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ひげ爺の呟き_思い出の映画

今日もいつもの様にルーチンを済ませ
お茶を飲みながら新聞を眺める
本日注目の見出しは
『映画にまつわる思い出』
ふむふむ・・・

吾輩は暇で元気な永遠の90歳
映画を鑑賞する時間は有り余るほどある

外国映画ならジェームスディーン オードリヘップバーン ヒッチコック スタローン ジャッキーチェーンなど
日本映画なら三船敏郎 高倉健 鶴田浩二 若山富三郎など様々な映画を見てきた

若かりし頃は映画は娯楽だったが現在は違う
なぜなら映画は”戦闘”だからだ
その理由を説明しよう

吾輩は暇なじじいなので30分くらい前に入館して着席している
映画の予告を見ながら放映を待つ
薄暗い部屋の中 次第に眠気が襲ってくる
『まずいぞ このままでは上映前に眠ってしまうではないか・・・』
吾輩は酔拳のジャッキーの様に頭を上下に揺らす
『ここは一発もらわないと完全に寝落ちするぞ』
吾輩はロッキーになりきりダウン寸前で立ち上がる

どうにか睡魔に勝利し上映が始まる
この度は推理映画を選択
この歳になると登場人物がなかなか覚えられない
アラン ボブ チャーリー うん・・・名前と顔が一致しない
勝新 富三郎・・・日本人なら兄弟でも見分けがつくのに・・・
名前と顔が一致した頃にはすでに中盤

ここで事件が動く
『えっ!こいつだったのか?』
吾輩の推理は見事外れる
犯行動機が語られ犯行シーンが流れる
吾輩は犯行動機に同情する
犯罪は悪いことだとわかっているがなぜか涙腺が緩む
犯人もわかり安心しホッとしたのだろうか
今度はあちらの線が緩んだ・・・

エンドロールが始まる
う〜ん 席を立つべきか・・・いや 誰一人立つ気配がないぞ
ここで立てば感傷にふけっている他の客の邪魔をしてしまう
吾輩は一旦立つのをやめる我慢する
上映前にトイレには行ったのにやはり二時間以上は危険だった
今アポロにボディされたら確実に漏らすだろう・・・
ここは健さんの様に肩で風を切り颯爽と何事もなかった様に立ち去るべきか
『トイレ トイレ トイレ・・・・トイレ』と脳内を駆け巡る

エンドロールが終わり 早歩きでトイレに向かう
用を済ませホッと一息
まだ時間があるのでもう一つ映画を見るかとチケットを購入
再び睡魔と戦い 上映開始
アラン ボブ チャーリーと名前を覚えていると
『あれっ これ見たことあるぞ』
吾輩は先ほどの記憶をすっかりトイレに流し去ったのだ・・・

人形劇公開してます
ぜひご覧願います
『鬼は外 福は内』・・・そんな賑やかな中 鬼の逆襲が始まる








#映画にまつわる思い出

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