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「本の読み方」で人生が思い通りになる 読書革命 【読書感想】

いささか大げさな感のあるタイトルだが、読書術について紹介する本だ。読書術というと「本を速く読むか」「読んだ後記憶に残すか」という話が多い。それに対して本著の金川氏は「読書は知識を得るためではなく、思考を磨くためにある」と話す。

そもそも読書のメリットとは何だろうか?


読書から得られる知識は膨大だ。しかし、肝心なのは知識や情報を基に思考し、情報を分析して判断する能力を鍛えることだという。金川氏の読書では以下のプロセスを辿る。

①情報を取り入れる
②その情報を基に多方面から思考する
③自分の言葉でアウトプットする。

個人的には、筆者が挙げた他の読書のメリットで、「自己肯定感を高める」という点が気に入った。自己肯定感を高めるには、ネガティブな言葉を避け、ポジティブな言葉のシャワーを浴びることが大事だ。そして本をわざわざ書いて出版するなんて人は基本的に自己肯定感が高い(笑)そうでなければわざわざ本を書こうとしないからだ。

本を読むことで少しずつ、成長できる。先ほど知識だけでは意味がない~と話したが、知識を整理して得るだけでも個人的には価値があると思っている(深堀するきっかけやアイデアになるし)。筆者独自のものの見方や思考を深めていく過程で少しでも成長できる

楽天の三木谷は「毎日毎日1%の成長を重ねる人と、毎日1%気を抜いたり、さぼったりする人では、1年365日で大きな数字の差が出る」と言ったらしい。計算すると当たり前の話で、1.01の365乗=約37.78と0.99の365乗=役0.025と1500倍程度の差が出る。もちろん人間なのでこんな単純にはいかないが、日々の成長スピードの差は将来とてつもない差になるのだ。

インプット術 読書は読む前から始まっている

①同じジャンルの本を同時に4冊買って読む
本当に身につく読書は本の購入段階から始まる。
同ジャンルの本を同時並行で読んだ方が記憶に残る。同じ情報だと海馬は長期記憶に保存すべきだと判断してくれない。4冊は目安に過ぎず、筆者は10~20冊読んでいるがこの数はハードルが高い。また、1~2冊程度だと「逆張り」する著者に当たるリスクがある。

②アウトプットを意識して、考えながら読む
本当は筆者なりの4ステップで読むことを紹介しているのだが、要約するとこうなる。

事前に本の内容をタイトルや帯などから予測し、読んでるところは気になったところや熟読したい個所をマーキングする。この時、「なぜ筆者はそのような主張をするのか」「自分はそれに対してどう感じたのか(もっと深く知りたいとか、疑うとか)」など考える。最後に、読んだ内容を他人に説明できる=アウトプットできる形に、自分の言葉でまとめながら全体像をつかむ。

また、目次を読むことで、本の内容を推測しながら読みやすくなる。ここで読む場所を断捨離しながら読むことを筆者は勧める。パレートの法則というのもあるが、2割程度の記述に内容が詰まっているからだ。

もし読むとき、何を考えればいいか迷ったら以下の視点で考えられる。
・問題提起は何か
・問題提起に対する解決策は何か
・何を学びたいのか
・それを学んで自分はどうなりたいのか、どのような成果が欲しいのか
・他の本との共通点・相違点はなにか
・筆者が伝えたいことを3つに絞ると何か
・本を振り返って一番心に残ったことは何か


アウトプット術~ぼっちでも1人会議でアウトプット

アウトプットが最高のインプットと言う話は有名だろう。ラーニングピラミッドという研究があり、講義を受け身で聴いただけでは記憶の定着率は5%だが、他人に教えると90%まで跳ね上がるというものだ。


とにかく大切なことは自分からアウトプットすることである。

筆者のおすすめは、読書会など自分の意見を発表する場を定期的に主宰することだ。とはいえ、そういうのは気が重いという人には、「一人会議」要はプレゼンの練習から始めると良いという。

筆者の場合は3脚にビデオカメラをセットして、1日1時間テーマを決めてひたすら話していた。再生してチェックして、修正が必要だと思えばそこをまた撮りなおす。これは話す練習という意味もあるが、読書に限らず自分のアイディアや会議の議題になりそうな内容を話していくうちに、自分の理解が深まっていく効果があるからだ。

理想はやはり他人と話をするべきなので、会話に積極的になろう。おすすめは旬の本をテーマにすることだという。1人会議はプレゼンだから話し続けるが、他人と話すときは1~2分でまとめることがコツだという。「あの人は読書家だ」と評判につながる可能性もある。

読書時間を増やすためには?ルーティンを作る。

結局、ある程度の時間は読書のために必要だ。多忙なサラリーマンであっても、読書を生活の一部に組み込む方法を取り入れることで読書時間を確保できる。

筆者は朝、顔を洗ったらフルーツジュースを飲み、軽くメールの返信などの仕事をして目を覚ましたら本を読み始めるという。フルーツジュースを飲んだら本を読むというルーティンになっているそうだ。

そして外出したら、隙間時間にはスマホを鞄の底しまい、鞄から本を出して読む。このスマホをしまうことは真似したい。家で読めないという人であればカフェで読むなどが考えられ、その場合はカフェの注文内容や席を固定化しておくとますますルーティンにできる。

本書を読んでの所感

一人ではアウトプットに限界があると思っていたが、読書会や一人会議という発想は参考になった。全体的に金儲け主義というか、ゴリゴリの自己啓発系のトーンが鼻につくが、書いている内容は参考になった。

 






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