれた。 「冬の稲妻」でアリスがブレイクしてテレビでもそ

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          短編小説「思い出を盗んで」その6 蝉時雨

          その6 蝉時雨 夏の昼下がり。  青い空に入道雲が湧き上がっていた。中庭の木々からは蝉たちの声が賑やかに響いている。  彼は二階の私の部屋の窓枠に腰を掛け手摺に体を預けて外の風景を眺めていた。  私はベッドに座って彼を見ていた。  「何をそんなに熱心に見てるの?」  彼は外を見ながら応えた。  「不思議だなって」  「何が不思議なの?」  「夏は暑いし蝉たちは一生懸命鳴いている」  私は彼の言葉に思わず笑ってしまった。  「それって当たり前じゃな

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          短編小説「思い出を盗んで」その5 春セーター

          その5 春セーター 春になり暖かな日が多くなると、私たちは場所を食堂のストーブから中庭のベンチに移した。場所が変わっただけで、することはあまり変わらない。私は刺繍をして彼はスケッチをしたりノートに走り書きをしていた。時折、彼はバドミントンやキャッチボールに誘われ、相変わらず機嫌よく応じていた。そんな時、運動が苦手な私はベンチに座り彼の動きを目で追うだけだった。   ある日、彼がベンチ前のテーブルに体を預け、うたた寝を始めた。   薄緑色のセーターを纏った彼は気持ちよさそう

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          感応式信号

          家の近所には感応式信号が設置されている交差点が2箇所ある。 感応式は、交通量が多くない交差点で車両が停止線辺りに止まったとき、その上にあるセンサーが反応して信号が青に変わるというもの。 クルマの場合は問題ないが、問題なのは原付バイクである。先頭に原付バイクが止まっている場合、センサーが反応しないことが多い。そのために信号機の手前にバイク用のボタンが設置されているのだが、それを押していないバイク乗りに結構な頻度で遭遇する。 その場合、信号は当然変わらない。バイク乗りはボー

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