アパートのゴミ捨て場の横に、若い夫婦が粗大ゴミを置いていた。なにやらベッドのような、すのこのような物である。
翌日も、まだ置いてある。うちの地域は、粗大ゴミを出すときは、市に連絡し、取りに来てもらう日を決め、支払いと同時に貰えるシールをはらなければならない。しかし、そのシールも見当たらない。

1週間程置いてあり、また、不法投棄か。と思った。何回か引っ越しているが、今の地域には多いようだ。
前にも、市のゴミ収集車が、不法投棄しているものに、張り紙を貼っていた。
自分が住んでいる所で、こういうことがあるのは、やはり気分が悪い。
そんな放置されたものを見るたび、ふーっと思う。

ところがある日、見かけない軽自動車が停まっていた。男性は一生懸命、ゴミだと思われていたすのこを車の中に積んでいた。男性の周りには小さな男の子が2人走り回って遊んでいる。

私はピンと来た！おそらくあれはジモティーだ。私はやったことがないが、個人売買というやつだ。
あの走り回って遊んでいる男の子たちのベッドになるのかもしれない。そう思うと、今まで嫌な気持ちで見ていたベッドが、急に輝き出し、心がポカポカした。
「頑張れお父さん！！」心からそう思った。